肉料理とセイヴォリー
《アバディーン・ソーセージ》-ブラウン・エリオット夫人

 ラウンドステーキを1ポンド半、脂身のベーコン半ポンド、パン粉3オンス、たまご1個、デザートスプーン1杯のウスターソースか塩・コショウで調味したアンチョビーを用意します。ステーキ肉とベーコンをひき肉器にかけて他の材料を加えてよく混ぜてから、円筒状にまとめ、小麦粉を振った布に包み3時間蒸します。バターで炒めたパン粉をまぶし、スライスして冷めてからいただきます。


《さやいんげんア・ラ・フランセー》-ノーマン・ジョイソン夫人 チェシャー州、ウィラストン在

 いんげんを切り、ゆでます。湯をよく切ったらシチュー鍋に入れ火にかけて乾かし、水分をとばします。焦げつかないように火の上で鍋をゆすってください。水分がなくなったら水1オンス、バター1オンス、レモンジュース少々、塩・こしょう、こさじ1のおいしいグレイビーを加えます。いんげんが十分熱くなるまで鍋をゆすって、いそいで食卓に。


《ビーフ・ガランティーヌ》

 材料--牛肉半ポンド、ベーコン半ポンド、パン粉6オンス、スープ・ストック1ジル、塩・コショウ少々、たまご2個。
 作り方--牛肉とベーコンを細かく刻んで(ミンスにしてもよい)パン粉と調味料をあわせてボールに入れます。たまごをときストックと合わせ他の材料とよく混ぜあわせます。これを短い筒状にきれいにまとめバターを塗った布巾に包み約2時間半ボイルします。冷めるまで二枚の皿にはさんで押さえておき、とかした肉汁をブラシで満遍なくぬって照りをつけます。
*うーん、もうひとつ具体的なイメージがわかないなあ。


《セロリとマカロニのシチュー》

  端を落として洗った3本のセロリを、塩と小さ目もしくは半分にしたベイリーフを入れたミルクと水を合わせた中でやわらかくなるまで煮る。湯を捨てセロリを2インチの長さに切ります。さらに塩をした湯でマカロニ2オンスを茹で、茹で上がったらざるで湯を切りマカロニを短く刻みます。1.5ジルの量のこってりしたホワイトソース(ベシャメルあるいはブルーテとも言います)を暖め、ホワイトペッパーとひいたナツメグで味付けしたセロリとマカロニを加えます。そのまま弱火で15分かもう少しくつくつ煮ます。セロリとマカロニが煮崩れないように細心の注意を払ってください。暖めた皿に盛りつけて食卓に。


《チキングラタン》-ホレイシャ・ヒューズさん

  コールドチキンの多肉質の部分を用意し細かく裂きます。トリュフを2個細切りにして、裂いた鶏肉といっしょにシチュー鍋のベシャメルソースに入れ弱火で数分煮込みます。これをアントレー皿に入れ上からバターをかけたパン粉をふりかける。さらにパン粉をふりかけもう一度バターもかけ、サラマンダーで全体に焼き色をつける。

(注)Salamander : サラマンダーというのは料理の表面を焦がしたりするのに使われる道具で、2フィート程の長さの取っ手の先に厚い鉄のプレートを取り付けたもの。プレートの部分を赤くなるまで熱し、料理の上にかざして焦がす。当時の一般家庭に常備されているような道具ではなく19世紀後半に発行された別の本では石炭ストーブ用のスコップや火かき棒で代用できるとあります。

《シュー・ア・ラ・クレーム》-M・T・Gさん

 大き目のキャベツの外皮をはずします。外の葉をはずしたキャベツとクローブを三つ刺した大き目のたまねぎをキャベツがやわらかくなるまでいっしょにボイルします。これをみじん切りにしてから裏ごしして、親指くらいのバター、少量の塩コショウ、1カップ弱のクリームといっしょにソース鍋に入れて熱々にします。細切りにして揚げたトーストで飾って皿に盛って供します。


《冷たい前菜》-メトロポール・カフェのジョーンズ夫人、アーベルゲレ在

 痛んでいない新鮮な熟したトマトをいくつか用意して、皮をむいて種を取り除きます。トマトの内側に塩少々、ピンク・ペッパー(注)、エシャロットとパセリのみじん切りで風味をつけて、チキンなどの鳥肉をピュレー状にしたものをつめます。詰め物が落ち着いたらトマトをゼリーで薄くコーティングします。皿に野菜入りゼリーを盛り付け、そのふちに並べるようにトマトをあしらってください。


(注) 
 "coralline pepper" が何なのか悩みました。珊瑚入りの胡椒? 珊瑚色の胡椒? それとも赤唐辛子やパプリカなのか?
 検索していたら'Historic Food' という古いイギリスの料理を紹介するIvan 氏のサイトに行き当たりました。ここでMrs. Agnes Marshall(1855-1905) という当時有名な料理研究家のヴィクトリア調のアイスクリームのレシピが紹介されていましたが、なんと "coralline pepper" を使用しているではありませんか。そこでIvan氏に問い合わせをしたところ以下のような返事がありました。
"coralline pepper"は19世紀末から20世紀初頭にかけてMrs. Agnes Marshallにより市場に紹介されていたもの。
Mrs. Agnes Marshallの料理の本には広告(左の写真)が載っているが女史が出処を秘密にしていたため、今ではそれが何だったのかは謎であるとのこと。ただ、これが Pink Pepper の可能性があり、自分はいつもこれを使用しているがうまくいっているとのことでした。

(参考)ピンクペッパーはPepper Tree(コショウボク)というマダガスカル産の木の実を乾燥させたもので、いわゆる胡椒の仲間ではない。きれいな赤に近いピンク色で、粒こしょうのような形状をしているが辛くはなく別名ポアブル・ロゼ。日本でもスーパーの調味料売り場で普通に手に入ります。僕はスモークサーモンにケイパーといっしょに振りかけて使ったりします。    


《コラリーン・セイヴォリー》-E・ハイネスさん

 殻をとったシュリンプを1/4パイント、粉チーズ4オンス、パセリの素揚げ大さじ4、薄くバターをぬり円形に切ったトーストを数枚、バター半オンス、ピンクペッパー、カイエンヌペッパー、塩を用意します。鍋にバターをとかし、シュリンプとチーズをカイエンヌ少々と塩一つまみと共に混ぜいれます。トーストは半インチの厚さで用意しておき、一枚一枚にえびの混ぜたものをピラミッドのようにこんもり盛って、ピンクペッパーを上から散らし、揚げたパセリを飾ります。


《仔牛肉のクリーム》

 12オンスの仔牛肉をミンチにして裏ごしにかけ、バター1オンスとミルク1ジル(1/4パイント)の入ったソースパンに加えます。沸騰するまで煮立て、大さじ1の小麦粉を加えます。火の上でバターのようになるまでかき混ぜ、火を消して冷まします。たまご3、4個をとき、先ほどの材料をこの中に加え、よく叩くように混ぜてからもう一度漉し器にかけます。そこへ半パイントのクリームを加えてよくまぜ、バターをよくぬった平らな型に流し込みます。一時間蒸したら火を消してください。ホワイトソースを添えて供します。

《カレー風味のほうれん草のクレセット》-ダンカン・ミラー夫人

  ほうれん草を2ポンド選び、洗ってやわらかく茹でます。湯をきり、裏ごしにかけてください。ソースパンに1オンスのバターを入れて熱し、デザートスプーンに1杯のたまねぎのみじん切りを茶色くなるまで炒め、デザートスプーン山盛り1杯の小麦粉とデザートスプーンにすりきり1杯のカレー粉を混ぜいれます。充分良く混ぜたら先ほどのほうれん草、塩・胡椒少々、デザートスプーン1杯の濃厚なクリームを加えます。良質のグレイヴィを足してやりながら弱火で15分ほど煮詰めます。ここへデザートスプーン1杯のピクルス漬けのシュリンプを混ぜ入れ、これをバターを塗って丸く切ったトーストにスプレッドしたら素早く食卓に。

《カツレツ》-ハーマン・ブラウンさん、ライル在

 家禽類の肉、魚、猟鳥類でも何の肉でもいいですから残りものがあったら細かくミンスし、パン粉をちょっと加え、胡椒、塩、すったレモンの皮、メースか何かハーブで風味をつけます。ここでパノーダを作ります。(バター1オンス、小麦粉1オンス、牛乳1ジル)---まずバターを小さ目のソースパンにとかします。そこへ小麦粉を投入し、木ベらでよくまぜたら牛乳を少しずつ混ぜ入れペイスト状にしていきます。ここへ先ほどのひき肉を加えよく混ざり合うようにします。混ざったら両手を使ってカツレツの形に整えます。そうしたら肉の端にマカロニを1本刺して骨のように見せます。たまごとパン粉をしてからカツレツを揚げます。揚がったらペーパーの上で油を切ってください。ゆでたりフライにした魚の残りでも同じようにして出来ますが、こちらはバターを塗ったカップで蒸した方がおいしく出来ます。

*panoda というのはホワイトソースのことでしょうか?

    
《ぴり辛トースト》-メリディスさん

 丁寧にトーストして円や四角にカットしたパン、バター、マスタード、ウスターソース各小匙1、カイエンヌ・ペッパーを数粒用意します。バターをすっかりやわらかくなるまで強くかき混ぜます。熱してとかすのではありません。材料を全部いっしょにしたらトーストに塗ります。

 *うーん(^^; でも試しもせずに何か言うのは止めておくか。

《たまごのコキーユ》-ハロップ・メラー夫人

 陶製のスフレケースをいくつか用意し内側にバターを塗り、ゆでて調味した小匙1杯のほうれん草を敷き、その上にデザートスプーン1杯のクリームを入れます。そこへ新鮮なたまご1個ずつを割り入れオーブンで8分焼きます。急いで食卓にだしてください。

《冷めた猟鳥肉や鶏肉があるときに》−ハロップ・メラー夫人

 冷めた猟鳥肉を用意し小さくスライスします。あまり肉で作ったストックを1ジル用意し胡椒と少量のナツメグでほどよく味付けします。ここに先ほどの肉とクリーム1ジル、バター1/2オンス、細かく切った白マッシュルームを小一缶を加えます。沸騰するまでまぜながら煮込み、ゆっくりと煮詰めます。煮込んでいる間にパイ皿にパイ生地をはり、焼いておきます。焼きあがったらここに煮込んだスープをそそぎ付け合せと共に供します。

《袋のきつね』-"リバプールデイリーポスト・アンド・マーキュリー紙"より》
 この一品はあるいはローストビーフの付け合せとしては、ヨークシャープディングよりも好まれるかもしれません。ジャガイモを8個ゆで、水気がとび、粉がふいたら裏ごしにかけます。これに細かく切った牛脂1/4ポンド、塩小匙1、小麦粉およそ1ポンドを加えます。少量の牛乳で少しのばしてから、温めたプディング用布巾につつみ4時間ほど蒸します。供する前にスライスして数分ローストしてもよいでしょう。

《フランス風の一品》-M・L・C、ボーンマス在

 かなり大き目のジャガイモを茹で冷ましておきます。タマゴも1つ硬く茹で冷ましておきます。冷めたら両方ともスライスして玉ねぎのスライスを間にはさみながら交互に層にして並べ2インチほどの厚さになるように皿の上に積み上げます。上から小匙1のクリームをかけて中火のオーブンでおよそ20分ほどきれいなきつね色になるまで焼きます。熱いうちに召し上がれ!



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