(二川氏寄贈)

こいつらは、馬鹿か? 1977年本栖湖湖畔にて

1977年 水中喫煙等のチャレンジダイビングの一環として富士五湖の一つ本栖湖に潜りに行った9期+8期渡辺
水面の水温17度、水深40mでは、7度だった。
湖底に続く斜面は軟泥で、手をつくとどこまでも泥の中に沈んでしまい、フィンを斜面にそってつくことによってのみ沈み込みがふせげた。
少しでも乱暴な動きをすると泥が頭上まで舞ってしまうので、お互いそーっとそーっとの合図を送り続けた。
透明度はよかったが、水面方向も湖底方向も同じ明るさの明るいきみどり色の不思議な世界だった。
海水の浮力に慣れている者にとって淡水の浮力の無さは驚かされるばかりで、
垂直に浮上しているつもりが、水深計を見ると沈んで行ってることに気づきゾッとさせられた。

焚き火にあたりながらラッパ飲みしたウイスキーは、のどを水のように通り抜け、胃の底でチリッとだけ燃えた。
本栖湖から見る富士は変に傾いていた。


               
                                                                   戦いすんで、日は暮れて