<2006年>
Moon Calender 1月
「初詣」
新年明けましておめでとうございます。
思いのほか寒いお正月を迎えることになりました。それでも元旦は柔らかい陽射しに
恵まれ、初詣日和となりました。私は御狐さんがたくさんいる、この赤坂の神社が
大好きで、東京に来た15歳の時から欠かさずお参りに来ています。芸能と商売の
神様というこの神社、祈祷の太鼓が五拍子や七拍子だったりというのも気に入って
います。年に何回も来られませんが、来ると必ず本堂からすべての御堂を回り、
七福神様一体ずつに触れて、おみくじを引く。そして最後に売店で甘酒をいただく
というのが例年のコース。今年も一年の無事を感謝し、お守りをいただいてきました。
ここで手を合わせていると、いつも穏やかで静かな、清々しい気持ちになります。
「またここから始められる」と思える場所なのです。特に神道でもなく、特定の宗教を
信じているわけではないのですが、その精神世界には惹かれるものがあります。
何より自分がゼロに戻れる場所はやはり必要だとも思います。また澄んだ気持ちで
子どもたちと向き合いたいと思います。
おみくじは“大吉”!
本年もどうぞよろしくお願い致します。
Moon Calender 2月
「無題」
少しゆとりを持っていこうと、いつもより早く家を出たその途中――――
前から自転車に乗った親子が向かって来るのが見えました。後ろにお兄ちゃん、
前に下の子を乗せ、お母さんはペダルの足も重たそうです。私から5メートル程まで
来た時、よろけたと思うとそのまま倒れてしまいました。下の子が歩道の角に頭を
ぶつけたのを見て、私はびっくりして駆け寄りました。お母さんが激しく泣く弟の方に
「だいじょうぶ?、だいじょうぶ?」と半分パニックになりながら声をかけています。
弟は頭を打ったのに、ひざを押さえているという混乱状態。お兄ちゃんの方は
片足を倒れた自転車にはさまれたまま茫然自失。口は「痛い」の“イ”の字に
なったまま泣くタイミングを失い、母と弟の様子を見つめています。私はまず
お兄ちゃんを抱き起こし、彼が立てることを確かめました。「びっくりしたねぇ、
立てるかな?後でお母さんに痛いところを言ってね。」と声をかけましたが、
まだイの字の口のまま母親の方を見ています。自転車を起こし、弟も大事は
無さそうだったので、お母さんには「弟さん、頭を打ったみたいなので、
一応病院に行ったほうがいいかも」とだけ言ってその場を離れました。
子どもたちを保育園に送り届けて仕事へ行くところだったのでしょうか ―――
働くお母さんは大変です。そして我慢をしていたお兄ちゃんも。厚木の療育園に
着くと、インフルエンザ流行でお休みの子が続出。3グループともほぼ半数です。
――― 病気の家族をかかえ、自分は寝てもいられないお母さんたち、
ここでも大変です。次の日、「具合が悪くて早退した」と養護学校に勤める友人から
のメールが入りました。―――
行事や実習、おまけに子どもたちの5キロマラソンの伴走。先生たちも大変です。
昨年末から、また季節外れの運動会の応援団ごっこをやっているY君、
「フレー、フレー、しっろっぐっみー!」と元気に声を出しながら太鼓を打ちます。
2学期の終わりにはいつもいっぱいになってしまうY君にとって、
がんばってる自分へのエールかも知れません。お腹からの声も出るようになり、
リズムも正確になってきています。そのY君がある日、「フレー、フレー、前原民主党!」
と元気に応援。「......ハイ?」思わずお母さんと笑ってしまいました。
もちろん、家でそんな話しはしてないとのこと。――― そうです。
政界も今大変なんです。社会が落ち着かないから人が大変なのか、
人が落ち着かないから社会が大変なのか...。毎日報道される「偽装」の文字。
皆が大変ながらも日々一生懸命生きている「事実」、そして子どもたちが素直に
表現する「本当」だけが私に力を与えてくれます。
みんなガンバレー!