オパールのことだま

−その2−

夏の葬列

駅の階段を下りると
足元から続く白い砂浜
吹きつける潮風
繰り返す波の音
サンダル脱いで
波打ち際まで走る

海と空が続く蒼い世界へ
手紙を浮かべた
夏を葬るために
想いをのせて遥か


特急電車
        
川の底から
遠い記憶を拾いあげた
目の前にかざすと
ブラインドの隙間から漏れた
緑の光がキラキラ乱反射する
喜びと悲しみが背中合わせだった頃
浄水場の桜は満開だった
どこまでも流れていけると信じていた
ひとりでないことが
泳げる力を与えてくれたのに

行き場を見つけられないまま
夏の電車に揺られて目を閉じる
これが最後これで最後
振り返るのは
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

[2003.6.28]


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