Round 4 土屋 ハインリッヒ vs. 鈴木 貴大

by Kouichi Kudou 

関東の構築屋同士の意地のぶつかり合い。

土屋は構築戦のPTQがあるたびに日本各地へ精力的に遠征を繰り返している青い目のサムライ。
どのくらい精力的に遠征しているかと言うと、ついには海外にPT直前予選(兼観光)に行っちゃう位。
その努力は実を結び、今シーズンはPTコロンバス、PTアトランタに出場している。

対する鈴木は前シーズン、禁止カードが発表されるまで親和を使い倒し、ついには構築のレーティングが2000にまで到達してしまった草の根の雄。
先週のLoM2005では、オリジナルの白緑デッキを駆って5−0−1と優秀な成績を残している。
ヤソコンに話題は奪われてしまったものの、充分誇れる結果だ。

デッキは土屋が暦伝コントロール、鈴木がヤソコン。


Game 1

土屋先行。苦笑いしながらキープ。
対する鈴木もキープ。

土屋が平地を置いた返しで、鈴木が置いた《湿った墓/Watery Grave》を置くと土屋が
「面白くないじゃーん」 と一言。

鈴木が土屋の《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》を悩みに悩んで《ブーメラン/Boomerang》する所からゲームは動き出した。
ここから土屋が《木霊の手の内/Kodama's Reach》で5色のマナを揃えれば、返しに鈴木は《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》をフルタップで場に叩き付けた。

しかし返しで土屋が置いたのは《ズアーの運命支配/Zur's Weirding》!
ここで両者のハンドが公開され、デッキ内容が明らかになる。

ここからお互い様子見モードに入る。お互い有効牌を引き、それを却下しライフを削りあう。
土屋の場には土地が6枚、《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》込み。そして手札には既に《不朽の理想/Enduring Ideal》が。
一枚たりともマナソースを渡せない鈴木は徐々にライフが苦しくなってくる。しかし鈴木も有効牌を引きつづけ、土屋に楽をさせない。

青い眼の侍、土屋ハインリッヒ

互いのライフが削られていくが、土屋が《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を引き当て、ライフに余裕の無い鈴木がこれを通した事によって明らかに苦しくなる。
鈴木は数ターン後、ようやく《真髄の針/Pithing Needle》で《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を封じるものの、すでにライフは2。しかし土屋もライフ4。
《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》起動のライフを残したい、が…
鈴木の引いたのは《呪師の弟子/Jushi Apprentice》。これを土屋は墓地に落とし、互いにライフ2。こうなっては既に《すべてを護るもの、母聖樹/Boseiju, Who Shelters All》はお荷物でしかない。

ここから鈴木の引きが光る。土屋が既に場に出ている《夜陰の本殿/Honden of Night's Reach》、《亡霊の牢獄/Ghostly Prison》と無駄なドローを繰り返す間に、鈴木は《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》を引き当て、そのままこれを場に。これは土屋の手札にあった《神の怒り/Wrath of God》で葬られるものの、続くドローは《迫害/Persecute》!
これで土屋の手札にあった《不朽の理想/Enduring Ideal》を叩き落す。
これで条件は五分だ。そして、鈴木のデッキは、ドロー操作に長けた青いデッキなのである。

マナソースしか引けない土屋。
再び《呪師の弟子/Jushi Apprentice》を引き当てた鈴木。
その結果は、火を見るより明らかであった。

土屋 0-1 鈴木


Game 2


スタンダード巧者、鈴木貴大
両者、力強く初手をキープして発進。

土屋は2ターン目から《真髄の針/Pithing Needle》(《呪師の弟子/Jushi Apprentice》を禁止)、《木霊の手の内/Kodama's Reach》、《浄火の本殿/Honden of Cleansing Fire》と軽快に展開する。対する鈴木は《闇の疑惑/Dark Suspicions》で《木霊の手の内/Kodama's Reach》を弾きつつ淡々と土地を置いてドローゴー。

鈴木は《真髄の針/Pithing Needle》で禁止された《呪師の弟子/Jushi Apprentice》を出し、ただただ1点ずつ殴る。土屋は2点ずつ回復してるんだし、と意にも介さずドローゴー。土地を並べ、ひたすら鈴木の隙を待つ構えだ。

…が、ここで突然ゲームは動き出す。鈴木が放った《迫害/Persecute》(色指定:白)が、土屋の手札を全て叩き落したのだ!
鈴木は次のターン勢いに乗って《巻物の君、あざみ/Azami, Lady of Scrolls》を展開し、どんどん手札と場を整えていく。すでに土屋は諦めムード。ライフは増えているものの、そんなものは死への時間を先延ばししているに過ぎない。

そして間もなく《呪師の弟子/Jushi Apprentice》を媒体として《鬼の下僕、墨目/Ink-Eyes, Servant of Oni》が現れ、4体ものウィザード軍団による手札の補充にバックアップによって、苦しむ土屋を速やかに介錯したのだった。


土屋 0-2 鈴木


対戦後、土屋は「一本目、《夜陰の本殿/Honden of Night's Reach》が機能している状態で手札に来た《浄火の本殿/Honden of Cleansing Fire》を慌ててプレイしてしまったのがミス。
きちんと相手の手札が無くなるのを待つべきだった」 と語った。
試合直後でも冷静に敗因を分析する、それこそが彼を支えている力の一つであろう。
大会は、まだ、折り返し地点を迎えたばかりだ。

そして、鈴木はLoMで果たせなかった戴冠に向けて、栄光への階段を駆け上がり続ける。


Result: 鈴木 貴大 Win!