「ラヴニカ・この3枚」

by Kouichi Kudou 


 『ラヴニカ:ギルドの都』がDCI認定構築大会で使用可能になって最初の大規模な認定トーナメントとなった『東京都選手権』。
 前週に関東地区の大会優勝者などを招待して開催された『Lord of Magic Championships2005』が開催され、インターネット上にて活躍したデッキの情報などが広まったとはいえ、まだまだプレイヤー諸氏のデッキ構築の指針なども固まっていない次期ではないだろうか。

 そこで、昨年度の東京都選手権上位入賞者や会場に来ている強豪達に『今後、スタンダードで活躍しそうなラヴニカのカード』を3種類挙げていただいた。 是非、参考にしてみては如何だろうか。



■前年度 Top4's Choice


相澤 恵司


■主な戦績
2004年度東京都選手権優勝、プロツアー神戸出場、2005年日本選手権出場など

■ラヴニカで注目のカード
・《炎まといの天使/Firemane Angel》
・《信仰の足枷/Faith's Fetters》
・各種デュアルランド

平田 達也

■主な戦績
2004年度東京都選手権Top4、2004年度日本選手権出場など

■ラヴニカで注目のカード
・《ヘルドーザー/Helldozer》
・《黒焦げ/Char》
・各種コモン2色ランド

橘 悟史

■主な戦績
2004年度東京都選手権Top4

■ラヴニカで注目のカード
・《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》
・《疑念の影/Shadow of Doubt》
・《月光の取り引き/Moonlight Bargain》
No Photo 吉村 直人

■主な戦績
2004年度東京都選手権準優勝

■ラヴニカで注目のカード
・《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》
・各種デュアルランド
・《制圧の輝き/Glare of Subdual》

■強豪の目


有田 隆一

■主な戦績
プロツアーBest4など

■ラヴニカで注目のカード
・《ディミーアのドッペルゲンガー/Dimir Doppelganger》
・《悪夢の虚空/Nightmare Void》
・《疑念の影/Shadow of Doubt》

ユン スハン


■主な戦績
GP新潟Best8、2005年度日本選手権出場など

■ラヴニカで注目のカード
・《炎まといの天使/Firemane Angel》
・《稲妻のらせん/Lightning Helix》
・各種デュアルランド

斉藤 友晴

■主な戦績
PTアトランタ準優勝、Finals2000優勝など

■ラヴニカで注目のカード
・《引き裂く蔦/Rending Vines》
・《木彫りの女人像/Carven Caryatid》
・《腐れ蔦の外套/Moldervine Cloak》

今井 亮太

■主な戦績
2005年度日本選手権出場など

■ラヴニカで注目のカード
・《不可思の一瞥/Glimpse the Unthinkable》
・《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》
・各種デュアルランド
No Photo 栗原 伸豪

■主な戦績
日本選手権、プロツアー出場多数

■ラヴニカで注目のカード
・《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》
・《狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon》
・《ヘルドーザー/Helldozer》
No Photo 西脇 和久

■主な戦績
日本選手権、プロツアー出場多数

■ラヴニカで注目のカード
・各種デュアルランド
・《稲妻のらせん/Lightning Helix》
・《狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon》


やはりと言うかなんと言うか、ラヴニカで新たに加わった「新デュアルランド」が一番人気となった。
過去の同系統のカードと比べ使い勝手の良いこの4種類のカードは、これからの多色環境の根幹となるマナベースをしっかりと支える言わばデッキの影の主役である。

 平田が挙げたコモンの「バウンス・ランド」も将来の可能性を感じさせるカードである。
 テンポを失ってしまうものの、「2枚の土地で3マナが出る」と言う事が有効になる事があれば、環境を支える一旦として活躍の場が広がっていくだろう。 具体的には《燎原の火/Wildfire》や《ラジアの浄化/Razia's Purification》あたりだろうか。

 その後には、各色及び各ギルドの持つ優良クリーチャーが支持を得ている。
 かつての《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》以上のパフォーマンスを持つ《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》、ハイリスクながら迅速にゲームを決める力を持つ《狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon》、場でも墓地でも大活躍な《炎まといの天使/Firemane Angel》が人気となっている。
 他にも、多色キラーになり得るヘビークリーチャー《ヘルドーザー/Helldozer》もメタ次第では選択肢として浮上してくるであろうし、《殴打蔦の葛/Vinelasher Kudzu》は新たな緑のデッキタイプの可能性を感じさせてくれる。
Ravnica: City of Guilds
多色を強烈に後押し
スペルに関しては各人の好みが反映されたか、票が割れる結果となった。
優良火力である《稲妻のらせん/Lightning Helix》、アンチ《けちな贈り物/Gifts Ungiven》である《疑念の影/Shadow of Doubt》が2票ずつの支持を得ている。 また、一票のみの獲得となったカードに関しても、彼らは独自にその強さを見出そうとしている。

有田は、「『発掘』というシステムが強い」と述べた上で、その中から強力な手札破壊カードである《悪夢の虚空/Nightmare Void》を挙げてくれた。
確かに、構築戦においてライブラリーを削る事は、繰り返しカードを使う代償としては小さすぎる(むしろ場合によってはメリットになり得る)という事を考えると、これからこれらのカードが環境を支配していく事も想像に難くない。

「ライフ回復しつつ1:1交換出来るし、土地の起動型能力を止められるのは偉い。 白絡みのコントロールなら普通に入るし、青白なら《立ち退きの印/Mark of Eviction》と組み合わせても面白いですよ」と《信仰の足枷/Faith's Fetters》について語るのは相澤。

今井は、自らが挙げた《不可思の一瞥/Glimpse the Unthinkable》を用いた実にユニークな秘儀連繋デッキで出場している。このデッキについては、他の記事で紹介したいと思う。


ともあれ、これからの環境は実に様々なカードが大きな可能性を秘めているといえるだろう。
数年ぶりに再び鮮やかな多色に彩られたスタンダードの世界、まだまだその奥は深そうである。
Ravnica: City of Guilds
対けちコンでの効果は絶大