「Five Dagons Cup 73rd」  Deck Breakdown

By Naoaki Umesaki 


■使用者数1位: Red Deck Wins! 系 (19人/14%)

 『コンフラックス』発売・解禁直後の開催となった『第73回五竜杯』で最大勢力となったのは、『Red Deck Wins!』系のデッキタイプ。

 デッキの主要パーツを非常に多く共有しているので、赤単の『Red Deck Win!』と、《荒廃稲妻/Blightning》などをタッチした『RB BlightningRed』の使用者数を一まとめにさせて頂いたが、『コンフラックス』の加入により様々なチューンの『Red Deck Wins!』が会場内では見られた。

 そんな中でも好成績を残していたのが、《ラッカ・マー/Rakka Mar》などをフィーチャーして今までよりも速度を落として中速気味に攻めるチューンや、《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》などを投入してより高速で相手のライフを削りきるチューンである。

 『第73回五竜杯』においては、『Red Deck Wins!』使用者の成績は全体的に良かったようだが、最近のメタゲームでは『Red Deck Wins!』系にとってデッキ相性が良いとされる『UB Faerie』が減り、デッキ相性が悪いとされている『WR GAPPO』が増えてきている。 メタゲームに合わせてどうデッキをチューンするかが、難しそうだ。
「RB BlightningRed」 / Mitsui Hideo
【参考レシピ・5-2】
Main Deck Side Board
6《山/Mountain》
4《ギトゥの宿営地/Ghitu Encampment》
4《婆のあばら家/Auntie's Hovel》
4《硫黄泉/Sulfurous Springs》
4《偶像の石塚/Graven Cairns》
2《反射池/Reflecting Pool》

4《運命の大立者/Figure of Destiny》
4《地獄火花の精霊/Hellspark Elemental》
4《よろめく死体/Shambling Remains》
4《ボガートの突撃隊/Boggart Ram-Gang》

4《欠片の飛来/Shard Volley》
4《タール火/Tarfire》
4《火葬/Incinerate》
4《炎の投げ槍/Flame Javelin》
4《荒廃稲妻/Blightning》
3《恐怖/Terror》
3《死の印/Deathmark》
3《悪意に満ちた幻視/Spiteful Visions》
4《火山の流弾/Volcanic Fallout》
2《恒久の拷問/Everlasting Torment》

■使用者数2位: クイックントースト (17人/12%)

 使用者数の第2位は、『クイックントースト』。
 『コンフラックス』発売前の時点で既にレシピが完成されているデッキタイプと言えるとは思うが、色をあまり気にせず様々なカードを詰め込めるカラーボードの自由さからか、『コンフラックス』から様々なカードを試しているプレイヤーが多く、特に、新たに得た勝ち手段である《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, Planeswalker》《アラーラのオベリスク/Obelisk of Alara》を加えてみたり、全体除去の《炎渦竜巻/Firespout》を《火山の流弾/Volcanic Fallout》に入れ替えて使用しているプレイヤーが多くみられた。

 しかし、多くの使用者数を誇りながらも、最終的に5勝2敗以上の成績を残せたプレイヤーは、ゼロ。

 同じ『多色コントロール』という枠組みで見れば、『
Yggdrasir』を使用したシミズナオキが6−1、『多色ヒバリ』を使用したキムラタクトが5−2という結果を残しているが、これらのデッキは《目覚ましヒバリ/Reveillark》を軸としたデッキタイプであり、『クイックントースト』とはまったく別のデッキタイプである。

 メタゲームが固まってくれば、多色デッキならではのカード選択の自由さを活かし、形を変えての再浮上はありえると思うが、『クイックントースト』は他大会においても芳しくない成績に終わっているようで、厳しい現状となっている。




■使用者数3位: WR GAPPO (15人/10%)

 一見は判別しにくいかもしれないが、「キスキン」種族を中心として組まれている軽量ビートダウンデッキ『White Weenie』(使用者9人)とはまったく別のデッキタイプであり、『WR GAPPO』とは《目覚ましヒバリ》《包囲攻撃の司令官》などの白赤の優秀なカードを詰め込んだ中速デッキのことである。

 昨年末に開催された『世界選手権2008』の直前に現れたデッキタイプで、カードアドバンテージの獲得に優れているカードが多く選択されているのが特徴だ。

 メインボードには《苦悩火/Banefire》《流刑への道/Path to Exile》、サイドボードにも《天界の粛清/Celestial Purge》《火山の流弾/Volcanic Fallout》など、『コンフラックス』での収穫が多いことに加え、『コンフラックス』解禁直後の関東圏の大会において好成績を多く残していることから、使用者の増加が予想される。



■使用者数4位: スワンアサルト (14人/10%)

 昨年末に開催された『The Finals2008』でも好成績を残し注目されていたデッキタイプだが、近頃関東圏において渡辺雄也・高橋優太といった実力者がこのデッキタイプを使用・好成績を残しており、じわじわと使用者も増え、今では一大勢力となった。

 近年では珍しいパーミッション系のデッキタイプだが、プレイングが非常に難しいデッキらしく、高橋優太によると「フェアリー以外のデッキには勝てる良いデッキなんですけど、プレイングが難しいのが難点ですね。ほぼ、1ミスで死亡確定です。」とのことである。

 そんな高橋の証言を裏付けするかのように、本大会において5−2以上の最終成績を残せたのはホソカワユウヤの1人のみ。 また、使用者の半数にあたる7人が負け星先行の状況で途中Dropというデータが出ている。

 どうやら、相当プレイングに自信のある玄人向けのデッキのようだ。
「Swan Assault」 / Hosokawa Yuuya
【参考レシピ・5-2】
Main Deck Side Board
4《島/Island》
2《山/Mountain》
1《フェアリーの集会場/Faerie Conclave》
4《シヴの浅瀬/Shivan Reef》
4《滝の断崖/Cascade Bluffs》
4《崩れゆく死滅都市/Crumbling Necropolis》
4《反射池/Reflecting Pool》
4《変わり谷/Mutavault》

4《ブリン・アーゴルの白鳥/Swans of Bryn Argoll》

4《火葬/Incinerate》
3《紅蓮地獄/Pyroclasm》
2《苦悩火/Banefire》
3《砕けた野望/Broken Ambitions》
3《霊魂放逐/Remove Soul》
3《否認/Negate》
4《謎めいた命令/Cryptic Command》
2《連絡/Tidings》

2《突撃の地鳴り/Seismic Assault》
3《ジェイス・ベレレン/Jace Beleren》
4《羽毛覆い/Plumeveil》
3《山背骨の発動/Knollspine Invocation》
3《説得/Persuasion》
1《否認/Negate》
1《紅蓮地獄/Pyroclasm》
3《火山の流弾/Volcanic Fallout》

デッキ分布 (140人)
・Red Deck Wins! 系 ⇒19人
・クイックントースト ⇒17人
・WR GAPPO ⇒15人
・スワンアサルト ⇒14人
・UB Faerie ⇒11人
・ビックマナ系 ⇒11人
・白ウィニー系 ⇒9人
・神話エルフ ⇒5人
・多色ヒバリ ⇒5人
・エスパー アーティファクトコントロール ⇒5人
・GBW ドラン ⇒4人
・GB Elf ⇒4人
・ジャンド トークン ⇒3人
・バントビート ⇒3人
・多色プレインズウォーカーズ ⇒3人
Yggdrasir ⇒3人
・シャーマンビート ⇒3人
・WB トークン ⇒2人
・GW ビートダウン ⇒2人

その他のデッキ、使用者1名