■Round 6: 夏目 拓哉(山梨) vs. 尹 壽漢(韓国)

by Atsushi Ito

 100回の歴史の中で、五竜杯は様々な人に支えられてきた。

 3-2ラインからフィーチャーエリアに呼ばれたのは夏目と尹。

 今では当たり前となった五竜杯のビデオカバレッジだが、その発案者にして実行者となったのが夏目その人だ。生活の拠点を山梨に移すことになってからも、スタンダート・レガシーとフォーマットを問わず精力的に活動して大会主催者間を結ぶ架け橋となり、ついには関東最大のレガシーイベントであるエターナルフェスティバル開催の礎石を作り上げた。

 つまり五竜杯が新しい試みに踏み出すたび、その背景には夏目の尽力があったということで、その企画力・行動力は五竜杯の発展に大きく寄与している。いわば100回到達の影の立役者の一人と言えよう。

 なお50回大会の優勝はこの夏目で、しかも五竜杯では自身唯一の優勝経験ということで、再びの節目となる今日の大会での活躍も期待される。

 そんな夏目に相対する尹は、この100回記念大会のために一時的にリアルマジックに戻ってきた復帰組。

 久しぶりの大会だそうだが、かつてはPTQ突破の常連だったほどの実力者。夏目も相手にとって不足はないだろう。

 ちなみに二人は6年ほど前のグランプリ新潟で当たって以来の対決とのことで、その時は夏目の《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》含みのビートダウンを《燃え上がる大地、地把離/Jiwari, the Earth Aflame》で処理して尹が勝ったそうだが、果たして夏目のリベンジなるか。

 デッキは夏目が《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》、尹がマジックオンラインで独自に調整したCaw-Bladeである。

ビデオカバレッジ編集長、夏目

Game 1

 先手は夏目。《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で《定業/Preordain》《先読み/See Beyond》《マナ漏出/Mana Leak》といった若干スローな尹の手札が公開される。

 尹が予定調和の《定業/Preordain》を撃った返しで、夏目はこの隙に早くも《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》を設置。ドローゴーの尹に対し、夏目は《定業/Preordain》《思案/Ponder》とプレイしてクエスト達成のための種を探しにいく。

 対して尹は4ターン目に《先読み/See Beyond》をプレイ。依然《マナ漏出/Mana Leak》を構え続ける。

 ゲームが動いたのは5ターン目。夏目がフルタップで《予感/Foresee》をプレイ、見えている《マナ漏出/Mana Leak》を撃たせてターンを終えると、尹は《忘却の輪/Oblivion Ring》で《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》をリムーブ。さらに続く6ターン目にも、5枚目の土地が置けない夏目が2枚目の《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》をキャストするが、こちらも2枚目となる《マナ漏出/Mana Leak》できっちり弾く尹。


 順調に脅威を退けた尹は続けて《戦隊の鷹/Squadron Hawk》で手札を補充しつつ、徐々に夏目にプレッシャーをかけていく。

 ここで夏目はエンド前に《忘却の輪/Oblivion Ring》に《乱動への突入/Into the Roil》を撃って仕掛けにいこうとするが、舞い戻ってきた《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》に1個目のカウンターを載せる《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》で明らかになった尹の手札には、《乱動への突入/Into the Roil》と《剥奪/Deprive》が。

 当然2マナも立っており、さすがに仕掛けられない夏目は再キャストされた《忘却の輪/Oblivion Ring》が《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》を取り除くのを許すしかない。

 それでも、《思案/Ponder》で値千金の3枚目の《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》を発見した夏目。どうにか《剥奪/Deprive》をかいくぐるプランを探せばゲームになりそうだ。

 だが尹は淡々と《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を展開し、4マナを立たせて隙を見せないままクロックを増やしていく。

マジック復帰? 『グランプリ新潟2005』Top 8、ユン

 さらに《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》まで付いて殴られ始めてしまった夏目は、わずかな可能性に賭けて3枚目の《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》を置いてからの《思案/Ponder》。これには1個目のカウンターが載るスタックで《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》に《乱動への突入/Into the Roil》が合わせられ、再キャストには当然《剥奪/Deprive》が突き刺さる。

 だが、夏目の目はまだ死んでいなかった。引き込んだ4枚目の《思案/Ponder》で、ライブラリに眠る最後の《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》を求めてライブラリをシャッフルする。たどり着け。たどり着け!!

 ・・・が、結局たどり着けなかった夏目は、《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》を《噴出の稲妻/Burst Lightning》キッカーで、残る《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を《稲妻/Lightning Bolt》連打でそれぞれ処理するものの、ついに《太陽のタイタン/Sun Titan》の降臨を許してしまう。

 返しで《予感/Foresee》を撃ってはみるが、もはや《太陽のタイタン/Sun Titan》を前に失ったリソースを取り戻せないと悟ったか、夏目は投了を宣言したのだった。

夏目 0-1 尹


Game 2


 夏目がワンマリガン、対して尹は土地が2回連続《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》のみでダブルマリガン。どうにか土地が伸ばせた尹の4ターン目の《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を夏目が《マナ漏出/Mana Leak》する立ち上がり。

 続いて《定業/Preordain》を引き込んだ尹は、《金属海の沿岸/Seachrome Coast》《戦隊の鷹/Squadron Hawk》のうち後者を(白白が出ないため前者をもらうことは確定だが)下に送る。今はわずかなクロックより決定打もしくは捌けるカード、という判断か。
 対して、《呪文滑り/Spellskite》への《存在の破棄/Revoke Existence》を《乱動への突入/Into the Roil》キッカーでかわすという一合を経た夏目は、満を持して3マナ余りの《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》をプレイ。が、これには尹の《瞬間凍結/Flashfreeze》が突き刺さる。

 返す刀の《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》は《噴出の稲妻/Burst Lightning》キッカーで処理する夏目だが、尹はすぐさま2体目の《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》をキャスト。

 喉元に刃を突きつけられた格好の夏目、しかしドローは2体目の《呪文滑り/Spellskite》でいかにも噛み合わない。

 夏目は《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》に殴られつつ、それでもなんとか引き込んだ《定業/Preordain》から《予感/Foresee》へとつなぎ、4枚見た中から《稲妻/Lightning Bolt》2枚を手札に加える。

 が、《稲妻/Lightning Bolt》3発構えで《刃砦の英雄/Hero of Bladehold》を除去しようとしたところで、尹はこれを《否認/Negate》《剥奪/Deprive》でしっかり守りきって見せたのだった。

夏目 0-2 尹
「UR Red-Ascension」 / Takuya Natsume
Main Deck Side Board
11《島/Island》
7《山/Mountain》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》

4《紅蓮術士の昇天/Pyromancer Ascension》

4《定業/Preordain》
4《思案/Ponder》
4《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》
4《マナ漏出/Mana Leak》
4《乱動への突入/Into the Roil》
4《稲妻/Lightning Bolt》
4《噴出の稲妻/Burst Lightning》
4《炎の斬りつけ/Flame Slash》
2《予感/Foresee》
4《珊瑚兜の司令官/Coralhelm Commander》
2《殴打頭蓋/Batterskull》
3《呪文滑り/Spellskite》
3《瞬間凍結/Flashfreeze》
3《呪文貫き/Spell Pierce》