316名もの参加者が集まった『Eternal Festival Tokyo 2013』。プレミアイベントでも活躍を残してきているプレイヤーの参加も多く見られるが、上位卓に『グランプリ横浜2003』や『プロツアー名古屋2005』での優勝経験を持つ小室修(東京)の姿を確認できたので、このラウンドは彼の試合をお届けしたい。
小室の手札:《全知/Omniscience》、《無限への突入/Enter the Infinite》、《定業/Preordain》、《思案/Ponder》、土地3枚。
簡単に小室が使うデッキの勝ちパターンを紹介すると、《実物提示教育》などで《全知》を戦場に出し、《無限への突入》でライブラリーを引ききり《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul,
the Aeons Torn》をトップに戻す。
あとは、《狡猾な願い/Cunning Wish》から《蟻の解き放ち/Release the Ants》を持ってきて、激突で絶対勝つ状態なので無限ダメージで勝利ということだ。
高橋は公開された手札の中から《思案/Ponder》を抜くと、続く2ターン目に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》で《殴打頭蓋/Batterskull》をサーチ、4ターン目には《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》と小室がコンボを完成させる前にと、一気に勝負を決めにいく。
残されたターン数は決して多くはない小室だが、手札に《全知》と《無限への突入》が揃っているので目標は明快。《全知》を戦場に出すための《ドリーム・ホール/Dream Halls》や《実物提示教育/Show and Tell》。そして、欲を言うならば、それを通すためのカウンター呪文だ。
小室は、カードを確認して「あーあ」といった表情。ざっくり説明すると、お互いのプレイヤーはアーティファクトではない呪文を1ターンに1回までしか唱えられなくなってしまったのだ。
軽量のドロー呪文を連打してコンボパーツを集めにいったり、決め手段が《蟻の解き放ち/Release the Ants》を無限回キャストでの無限ダメージである小室としては致命傷だ。
そして、続けて高橋の場に登場するのは先程のゲームを決めた《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》。高橋はダブルマリガンでのゲーム開始だったが、場の状況を完全に有利なものにして、小室が思うように動きを取れない中確実に勝利へのダメージを刻んでいく。
いよいよ、小室のライフは2に追い詰められた。
これが事実上最後のドロー。小室は気合の入ったモーションでカードを引く。
そして、なんと叩きつけたのは、起死回生となる《無限への突入/Enter the Infinite》!
そんな時、小室は何かに気が付いた。《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist》は《饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine》を装備してプロテクション(黒)を持っているので、手札にある《殺戮の契約/Slaughter Pact》で対処することが出来ないのだ。
− 「相手の《翻弄する魔道士》を消す時、《衝動/Impulse》じゃなくて2枚目の《ドリーム・ホール》を切って《Force of Will》してると?」
小室 「……。相手のカウンターと手札破壊を2枚までケアしたつもりだったけど、よく考えると《実物提示教育》の2枚目を対応して打った《渦まく知識》で見てるから、プレイミスだな。《ドリーム・ホール》を切っての《Force
of Will》が正解か。あー、流石に《衝動/Impulse》打ってればドロー呪文かコンボパーツに辿りついて勝ってただろうなー」