■Round 7: 川北史郎(東京) vs. 大橋俊也(神奈川)
By Naoaaki Umesaki
●両者の使用デッキ 大橋 『RUG Delver』 川北 『青白黒 石鍛冶』 ●Game 1 お互い、ゲームの第1アクションは2ターン目だった。 大橋が《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》、川北が《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》。 後攻の川北が1ターン目の《師範の占い独楽》を保留したのは、《目くらまし/Daze》をケアしてのものだろう。 大橋の《秘密を掘り下げる者》は、すぐに《目くらまし》がめくれて反転。速やかに3点のクロックとして殴り始めるのだが、川北もそれを《名誉回復/Vindicate》ですぐに除去する。 |
盤面を綺麗にした川北は、更に《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》と続けるが、大橋の《呪文嵌め/Spell Snare》が待っており、簡単に形勢は一方に傾かない。 しかし、異変。 川北が5ターン目に1マナを残してキャストした《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が通ってしまったのだ。(川北は《目くらまし/Daze》を事前に見ている) 大橋の場にクリーチャーはなく、これで川北の《精神を刻む者、ジェイス》が大暴れする状態に。 更に、大橋に《Hymn of Rebirth》の追い打ちが突き刺さる。 大橋もスレッショルドしている《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》を戦場に出してジェイスを殺しにかかるのだが、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》の邪魔などがあり、やはり僅か1体のクリーチャーでは中々思うようにはいかない。 完全に、試合は川北の流れになったかと思われた。 しかし、川北の手札は、《名誉回復/Vindicate》と《剣を鍬に/Swords to Plowshares》。 レガシーを代表する優秀な除去カード達だが、「対象に取られない」生物である《敏捷なマングース》には対処できない手札だったのだ。 |
それから間もなく、《敏捷なマングース》の攻撃によって《精神を刻む者、ジェイス》は破壊された。 川北は2枚目の《精神を刻む者、ジェイス》を出してドロー能力でライブラリーを掘り進めるも、それでも回答に辿りつく様子はない。 そんな間に、大橋は2枚目の《敏捷なマングース》を戦線に追加。 結局、川北は複数の除去呪文を握りしめながら2体の《敏捷なマングース》によって殴りきられてしまった。 《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》、おそるべし。 川北 0-1 大橋 ●Game 2 やはり《目くらまし》をケアしてか、後攻の大橋は2ターン目に1マナを残して《敏捷なマングース》が第1アクション。 川北は《渦まく知識/Brainstorm》でライブラリートップを操作して、『奇跡』での《終末/Terminus》で除去しにいくのだが、大橋はやはりカウンター呪文を構えており《呪文貫き/Spell Pierce》が突き刺さる。 ここで考慮する川北の手札を確認すると、残る除去呪文は《名誉回復》。 |
『青白黒《石鍛冶》』デッキ、川北 |
おそらく、川北の脳裏をよぎったのは手札にある除去呪文を使えずに負けた1本目のゲーム展開。 考え抜いた結果、先程のゲームと同様に手札で腐りそうな《名誉回復》を大橋の青マナ土地に打ち込んだのだが、結果的にこれが裏目で最悪のプレイになってしまう。 返しに大橋の手札から飛んできたのは《冬の宝珠/Winter Orb》。 この「1ターンに1枚の土地しかアンタップしなくなる」アーティファクトにより、タップアウトだった川北は身動きが取れなくなり、再びスレッショルドした《敏捷なマングース》が再び大威張りの展開。 川北はドロー呪文を連打して解決策を探しにいきたいが、《冬の宝珠》の存在がそれを許さない。 1回、2回、3回、4回、淡々と《敏捷なマングース》がダメージを刻んでいく。 そして、最後は本体に《稲妻/Lightning Bolt》で勝負あり。 川北としては完全に予想外だった《冬の宝珠》だが、一般的な『RUG Delver』にはあまり採用されていないカード。 ここは、大橋のカードチョイスを称えたいところだ。 川北 0-2 大橋 川北 「(第2ゲームについて)《終末/Terminus》のタイミングを完全に間違えましたね。見え見えの《呪文貫き/Spell Pierce》に突っ込むなんて……」 大橋 「(川北の除去が腐ったゲーム展開について)実は《タルモゴイフ/Tarmogoyf》はサイドボードで抜いていたんですよ。相手の除去を完全に腐らせようと思って。あとは、自分の好きな《冬の宝珠/Winter Orb》を使いたかったということですね」 |
『URG Delver』、大橋 |