■Round3: 国吉 真木郎(東京)vs.大西 達也(三重)

By Tomohiro Kaji

276名もの参加者が集まったエターナル・フェスティバル。

お昼休みを取る時間もなく9回戦が続くとアナウンスされたが、手慣れたスタッフのお陰で順調に試合は進み、これから3回戦目が始まるところだ。

このラウンドからフィーチャー・マッチとして上位卓のゲームを取材していくが、まずは参加プレイヤーの中でも二人しかいないという2バイ持ち、かつ前エタフェス2011のチャンピオンである国吉 真木郎(東京)の試合をお届けしよう。

彼の対戦相手は三重からこのトーナメントに参加するためにはるばるやってきたつわ者、大西 達也(三重)。
ノーバイながらも2連勝し、このトーナメントでの調子はまずまずといったところだろうか。

(左)国吉、(右)大西

三重から遠征、大西

二人のシャッフルしているデッキを覗いてみると、大西からは《集団意識/Hive Mind》と《タイタンの契約/Pact of the Titan》が、国吉のデッキからは《終末/Terminus》と《対抗呪文/Counterspell》がちらりと見える。

●Game1
ダイスロールが大事と言われるこのレガシーというフォーマットで、先行を取ったのは大西。反面、後手の国吉はマリガンで手札を6枚に減らし、幸先はあまり良くない。

しかし、先手の大西も苦しい立ちあがりとなった。《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》から《島/Island》を探し、《定業/Preordain》を連打するも、それ以外のアクションには特に繋がらず、コントロールデッキの国吉に必要な土地を置く時間を十分に与えてしまうこととなった。

このチャンスを生かし、ターン終了時に国吉は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》で動きの悪い大西の手札を狙うが、大西も青いコンボデッキ・プレイヤーとしてはこれを拒否しないわけがないと、ノータイムで《実物提示教育/Show and Tell》をコストに《Force of WIll》で対応する。

パーミッションがベースの国吉は、ターン終了時に《ヴェンディリオン三人衆》が重要な2枚のカードを釣り上げたことで満足。 手札の《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》はわざわさリスクを負う必要はないと見送った。

そしてお互いに動くきっかけを待ち、ここからドローゴーが続く。


数ターンが過ぎた後、手札をため込んでいた大西が国吉のターン終了時に《直観/Intuition》で《否定の契約/Pact of Negation》を3枚探しだし、緊張が走る。

そのままコンボを仕掛ける大西は、並んだ《島》や《古えの墳墓/Ancient Tomb》を豪快にタップし、《集団意識》をキャスト。

これに国吉は《対抗呪文》。それは大西の《Force of Will》で消されるが、その解決後に《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》で墓地に落ちたばかりの《対抗呪文》をフラッシュバックとカウンター合戦。

これを大西は先ほど見つけ出した《否定の契約》するが、さらに国吉は《Force of Will》でそれを打ち消す。

互いにリソースを使い切り《瞬唱の魔道士》が残るだけとなった戦場。
しかし、返すターン、国吉の《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》が降臨する。

ライブラリーをすべて破壊されるまでのカウントダウンが始まるが、大西はトップデッキしたばかりの《直観/Intuition》から《集団意識》を探し出し、即キャスト!
これが通り、そのまま《タイタンの契約/Pact of the Titan》へと繋げ、強制的に国吉もタイタンとの契約を結ばされるのだが、アップキープの開始時に要求された契約料は、《溢れかえる岸辺》からの《Volcanic Island》で生み出された赤マナで支払われ、大西の希望は潰えた。

国吉 1-0 大西


Game2
第二ゲームも大西のフェッチからの《島》、そしてそのまま《定業》と序盤は流れ、対する国吉は、淡々と土地を置くのみ。
国吉のサイドボード後は《紅蓮破/Pyroblast》、《Force of Will》と、ほとんどマナのかからない打ち消し呪文たちが待ち構えているために、大西は非常に攻め難い。



青い悪魔、神ジェイス 
《定業》、《思案/Ponder》、《渦まく知識/Brainstorm》、さらに《溢れかえる岸辺》と駆使し、ライブラリを掘り進む大西。
しかし、先に仕掛けたのは国吉で、ターン終了時にフェッチランドからあえて2枚の《Volcanic Island》へと変え、《ヴェンディリオン三人衆》を唱える。
大西はこれを《Force of Will》するが、先ほどのゲーム同様に、カードの消耗がとても辛い。

この交換からゲームは傾き始め、《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》とシャッフルの活用で手札を揃える国吉に、大西は《裏切り者の都/City of Traitors》置くものの、手札が溢れディスカードが続いてしまう。
この間に、国吉は手札を完璧にして再度《ヴェンディリオン三人衆》をキャスト!

公開された大西の手札は、
《集団意識》3枚、《狼狽の嵐/Flusterstorm》2枚、《否定の契約/Pact of Negation》、《タイタンの契約/Pact of the Titan》の7枚。

この時点で国吉は《集団意識》+《タイタンの契約》のアップキープ・マナの支払いができるため、打ち消し呪文としてではなく、さらに《否定の契約》をコンボに絡める必要があり大西は非常に厳しいのだが、国吉はこの《否定の契約》をライブラリーの底へ送ることを選択。

さらに、国吉は《外科的摘出/Surgical Extraction》で《タイタンの契約》も抜き去り、大西に勝ち手段がまだ残っているのだろうか?

速やかにゲームを終わらせるため、《師範の占い独楽》経由で奇跡した《天使への願い/Entreat the Angels》を囮に、大西の《狼狽の嵐》を2枚とも引き出し、大西の唱える呪文を適当に打ち消しながらクロックを増やす国吉の《瞬唱の魔道士》。

ライフも僅か、残された最後ターンに大西は、出すカードを持っているのかも分からない《実物提示教育/Show and Tell》を唱えるも、国吉の温存している《Force of Will》 を引き出すこともできず、《紅蓮破/Pyroblast》で打ち消されたことを確認し、カードを片付けた。

国吉 2-0 大西

前年度王者、国吉