■QF: 大橋 俊也(神奈川) vs. 西原 潤(神奈川)

By Yuugo Tsuda

参加者276人によるスイスドロー9回戦を勝ち抜き、決勝ラウンド進出を果たした8人による戦いが始まる。

大橋は昨日の予選を7連勝してこのプレイオフに一番乗りで名乗りを上げたのだが、レガシーのプレイ期間は何と3日のみというのだから驚きだ。
『Magic Online』のTournament Practiceでデッキを回し、昨日のスイスラウンドが初のレガシー大会参加だという。
そんな大橋の使用デッキは『RUG Delver』で、日本レガシー選手権2010で同系統のデッキでTop8に入るなど『RUG』のスペシャリストである豊田によるチューンのもの。本人の上手さは予選ラウンドで幾度となく発揮されていたが、このバックアップも大きいことだろう。

対する西原は、レガシープレイヤーで都内の大会を中心に参加している。しばらく《絵描きの召使い/Painter’s Servant》と《むかつき/Ad Nauseam》のハイブリッドデッキを使っていたため、このデッキに思い当たりのある方もいるだろう。今日の使用デッキはEsper Controlで、予選で多く見受けられた《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》入りではなく《闇の腹心/Dark Confidant》が入ったタイプだ。

この戦いに勝利し、デュアルランド獲得のTop4へと駒を進めるのは果たしてどちらだろうか。

『エスパーコントロール』、西原
●Game 1
初手を見てすぐキープを宣言した西原に対し、土地が《不毛の大地/Wasteland》のみと色マナが出ない手札をマリガンして6枚でキープした大橋。その手札は西原の《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》で明らかになり、
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《稲妻/Lightning Bolt》
《定業/Preordain》
《目くらまし/Daze》
《Force of Will》
《漁る軟泥/Scavenging Ooze》

この中から《漁る軟泥》を捨てさせることを選んだ。

大橋は《霧深い雨林》から《Volcanic Island》をサーチし、《定業》を唱え《Tropical Island》を手に入れる。返しで西原は《不毛の大地》ですぐに《Volcanic Island》を破壊しマナを減らす。

大橋は《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》を引き込み、先程加えた《Tropical Island》からこれを展開。クロックを用意し、ダメージを与えていく。

これに対応する側となった西原は《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》を置き、ライブラリーからより良いカードを求めて行く。まず《闇の腹心/Dark Confidant》を見つけてこれを唱えるが、大橋は《Force of Will》でカウンター。続くターンには《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》、これも《呪文貫き/Spell Pierce》で退ける。これで墓地が7枚になったことでスレッショルドに到達し、打点が3点に上昇する。

大橋はクロックパーミッションの持ち味を最大限に発揮し、西原の攻勢を捌きながらダメージを与えていき、ついには西原のライフは2まで落ち込んだ。

しかし《師範の占い独楽》とフェッチランドによるシャッフルで西原は2枚目の《ヴェールのリリアナ》を手に入れ、《敏捷なマングース》を対処。さらに《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》と続けて、+2能力で大橋のライブラリーを選り分けていく。

大橋の手には《Force of Will》《渦まく知識/Brainstorm》《稲妻》があり、《Volcanic Island》またはフェッチランドを引ければカウンターのバックアップを持って止めを刺しに行けるのだが、それは叶わず《精神を刻む者、ジェイス》の奥義が発動し投了を宣言した。

西原 1-0大橋

・大橋のサイドボード
【In】
2《赤霊破/Red Elemental Blast》
2《真髄の針/Pithing Needle》
2《冬の宝珠/Winter Orb》
1《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

【Out】
4《タルモゴイフ/Tarmogoyf》
3《もみ消し/Stifle》
1《漁る軟泥/Scavenging Ooze》


●Game 2
先手は大橋へ移る。7枚でキープし、その内容は
《Tropical Island》
《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《稲妻/Lightning Bolt》
《真髄の針/Pithing Needle》
《呪文貫き/Spell Pierce》
《呪文嵌め/Spell Snare》
《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》
西原の展開を上手く捌けそうな手札だ。
 

『RUG Delver』、大橋
一方の西原。初手の7枚と、一度マリガンした6枚の手札をすぐライブラリーに戻してシャッフル、5枚でキープする。

ファーストアクションは、土地をお互い2枚ずつ置いた後に大橋の《渦まく知識/Brainstorm》。これで《冬の宝珠/Winter Orb》と3枚目の土地を手に入れ、あとは西原が動くのを待つだけだ。

西原の《Hymn to Tourach》と《闇の腹心》を、2枚の《呪文嵌め/Spell Snare》で捌き、大橋は《ヴェンディリオン三人衆》で《暗黒破/Darkblast》を下に送りつつクロックを用意。

《Hymn to Tourach》を受けて手札が4枚から2枚へと減ってしまった大橋だが、返しで《冬の宝珠/Winter Orb》を置く。自身の場にはクロックが用意されていて、なおかつ西原はフルタップとこれ以上ない展開だ。

土地を1枚起こすことしかできない西原に対し、大橋はさらに《緑の太陽の頂点》で《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》をサーチ。

西原は何とか《ヴェールのリリアナ》で《ヴェンディリオン三人衆》を除去するが、Game1でも西原を苦しめた被覆クリーチャーは健在だ。

西原の土地には《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》があり、土地を起こした後ブロックに回せばぎりぎり間に合うのだが、大橋の《不毛の大地》がそれを許さず西原のライフを削りきった。

西原 1-1 大橋


●Game3
大橋はサイドボードに手をつけずデッキをシャッフル、西原は何度か細かい入れ替えを繰り返し納得の行くサイドにするために少々時間を使った。

西原の《忍び寄るタール坑/Creeping Tar Pit》をタップインで置く返しに、大橋は《敏捷なマングース》を展開。

《ヴェールのリリアナ》を抱えている西原は《Hymn to Tourach》を唱えて大橋の手札を攻めに行く、これは《Force of Will》と《定業》との交換となる。

大橋は《定業》で《不毛の大地》を見つけてマナを減らしにかかる。これが効いて3枚目の土地を置けない西原。《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》で《敏捷なマングース》を相打ちに持ち込むが、大橋は《緑の太陽の頂点》でお代わりを用意。

こちらもとばかりに西原は2枚目の《瞬唱の魔道士》で再びブロックしようとするのだが、これは《稲妻》で阻まれる。次のターンに3枚目の土地を引き《ヴェールのリリアナ》をプレイするが、これも《呪文貫き/Spell Pierce》で弾かれてしまう。

西原は《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》に望みを託すが、これも《呪文貫き》でカウンターされ、さらには《冬の宝珠/Winter Orb》で蓋をされてしまい身動きの取れなくなった西原は投了を宣言した。

西原 1-2 大橋

大橋 準決勝進出!