■QF: 川北 史郎(東京) vs. 上村 匠碁(東京)

By Tomohiro Kaji

これから始まるのは時間無制限で行われる、エターナル・フェスティバルの決勝ラウンド。
集まった参加者276名の中から選ばれた8名で行われるシングル・エリミネーションだ。
準々決勝の4試合のうち1つは動画で、3つはテキストのカバレージとしてカヴァーされることとなった。
賞品のデュアルランドとラヴニカへの回帰のボックスは誰の手に!?

●Game 1
試合を他の3卓のプレイヤーたちと同時に開始するため、準備の整った2人は先にマリガンチェックを行う。
ここで、手札を減らしたくない赤青のバーンデッキを操る上村がマリガンを宣言し、
タッチ黒の《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》デッキの川北の先行でゲームが始まった。

まずは土地を置くのみでターンを終える川北に、後手の上村は《ゴブリンの先達/Goblin Guide》で攻撃を開始する。
対戦相手にカードを与えても先にライフを減らせればOKなデッキらしい動きなのだが、6枚の初手と後手であることがどう影響するのだろうか?

この攻撃時の誘発能力でライブラリーのトップを確認する川北は、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》が公開されると冷静にフェッチランドでデッキをシャッフルする。
そして、探しだした《Scrubland》から《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を《ゴブリンの先達》へ唱えるが、上村の《目くらまし/Daze》に阻まれ、ライフは17へ。

『エスパー石鍛冶』、川北

まだまだ時間のある川北、《石鍛冶の神秘家》を唱えるも、なんと上村からの《Force of Will》!
これで序盤のテンポは完全に上村のものだが、カードの枚数の面ではかなり遅れをとってしまった。
さらに川北は一貫してライフを犠牲にリソースを稼ごうと、二度目の《ゴブリンの先達》の攻撃にあわせ、《渦まく知識/Brainstorm》で土地をトップに置こうと試みるが、
引いた3枚の中にそれを見つけられなかったものの、代わりに《剣を鍬に》を発見、即座にクロックを対処した。

時間をかければ圧倒的に不利な上村、引いてきた《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》をすぐに戦場へ加えれば、
余裕のできた川北は手札に《名誉回復/Vindicate》を持っているものの、焦らずにまずは上村の手札を攻める《Hymn to Tourach》をキャスト!
これで上村に残されたリソースは、2枚の土地に、1枚の手札、そしてたった1枚の1/1クリーチャーだけだ。

さらに川北は《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》経由で《剣を鍬に》をフラッシュバックし、追い打ちで《秘密を掘り下げる者》を取り除くと、ゲームは一方的なものへと変わってしまった。
上村は《発展の代価/Price of Progress》で川北へ6点ダメージを与えたものの、川北のクロックは止められずに5・5点と上村のライフを減らし、上村はカードを片付けた。

川北 1-0 上村


●Game 2

1ゲーム目に初手に恵まれなかった上村に代わり、今度は川北が最初の7枚のカードで頭を悩ませる。

《Hymn to Tourach》
《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》
《呪文貫き/Spell Pierce》
《不毛の大地/Wasteland》
《Karakas》
《Underground Sea》
《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》

マナは安定しているが、ボードに干渉できるカードが少なく、しかも後手。1ターン目からクリーチャーを出される展開では、手札破壊も打ち消し呪文も無力化されてしまうように感じるのだが、散々考えた結果に川北はこれをキープしてしまった。

そして先行の上村、《秘密を掘り下げる者》から即《稲妻/Lightning Bolt》を公開し、変身した3点飛行クロックと速攻をかける。
その間、川北は《Hymn to Tourach》を連打し、《稲妻》を2枚、次は《発展の代価》をヒットさせるが、上村の手札を枯渇させるもののクロックを処理できず、気が付けばライフは10へと落ち込んでしまう。

逆転の可能性に賭け、《石鍛冶の神秘家》で《殴打頭蓋/Batterskull》を探しだすのだが、開幕に登場したクロックを解除できず、追加の本体火力であえなく2本目を落とすととなった。

川北 1-1 上村


●Game 3
川北、《剣を鍬に》《石鍛冶の神秘家》《精神を刻む者、ジェイス》《梅澤の十手》《Underground Sea》,《湿地の干潟》《溢れかえる岸辺》と、文句なしのハンドをキープ。

それに対して、上村はまたも1ターン目のアクションには恵まれず、土地を置くままエンドを宣言した。

川北が《石鍛冶の神秘家》を唱え、《殴打頭蓋》を探しだすと、上村は《稲妻》で1/2のシステムを破壊するだけ。
これは上村、火力満載の7枚をキープしたということなのだろうか?

遅れて《秘密を掘り下げる者》をキャストするも、川北が唱えた《剣を鍬に》にノータイムで《呪文貫き/Spell Pierce》をするが、上村は勘違いをしていたのか川北に2マナを払われてこれを無効化され、アタッカーはゲームの外へと取り除かれてしまった。

しかし、上村は《ゴブリンの先達》を引き込むと、それを即座に戦場へと送り込み攻撃を開始した。
これに対し、ライフに余裕のある川北は、ブロッカーとしてではなく、ターン終了時に《ヴェンディリオン三人衆》をキャストすると、そこでカウンター合戦が勃発!
3/1めがけ、上陸を果たした《焼尽の猛火/Searing Blaze》を唱えれば、それを《水流破/Hydroblast》、上村は《呪文貫き》するが、さらに《Force of Will》!

残ってしまったクリーチャー。

対戦相手の手札を確認し、川北はすべての土地をアンタップさせると、キャスト《梅澤の十手/Umezawa's Jitte》から即座に装備。
まさにここがゲームが傾きはじめた瞬間だ。

攻撃によって《梅澤の十手》はカウンターを得て、《ゴブリンの先達》を除去し、上村は《稲妻》で《ヴェンディリオン三人衆》を破壊した。
だが、このゲームも2対1交換を強要され、手札の尽きかけた上村、戦場には一撃も通せない《殴打頭蓋》が降臨してしまう。

一度は《焼尽の猛火》+《稲妻》の合わせ技で対応するも、
当然の如く重たい装備を手札に戻し、再度細菌・トークンを作り出す川北に、アーティファクト破壊以外のカードで対応できるはずもなかった。

川北 2-1 上村

『青赤バーン』、上村