■Finals: 高橋 優太(東京) vs. 大橋 俊也(神奈川)

By Tomohiro Kaji

上位2人で分配する32枚のデュアルランド、発売されたばかりの積まれた『ラヴニカへの回帰』のブースターボックス、Ustreamで中継するためのカメラに、対戦相手を目の前にしながらデッキリストを眺める主役の2人。

この決勝戦のテーブルについたのは結局、Top8での賞品のスプリットを蹴った2人でもあり、それは高橋と大橋だった。

中途半端な賞品の分配などいらない、ただ勝てばいいのだと、明確な目的意識を持った両名の最終戦が始まる。

関東レガシー最強決定戦と銘打たれた『エタフェス2012』。
参加者276名の頂点に立ち、栄冠に輝くのはどちらのプレイヤーだろうか。

●Game 1
2つのダイスを振り、高橋の先行で決勝戦は始まった。

《汚染された三角州/Polluted Delta》から《島/Island》と、《不毛の大地/Wasteland》をケアしての欲張らないフェッチから、このデッキ最高のスタートとなる《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》をキャストする高橋。

絶対に放置できない大橋は、即座にクロックを解除するために《稲妻/Lightning Bolt》でこれを破壊した。

青いデッキ同士の戦いながら、いかに早く、対戦相手の妨害をくぐり抜けてダメージ源を確保するかというタイトなゲームだ。
当然これはお互いに理解しており、高橋は《思案/Ponder》と《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》で、基本土地を用い3マナに届かない可能性を最小限に抑えつつ、除去の効かない《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》へと繋ぐ。

これに対し大橋は、《渦まく知識/Brainstorm》で見つけ出した《目くらまし/Daze》を、黒枠のデュアルランドを手札に戻してカウンターした。

レガシーらしい、1対1のカードの交換。

さらに3マナ呪文を唱える為に置いた《Tundra》を、大橋は積極的に《不毛の大地》で狙いに行くのだが、重要なアクションはできずにお互いドローゴーが続く。

その間、高橋は最初に用意した《島》、《平地》のみで土地が止まってしまい、18枚しか土地が入っていないはずの大橋は倍のマナソースを揃えることになってしまった。

やっと高橋が3枚目の土地を引き込んだころ、2マナを残してカードテキストをよく読みながらのX=2の《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith》を唱える大橋。

《敏捷なマングース/Nimble Mongoose》を探せるかを確認していたようだが、このプレイをきっかけに、止まっていたゲームは大きく動き始める。

まずは残した2マナを使わせるため、高橋は《呪文貫き/Spell Pierce》を唱え解決、さらに《目くらまし》を追加の合わせ技でこの呪文の打ち消しを図ると、タップアウトの大橋を尻目に、返しのターン《聖トラフトの霊》をキャスト!

大橋が《Force of Will》すれば、高橋はこれを《目くらまし》と、仕掛けた大橋に不利な交換を迫られ、結局はもう1枚の《Force of Will》を代用コストで唱えざるおえず、4枚のカードを消耗することとなってしまった。
カードアドバンテージの面で大きくマイナスポイントとなった大橋だが、ゲームの焦点は先程も述べたようにダメージ・クロックを用意できるのかに尽きるのだ。

しかし、大橋がドローしたのは対象になってしまう《秘密を掘り下げる者》であり、高橋は基本土地の入っていない相手へ迷わず《流刑への道/Path to Exile》する。

徐々にだが、確実に優位を築いてきた高橋、《秘密を掘り下げる者》を唱えれば、大橋の《火/Fire》に会うが《呪文嵌め/Spell Snare》でこれをカ ウンター!

『青白クロックパーミ』、高橋。

『RUG Delver』、大橋 

そのままライブラリーから《Force of Will》を公開し、変身した3点クロックでゲームを畳み掛ける。


焦る大橋、《稲妻》で《秘密を掘り下げる者》を処理するが、これで手札のカードが尽きかけたところめがけ、《目くらまし》をケアしつつ、 《Force of Will》を構えた高橋の《聖トラフトの霊》!

重たい天使との一撃をお見舞いしたところで、大橋も黙っちゃいられないと《敏捷なマングース》をトップデッキ!

さらなる《Force of Will》合戦を勝ち、なんとかブロッカーを用意して戦場を固められたかと思われたのだが、停滞を打開する高橋の《Karakas》が光り、大橋は残りのライフを守り切ることはできなかった。


高橋 1-0 大橋

●Game 2

このゲームも、お互いに1ターン目から激しい展開だ。

大橋の《秘密を掘り下げる者》に、遅れて高橋も《秘密を掘り下げる者》。

だが、これを大橋は先行の利である《目くらまし》で打ち消し、操作なくライブラリーのトップを公開して、3/2へ変身させて攻撃開始する。

当然こんなことでゲームが決まるわけもなく、高橋はライフを与えない《剣を鍬に/Swords to Plowshares》こと《流刑への道》でこれを追放。
しかし、殴りきりたい大橋は、さらなる《秘密を掘り下げる者》とクロックを確保しようと積極的に行動を続ける。

これに対し、高橋は大橋のアップキープに《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》を仕掛けるが、《呪文嵌め》され解決ならず。
だが、打ち消し呪文を引き出した高橋、自分のターンに帰ってきたところで《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を通し、《殴打頭蓋/Batterskull》をライブラリーから探しだした。

大橋は、《稲妻》を放置できない1/2へ唱えるも、これは《青霊破/Blue Elemental Blast》でカウンター。

《殴打頭蓋》が2マナで戦場に出されてしまえば、絆魂での回復を考えるとダメージレースで競り勝つことはまったくもって不可能となってしまう

ここで大橋、仕方なく3/2飛行を巻き込む《紅蓮地獄/Pyroclasm》でこれを破壊した。

そこへゲーム1同様に、無人の荒野を駆け抜けるべく、《聖トラフトの霊》を唱える高橋。
再度、《紅蓮地獄/Pyroclasm》を唱える大橋だが、これも《青霊破》でカウンターされ、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》で地上を固めようにも、またも《Karakas》で守られた《聖トラフトの霊》が攻撃の手を止めない。

防戦では絶対に勝てず、ただジリ貧になっていくだけ。

大橋は意を決し、プレイヤーへキャスト出来ればゲームに勝てる唯一の《稲妻》をトップデッキする覚悟で《タルモゴイフ》を攻撃させるが、最後のターンに引いたカードは《Tropical Island》。

高橋 2-0 大橋

『Eternal Festival Tokyo 2012』、優勝は高橋優太(青白クロックパーミッション)!