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2015年12月26日(土曜)〜27日(日曜)開催 『Eternal Festival Tokyo 2015』カバレージページ

カバレージCaverage

■準決勝:菅原敦(茨城)vs.大石裕(茨城)
By Naoaki Umesaki
関東圏レガシー草の根最強決定戦を謳って開催されている『Eternal Festival Tokyo 2015』、準決勝の一つは茨城県水戸市から一緒に遠征してきているプレイヤー同士による対戦となった。

また、もう片方の準決勝には同じく茨城県水戸市から遠征してきている相澤恵司が勝ち進んでおり、いま現在勝ち残っている4名のうち3名が水戸勢ということになる。
この3名は全員が地元のカードショップ『リンクス』を中心に活動しているコミュニティの一員だという。

紹介したように、凄まじい戦績を戦績を残してきている水戸勢による一戦をお届けしたい。

●菅原敦(茨城)、戦前簡易インタビュー
−「お疲れ様です。『エルフ』を使用してのTop8入賞、おめでとうございました。」

菅原「ありがとうございます。元々はスタンダードプレイヤーでして、レガシーを遊ぶようになったのも本当に最近なので望外の結果でした」

−「何がキッカケでレガシーを遊ぶようになったのでしょうか?」

菅原「茨城で開催されている『皇帝杯』というイベントがあるのですが、このイベントがスタンダード・モダン・レガシーの複合フォーマットで開催される大会なんです。そして、『皇帝杯』のレガシーで負けたのが悔しくて最近レガシーも遊ぶようになったって感じですね」

−「なるほど。これから戦う準決勝の展望としては、いかがでしょうか」

菅原「対戦相手の大石さんは普段から水戸にある『リンクス』という店で一緒に遊んでいて、プレイングなどについても教えてくれる優しい先輩プレイヤーの一人です。水戸勢の先輩方に聞いたところ、デッキ相性的にはこちらの分がいいらしいのですが、経験が足らず分からないですね」

−「どういった点がポイントになりそうでしょうか」

菅原「相手は1ターン目から《血染めの月/Blood Moon》や《月の大魔術師/Magus of the Moon》を出してくるデッキなのですが、これが出てしまうと自分のデッキはほぼ動かなくなってしまいます。基本的にはスピード勝負になると予想しているのですが、(スイスドロー時の順位によって)相手が先攻ですし、《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》が絡むと追いつかないですよね」

−「ありがとうございました」


●大石裕(茨城)、戦前簡易インタビュー
−「Top8入賞、おめでとうございました。大石さんが使用しているのは『ペインターコンボ』という、今現在は主流ではないデッキタイプです。選択理由などについてお聞かせ頂けますでしょうか」

大石「確かに『ペインターコンボ』は最近あまり見ないデッキタイプです。だからこそ、何となくのデッキリストは頭に浮かんでも、具体的にどう戦っていくかの戦略まで理解している人は少ないのではないでしょうか。実際、スイスドローでも対戦相手が大きなミスを犯したり、隙を作ってしまったりする場面は多かったです。もちろん地力で十分戦えるデッキではあるのですが、『分からん殺し』って言うんですかね、そういった要素も強みにあると思います」

−「なるほど。これから戦う準決勝の展望としては、いかがでしょうか」

大石「いい勝負だとは思いますが、こちら側の方が勝ちパターンは多いと思います。(1)《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》などからの加速で《血染めの月/Blood Moon》《月の大魔術師/Magus of the Moon》の高速プレイ。(2)《絵描きの召使い/Painter's Servant》を置いて、《紅蓮破/Pyroblast》系でやりたい放題といった勝ちパターンがあります。」

−「逆に、相手にやられて困る勝ちパターンを教えて下さい」

大石「《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》の能力で《再利用の賢者/Reclamation Sage》を使いまわされて、こちらの置物を割られていく状況になってしまうと厳しいですね。こちらは、そういった状況を作られる前に素早く勝つというのが方針になります」

−「ありがとうございました」


『Eternal Festival Tokyo 2015』会場風景


『Elves』菅原敦(茨城)



●Game 1
先攻の大石、初手は《血染めの月》、《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》、《赤霊破/Red Elemental Blast》2枚、土地3枚といった内容。動き出しの遅さが気になるところ、即座にマリガンを選択した。

1マリガンで来た手札は、《月の大魔術師》、《血染めの月》、《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》、《紅蓮破/Pyroblast》、土地2枚。2ターン目に『月』が置ける、まずまずの内容でキープを宣言した。

対する後攻の菅原は、不運にも4マリガンでのスタート。
これは流石に厳しい戦いとなりそうだ。

大石が2ターン目に《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》から《月の大魔術師/Magus of the Moon》を出す中、菅原は《森/Forest》をセットして《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》から《クウィリーオン・レインジャー/Quirion Ranger》と展開する立ち上がり。

さて、4マリガンスタートとなっている菅原だが、ここで手札には《自然の秩序/Natural Order》があり、これが決まれば勝利が見えてきそうではある。

しかし、大石の内容が完璧だった。
続けて戦場に送り出した《絵描きの召使い/Painter's Servant》によって全てを青くして、菅原の《自然の秩序》を《紅蓮破》でカウンター。
続けて、唯一の緑マナ供給元であった《森》も、2枚目の《紅蓮破》で破壊。一気に菅原のデッキを機能不全へと追い込んだ。

そして、戦場に出ていた菅原の《ワイアウッドの共生虫》も、ドローしてきた《ファイレクシアの破棄者》によってシャットアウト。

もしかしたら、結果的には4マリガンも関係なかったのかもしれないと思わせるような、大石の完封勝ちだった。

菅原 0-1 大石


『赤単ペインターコンボ』大石裕(茨城)
●大石のサイドボーディング
【In】
1《漸増爆弾/Ratchet Bomb》
1《ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker》
1《月の大魔術師/Magus of the Moon》
1《外科的摘出/Surgical Extraction》
1《三なる宝球/Trinisphere》
1《罠の橋/Ensnaring Bridge》

【Out】
3《血染めの月/Blood Moon》
1《丸砥石/Grindstone》
1《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide》
1《ゴブリンの熟練扇動者/Goblin Rabblemaster》
●菅原のサイドボーディング
【In】
3《突然の衰微/Abrupt Decay》
1《無のロッド/Null Rod》
1《真髄の針/Pithing Needle》
1《外科的摘出/Surgical Extraction》

【Out】
2《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》
1《エルフの幻想家/Elvish Visionary》
1《自然の秩序/Natural Order》
1《垣間見る自然/Glimpse of Nature》
1 不明

●Game 2
大石が動き、それを菅原が対処していく序盤戦。
まず《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》を《真髄の針/Pithing Needle》で止め、次に出てきた《絵描きの召使い》も《突然の衰微/Abrupt Decay》で破壊する。

その後、菅原は順調にクリーチャー展開を続けるのだが、ゲームが進んできたところで大石の場に《罠の橋/Ensnaring Bridge》が登場し、攻撃が出来ない状態となってしまう。

この時点で菅原の戦場に並んでいたのは、《イラクサの歩哨/Nettle Sentinel》3体、《ワイアウッドの共生虫/Wirewood Symbiote》2枚、《樺の知識のレインジャー/Birchlore Rangers》、《エルフの幻想家/Elvish Visionary》。

攻撃は出来ないが、《ワイアウッドの共生虫》と《エルフの幻想家》のコンボによってドローを進めることが出来る状態だ。
そして、菅原はドローを進める中ですぐ《自然の秩序/Natural Order》という答えに辿り着く。

菅原は、出したばかりで召喚酔いとなっていた《死儀礼のシャーマン》を追加コストに支払って、《自然の秩序/Natural Order》をキャスト。 サーチした《再利用の賢者/Reclamation Sage》によって大石の《罠の橋/Ensnaring Bridge》は破壊され、菅原軍のアタックが再開される。

こうして一気に菅原有利の状況となったのが、次に大石の手札から唱えられたのは《ゴブリンの溶接工/Goblin Welder》。
何か嫌な予感がして大石の墓地を見ると、ゲーム序盤に破壊された《絵描きの召使い/Painter's Servant》がある。

もし、先ほど《自然の秩序》を唱える時に追加コストとして生け贄にした《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》が戦場に残っていれば、いつでも能力によって墓地にある《絵描きの召使い》をリムーブできるので何の不安も無かったのだが、確実に紛れが発生している。

本当は無かったはずの「ワンチャンス」。
そして、そこで大石が引き込んできたのは、《丸砥石/Grindstone》!
大石は丁寧にプレイ・宣言を進めていく。

《丸砥石》の能力を起動し、その能力を解決する前に《ゴブリンの溶接工》の能力で戦場に出ている《丸砥石》と墓地にある《絵描きの召使い》を入れ替えることを宣言。 このまま何事も無く解決がされると、《丸砥石》の能力が解決される時には《絵描きの召使い》が大石の戦場に出ており、菅原は一気にライブラリーアウトとなる。

少しの間があり、菅原は自身がミスをしていたことに気が付いたのだろうか。ハッと前を向いて、自身の負けを宣言した。

菅原 0-2 大石

大石裕(茨城)、決勝戦に進出!