■Round 9: 土屋 洋紀(東京) vs. 小山 和志(東京)

By Daisuke Kawasaki

 昨年の参加人数を更新したエターナルフェスティバル。

 9ラウンドにわたる長い戦いを抜けて、日曜日に開催される決勝ラウンドに進むことができるプレイヤーはたったの8人。この時点ですでに日曜日を決めているプレイヤーも少なくはないが、中盤に引き分けが多発していたことも踏まえて、かなりのプレイヤーが最終ラウンドでの勝利、イコール日曜日という状況を維持している。

 そんな中から、今回は東京、特にカードショップ晴れる屋でプレイしている顔見知り同士、ドヤ顔見知り同士のマッチをお届けしよう。

 小山が使用するデッキは青白Caw-Bladeのレガシー版。対する土屋のデッキは、オリジナリティ溢れる赤白青アグロデッキ。

 互いのデッキをよく知るふたり。果たして勝利の女神はどちらにほほえむのか。

Game 1

 後手の小山がマリガン。

 土屋は、フェッチからの《島/Island(ISD)》、そして《Plateau》と並べた上で、小山のファーストアクションである《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を《マナ漏出/Mana Leak》でカウンターする。

 そして、返しに土屋は《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》をプレイ。2枚目の《戦隊の鷹/Squadron Hawk》プレイによって一応ブロッカーを確保した者の、クロック的にはかなりの大打撃を受けている小山。なにかしらの回答策が求められる。とりあえず後続を断つためにも《Plateau》を《不毛の大地/Wasteland》で破壊してターンを終了する。

 《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》本体をどうにかしなければゲームに勝つことができない小山は、最初の《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》のアタックをスルーして、《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を残せるようなプレイを目指す。一方の土屋は《渦まく知識/Brainstorm》から《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》をセットしてますますの手札充実に励む。

 ここで小山も《渦まく知識/Brainstorm》をプレイし、《戦隊の鷹/Squadron Hawk》とのシナジーで手札を充実させたい所だったのだが……残念ながら土地を引き当てることができず、結局《戦隊の鷹/Squadron Hawk》でアタックするのみでターンをかえす。

 土屋は小山のターンエンドに《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を対象にプレイ。これを《Force of Will》した小山。さらに土屋が《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》アタック後に、天使トークンが戦闘終了時に破壊されるのを《もみ消し/Stifle》しようとするのも《剣を鍬に/Swords to Plowshares》によって回避し、なんとか粘りをみせる。


『青白Caw-Blade』、小山

 やっと、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》と相打ちをとる絶対条件である2体目の《戦隊の鷹/Squadron Hawk》にまでたどりついた小山だったら、土屋の手札から《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》がプレイされ、墓地の《剣を鍬に/Swords to Plowshares》が対象として宣言されるのを止める事はできなかった。

土屋 1-0 小山


Game 2

 先手の小山はマリガンスタートだったものの、4ターン目まで順調に土地を伸ばし、2マナ残した状態で《戦隊の鷹/Squadron Hawk》をプレイすることに成功する。そして、この《戦隊の鷹/Squadron Hawk》はカウンターされることなく、さらに3枚の《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を手札に送り込むことに成功する。だが、続く《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》の起動は《もみ消し/Stifle》でカウンターされてしまう。

オリジナルの『赤白青アグロ』、土屋。

 土屋はさらに、続く小山のドロー後に、《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》をプレイ。《戦隊の鷹/Squadron Hawk》3枚はもちろん、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》をはじめ、《神の怒り/Wrath of God》《もみ消し/Stifle》《呪文嵌め/Spell Snare》といった高カロリーな手札を開示される。だが、小山は土地を3枚しかコントロールしていない。

 長考した末に、土屋は《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を山札の下に送り込み、小山は《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》の能力でカードを1枚引く。だが、ここでも土地を引けない。《戦隊の鷹/Squadron Hawk》をプレイしてターンを終了するが、この《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を《剣を鍬に/Swords to Plowshares》で処理されてしまう。

 そして土屋は《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をプレイ。この《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》に対しては《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》の能力で引いて来た《Force of Will》をぶつけた小山だったのだが、土屋の手札にも《Force of Will》があり、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》は戦場に着地することが許されてしまう。

 ここで《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》の<0>能力が互いのアドバンテージ差を広げていく。続けてキャストされた《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》の<+2>能力こそ、一度は《もみ消し/Stifle》で打ち消した小山だったが結局《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を倒すにいたらず、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》がアドバンテージを稼ぎ、その《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》が守るという一昔前のスタンダードではおなじみだった状態が作り出されようとする。

 だが、小山の手札には2枚目の《もみ消し/Stifle》があり、その《もみ消し/Stifle》を土屋はカウンターしない。一度は、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を対処できるか、と思われた小山だったのだが、土屋の手札からは《剣を鍬に/Swords to Plowshares》が、そして、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》が。小山は全ての《戦隊の鷹/Squadron Hawk》を捌かれきってしまう。

 だが、4マナにたどりついていた小山は、土屋がマナを使ってしまっていた隙に《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》をプレイする。この《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》は<+1>能力によって1/1のトークンを生み出す。

 優位は変わらないものの、かなり面倒くさい盤面となってしまった土屋。とりあえず、《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》を《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》へとアタックさせ、相打ちさせたあとに、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》それぞれの<+2>能力を使用、そしてGame 1でも大活躍だった《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》を戦場に追加する。

 小山も前述の通り、《神の怒り/Wrath of God》を持っており、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》を破壊する。だが、これはもちろん土屋の計算通り。小山に手札を消費させた上で、《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》の<-1>能力で兵士トークンを手札に戻し、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を<0>能力によって6/6にして《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を破壊する。

 さらに、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》を追加。《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》こそ自身のキャストした《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》で対消滅させたものの、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》と《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》による12点クロックに対処することはできなかったのだった。

土屋 2-0 小山