■Round 8 佐宗 一歩(東京) vs. 福留 友(京都)

By Ume-Nao

 第8回戦のフィーチャーマッチに選ばれたのは、6勝0敗1分の佐宗一歩(東京)と、5勝2敗の福留友(京都)のマッチアップ。 ポイント順ながらランダムで決定される組み合わせの妙で、ポイント違いの対戦だ。佐宗はここで負けてもTop8進出の目が残るが、福留はTop8進出を目指すこのラウンドを含めて2連勝が最低条件となっている。

佐宗の使用デッキ: 青白黒 CounterTopGoyf
福留の使用デッキ: 《むかつき/Ad Nauseam》コンボ『ANT』


Game 1

 《師範の占い独楽》をセットして第1ターンを終える佐宗に対して、福留が《強迫/Duress》を突き刺す。

 佐宗から《Force of Will》、《タルモゴイフ/Tarmogoyf》2枚、土地2枚という内容の手札が公開される。福留はこの中から《Force of Will》をディスカードさせるのだが…

 返しのターンに佐宗がキャストしたのは、先ほど手札になかった《相殺/Counterbalance》!

 天敵エンチャントの登場に、『ANT』を使用する福留は「お前、持って無かったやないか」といった表情と大きなリアクション。こうしてゲーム序盤に有利な状況を作りだした佐宗は、《相殺》と《師範の占い独楽》のカウンターコンボで次々に福留のドロースペルを次々と打ち消していく。

 大人しくしていても未来がない福留は相手の様子を伺うべく《水蓮の花びら/Lotus Petal》をキャストするのだが、これが通る。少し考えた福留は《暗黒の儀式/Dark Ritual》《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》と更に続け、なんと、コレが全て通り不穏な空気が漂い始める。

 もしかして、佐宗のライブラリートップはコンボを止められる状態ではない?

 福留は考慮の後、意を決して《冥府の教示者/Infernal Tutor》から《むかつき/Ad Nauseam》!

 佐宗は思わせぶりにライブラリートップを公開するが、コンボを止められるカードではない。 ここで、《師範の占い独楽》+《相殺》のカウンターコンボも100%完全ではない脆さがここで露呈してしまい、もはや打つ手なし。

 浮きマナ6・ライフ19からの《むかつき/Ad Nauseam》。状態は福留にとって完璧だ。

 《むかつき》によって公開されたカードも申し分ない内容で、ライフに余裕を持った段階で福留はストップを宣言。 しばらくは福留がコンボを続ける様を見て佐宗だったが、間もなく投了を宣言した。

 佐宗 0-1 福留

Game 2

 福留の《思考囲い/Thoughtseize》を佐宗が《Force of Will》をリムーブしての《Force of Will》でカウンターし、《相殺》を置く立ち上がり。

 この返しに福留が《強迫》で佐宗の残る手札を見てみると、《闇の腹心/Dark Confidant》・《師範の占い独楽》・土地。 《師範の占い独楽》をディスカードさせて《独楽》+《相殺》のコンボを阻止することには成功するが、佐宗の戦場に《闇の腹心》が着地してしまう。

 対処に追われる福留だが、佐宗の《思考囲い》が邪魔をする。

前日の日記では『緑単ストンピィ』を予告先発していた佐宗

【福留の手札】
《冥府の教示者/Infernal Tutor》
《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》

 この中から佐宗は《ザンティッドの大群》をディスカードさせてターン終了を宣言する。

 残された時間が少ないであろう福留、戦場に出ている佐宗の《相殺》を考慮に入れながらどう動くか…。

 まず、《暗黒の儀式/Dark Ritual》をキャスト。これが通る。

 続けて《思考囲い/Thoughtseize》を打つのだが、佐宗が対応して《渦まく知識》のキャストで手札に土地2枚を残し、ライブラリートップにスペルと思われるカード2枚を隠す。

 《相殺》が戦場に出ている状態、佐宗は何をトップに乗せているのだろうか。

 行くべきか、行かないべきか。非常に難しい状況だ。

『ANT』、福留

 先ほど、《独楽》+《相殺》コンボをすり抜けてコンボを決めて勝利したことも考慮のうちにあったかもしれない。ここで、福留は踏み込んだ!

 《陰謀団の儀式》でのマナブーストから《冥府の教示者》と繋げる。

 しかし、佐宗はトップに《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を積んでいた。

 《相殺》の能力解決によって《冥府の教示者/Infernal Tutor》がカウンターされると、福留は投了を宣言した。

佐宗 1-1 福留

Game 3

 第2ゲームを終え、サイドボーディング中に佐宗がオラクルを確認していた《ザンティッドの大群/Xantid Swarm》を福留が1ターン目にキャスト。

 「攻撃する度、防御プレイヤーがそのターン呪文を唱えられなくなる」このクリーチャーはカウンターを多く含む『CTG』には天敵。佐宗は《Force of Will》を切っての《Force of Will》でカウンターする。

 福留は《思案》《渦まく知識》、佐宗が《師範の占い独楽/Sensei's Divining Top》とお互いに手札の充実を図るが、佐宗の《思考囲い》で膠着していたゲームが再び動き出した。

 福留の手札は、《暗黒の儀式》3枚、《陰謀団の儀式》、《水蓮の花びら》、《思考囲い》。

 佐宗はこの中から《思考囲い》を落とし、福留がトップデッキした《ザンティッドの大群》も《恐ろしい死/Ghastly Demise》で対処。ついには《相殺》を貼って、場のコントロールに成功する。

 思うように有効牌を引けず動けない福留に対して、佐宗が《闇の腹心/Dark Confidant》で手札差を広げると、《闇の腹心》2号と《タルモゴイフ》が続けて登場。

 もはや逆転の目もなし。ここで福留が投了した。

佐宗 2-1 福留

福留 「他の勝ち残っているデッキを見渡して、『CTG』以外だったらデッキ相性的にいけると思っていたのですが…。ここで唯一不利な『CTG』を踏んでしまうとは…」

 無念、福留。ここでTop8争いから脱落となった。

多くのギャラリーが戦いを見守った。