■Round 4: 徳山 皓太(大阪) vs. 齋藤 悠(神奈川)

By Ume-Nao

 第4回戦のフィーチャーマッチに呼ばれたのは、昨年大会の優勝者である徳山皓太(大阪)。

徳山 「地元のトライアル大会で優勝、就職活動で東京に来たついでにもう1勝で計3Bye持ちです!」

 徳山は、前回大会の優勝特典により1Bye(不戦勝)を獲得していたが、日本各地で行われていたトライアル大会でも好成績を残し、なんと3勝分のByeを持って本大会を迎えているというのである。

 『エターナル フェスティバル2011』は、グランプリと同様に、本戦に向けて各地でトライアル大会が行われた。関東圏のプレイヤーからは「実質的な関東レガシー最強決定戦」との声も聞かれるが、意外にも参加者の4分の1は関東圏外からの遠征参加で、日本各地から参加者が集まっているビックイベントになっているのだ。『エタフェス』が魅力あるイベントに育ってきているのを象徴するようなデータと言えよう。

 さて、試合開始前に徳山の使用デッキを見てみると前回大会を優勝した時と同様に『Zoo』を使っているようだ。昨年とは違いメインから《罰する火/Punishing Fire》を搭載するチューニングだが、横綱相撲で連覇を狙いに来ている印象を受ける。

 そんな徳山を迎えていたのは、昨年大会でもTop8入賞を果たしており、関東圏では『ANT』使いの強豪として名を知られる齋藤悠(神奈川)。現在は仕事の都合で関東圏在住だが、数年前までは仙台地区のプレミアイベント主催者として地域のマジックを盛り上げていたLv1ジャッジでもある。
 もちろん、使用デッキはキャラを守っての『ANT』。

 一般的にはスピード勝負で『ANT』有利と言われるマッチアップだが、どのような勝負となるだろうか。

昨年大会優勝者、徳山 




 対戦風景

 Game1

 お互いに1マリガンでゲーム開始。『Zoo』を使用する徳山が2ターン目に《漁る軟泥/Scavenging Ooze》、3ターン目に《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》と、パンチ力は高くはないが、及第点のクリーチャー展開。

 しかし、齋藤は3ターン目に早くも《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》の連打、《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond》と繋げて《むかつき/Ad Nauseam》とコンボを完成させる!

 これは流石にコンボが決まったか。齋藤のライブラリーから次々にカードがめくられてゆく。

 …しかし、そのカード内容は決して齋藤にとって良い内容ではなかったようだ。

 ついには、齋藤のライフが『1』にまで減少するが、公開されたカードではコンボは決まっていないように見える。

徳山 「ストップですか?」

齋藤 「はい。 しかし、これでは駄目ですね…」

 そう宣言すると、齋藤はカードをたたみ投了を宣言した。

齋藤 「ん、いや《水蓮の花びら/Lotus Petal》がめくれれば決まってたのか?(笑」

 齋藤のうっかり疑惑もありながら、10分程度で第1ゲームが終了した。

 徳山 1-0 齋藤

Game 2

 齋藤の《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》でダブルマリガンをしていた徳山の手札が公開され、ゲームが開始された。

《森/Forest》
《Taiga》
《内にいる獣/Beast Within》
《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》
《野生のナカティル/Wild Nacatl》

 中々の内容である。この手札を確認した齋藤、1・2ターン目《思案/Ponder》を連打するが、2枚目の土地を置けない。いや、土地を取らずに有効なカードを手札に溜めこんでいるのだろうか。

 徳山の視点からでは判断が難しい中、齋藤は《渦まく知識/Brainstorm》で更に手札を整え、《強迫/Duress》で徳山の手札を攻める。

 こうして徳山に妨害手段がないことを確認すると、齋藤は次のターンに勝負を決めにかかった。《水蓮の花びら/Lotus Petal》×2、《ライオンの瞳のダイアモンド》とマナアーティファクトを次々に並べ、《蒸気の連鎖/Chain of Vapor》を《水蓮の花びら》に打つ。

 なるほど! 《蒸気の連鎖》を連鎖させることで0マナアーティファクトを手札に戻し、ストーム数を稼いでフィニッシュに繋げようということか。

 しかし、徳山の手札からは先ほどの《強迫》で見ていない《赤霊破/Red Elemental Blast》がキャストされる!
 齋藤のコンボが止まってしまうのか…。

 いや、齋藤の手札からはもう1枚の《蒸気の連鎖》がご登場。 そのまま順調にコンボは続き、十分なストームでの《苦悶の触手/Tendrils of Agony》で齋藤が勝利を収めた。

 徳山 1-1 齋藤

第1ゲーム、《むかつき》で公開された
カードを見て頭を抱えた斎藤

Game 3

 不運にも再びダブルマリガンでのスタートとなってしまう徳山。
 しかし、そのクリーチャー展開は不運も感じさせない程の怒涛の展開だった。

 1ターン目に《野生のナカティル》スタートをすると、《不毛の大地/Wasteland》で齋藤の《Underground Sea》を割ってマナを縛ると、齋藤の《むかつき》キャストを許さない《ガドック・ティーグ/Gaddock Teeg》、《森の知恵/Sylvan Library》と連打!

 これは徳山がダブルマリガンを跳ね返しての勝利か!?

 しかし、齋藤の手札は徳山以上に完璧だった。

 返しのターンに《殺戮の契約/Slaughter Pact》でコンボの邪魔になる《ガドック・ティーグ》に対処し、《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》×2でブースト→《むかつき/Ad Nauseam》とコンボを決めてみせたのである!

 《むかつき》で手に入れた《ギタクシア派の調査》で徳山の手札を見てみると、《外科的摘出/Surgical Extraction》と《罰する火/Punishing Fire》。この手札では齋藤のコンボを止めるには至らず。

徳山 「相手が墓地を絡めたフィニッシュだと、《外科的摘出》で止められたんですけどね。」

 齋藤の手札から2枚の《ライオンの瞳のダイアモンド》と、《冥府の教示者/Infernal Tutor》が提示されると、徳山は投了を宣言した。

 徳山 1-2 齋藤


 勝利した齋藤、見事Byeなしからの4連勝を飾った。