■Decktech :トリコロールトラフトビート:土屋 洋紀

By Daisuke kawasaki


 オリジナリティの高いデッキで結果を出したい。

 マジックプレイヤーであれば多くのプレイヤーが考える事だろう。

 というわけで、ここでは、あるデッキタイプを使い込み続けて、結果、オリジナリティの高くなり、そして、エターナルフェスティバルトップ8入賞という結果を出したデッキを紹介しよう。

 土屋 洋紀のトリコロールトラフトビートだ。

 まずはリストをご覧いただこう。
「UWR Control」 / Hiroki Tsuchiya
【Best 8】
Main Deck Side Board
4《島/Island》
3《平地/Plains》
1《山/Mountain》
3《Tundra》
1《Volcanic Island》
1《Plateau》
4《溢れかえる岸辺/Flooded Strand》
4《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
1《乾燥台地/Arid Mesa》
1《Karakas》

3《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
3《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft》
2《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》

3《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
2《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》

4《渦まく知識/Brainstorm》
3《もみ消し/Stifle》
3《呪文嵌め/Spell Snare》
2《マナ漏出/Mana Leak》
4《Force of Will》
4《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
3《稲妻/Lightning Bolt》
1《仕組まれた爆薬/Engineered Explosives》
3《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
1《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》
2《赤霊破/Red Elemental Blast》
3《解呪/Disenchant》
1《神の怒り/Wrath of God》
3《外科的摘出/Surgical Extraction》
2《血染めの月/Blood Moon》

−− 「まずはこのデッキを使う事になったきっかけを教えてください」

土屋 「元々、ずっと赤白青の《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》デッキを使っていたんですよね。そのデッキでのこの大会のByeも獲得しました」

−− 「それは《精神的つまづき/Mental Misstep》があったことですか?」

土屋 「そうですね。石鍛治全盛期です」

−− 「《精神的つまづき/Mental Misstep》が無くなったのは、石鍛治デッキにとって厳しかったですか?」

土屋 「そうですね。とにかく序盤が守れなくなったので。結局《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》もすごく弱くなりましたしね」

−− 「そうなんですか?」

土屋 「守れるカードが減ったってことですからね。そういうわけで、結構色々なカードを模索したんですが」

オリジナルデッキで見事Top8、土屋

−− 「《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を守れるカード、ってことですよね?」

土屋 「そうです。まず、《ルーンの母/Mother of Runes》は《精神的つまづき/Mental Misstep》の代わりになり得るレベルの強さのカードでした。でも、やはりすごく受け身なカードで受けきれない場面も多く出てきたので……あとは赤を入れている理由にもなる《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》も一応守れるカードでしたね」

−− 「《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》がですか?……除去の避雷針的な位置として役に立ったってことですか」

土屋 「ですね。ただ、僕としては段々と《稲妻/Lightning Bolt》の方が、対プレインズウォーカーとかを考えても強いかなと思うようになって、《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》は抜きたくなったんですよね」

−− 「そうすると《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》を守りきれない、と」

土屋 「で、いっそ、メタをずらして《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》自体を抜いてしまうこともできるんじゃないかと思って」

−− 「《石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic》が弱く感じた、というのなら確かにそれもわかりますね」

土屋 「そもそも、メタゲームの中心過ぎるので、少しずらすと効果が大きいんですよ。相手は1本目どうしても石鍛治デッキだと予想するしかないので、サイド後にアーティファクト破壊などを入れてくる。それが全部無駄カードになるわけですから」

−− 「なるほど」

土屋 「で、そもそも除去されにくい《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》などをクロックにして、逆に相手の余った除去の的になる《渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer》を抜いてできたのがこのデッキですね。といっても、この形にした直後に、マキノさんが晴れる屋レガシーでトリコ石鍛治で結果を出していたので、ちょっと心配でしたけどね」

−− 「《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》の使い心地はどうですか?」

土屋 「いや、クロックがすごい大きいから、やっぱり強いですね」

−− 「最後に、このデッキを本戦で使う事にした理由を教えてください」

土屋 「正直、かなり構築は行き詰まっていたんですけど、有村さんの家の大会で優勝できたら使おうと思っていて。で、優勝できたので使う事にしました」