Round 3:高橋 純也(神奈川) vs. 細川 侑也(東京)
By Daisuke Kawasaki 


さて、Round 2に続いて、またも青黒フェアリー以外のデックによるマッチアップをお届けしよう。

「ひとりだけまじめに強いデッキ持って来ちゃってごめんねぇ」と、非常にメンタルのともなったリップサービスをしてくれたのは、「構築のテロリスト」こと高橋 純也(神奈川)である。

昨年度のプロツアー・ヴァレンシアでの小池 貴之(栃木)のトップ8入賞をはじめ、デックプロデュースではテロ…もとい、スマッシュヒットを飛ばすことの多い高橋だが、自身も認めるように、なかなか実力のともなった戦績を残すことができないでいるのが非常に惜しいところ。

今回は、The Finalsでの下克上のために、権利獲得を目指し、いわゆる会場最強デッキをまた持ち込んできたかと思いきや…

高橋 「いや、権利獲得の為の、店舗予選参加カードが無いんで、腹いせに他の権利者をつぶしていきますよ!」

と、本当にただのテロリスト。本大会は、権利獲得権の無いプレイヤーもトーナメントとしては参加することが可能なので、このようなテロが発生してしまうのだが、これもまたトーナメントの面白いところである。

使用するデックは、白単キスキンに赤をタッチした、高桑 祥広(神奈川)が飛行機事故の為使用出来なかった幻の「赤白GAPPO」最新版である。

対するのは細川 侑也(東京)

すでに第○世代という表現は形骸化しているし、筆者ももうすでに誰がどの世代だかよくわからないのだが、最近の関東で第4世代と呼ばれる世代に属するプレイヤーだという。

関東近辺でのPTQなどでは、最近、実力の片鱗を見せ始め、今後の活躍が期待されるプレイヤーのひとりだ。

使用するデックは、高橋同様白系アグロをベースにしているが、こちらは、青を投入した、「青白アグロヒバリ」とでも言うべきアーキタイプである。

本大会がおこなわれているハイライフ板橋は、来週の今頃にはThe Finalsの本戦も開催される予定の会場。

はたして、この会場で、細川は、高橋のテロをくぐり抜けて、見事権利を獲得出来るのか。

ラッシュこと、高橋純也。

第4世代!? 細川侑也。


Game 1
先手の高橋は、1ターン目から《風立ての高地》をキャスト。対する細川も《運命の大立者》をキャストし、さらに《精神石》でマナ加速をする。

しかし、高橋は、2ターン目《メドウグレインの騎士》から、3ターン目《幽体の行列》と絶好調の展開を見せる。

細川は、マナ加速の利を活かし、《台所の嫌がらせ屋》《運命の大立者》を続けて展開する。

4ターン目に、4枚目の土地をセットして、高橋は長考する。というのも、手札には3枚の《復讐のアジャニ》がいるのだ。

結果、高橋は《復讐のアジャニ》をキャストし、さらにトークンでダメージを稼ぎに行く。

そんな手札だと知らない細川は、地上を支える《メドウグレインの騎士》《誘惑蒔き》で奪い、《運命の大立者》《復讐のアジャニ》にアタックしつつ、《台所の嫌がらせ屋》でライフを削るプランを構築する。

当然、この《誘惑蒔き》は、高橋の2枚目の《復讐のアジャニ》に打ち落とされる。

高橋は、《メドウグレインの騎士》《運命の大立者》をブロックし、4/4にさせた後に、《復讐のアジャニ》の能力で抑制するプラン。細川は2体目の《台所の嫌がらせ屋》をキャストする。 高橋は、3体のトークンでアタックし、細川のライフは8。細川は、飛行ブロッカーとして《熟考漂い》をキャストするが、漏れた2体のトークンのダメージと《復讐のアジャニ》の能力でライフが3。この能力起動で、《復讐のアジャニ》は忠誠カウンターを使い果たし、墓地に落ちる。

高橋の手札には、前述の様に、3枚目の《復讐のアジャニ》


高橋 1-0 細川

Game 2
先手の細川が1ターン目・2ターン目とアクションが無いことをよいことに、高橋は《メドウグレインの騎士》をキャストする。

しかし、細川の3ターン目のアクションが《静月の騎兵》。これに対して、高橋は小さな声で「最悪…」と一言。

高橋は2枚目の《風立ての高地》をセットしつつ、《ゴールドメドウの重鎮》《運命の大立者》とキャストし、《風立ての高地》の秘匿条件を満たす状態にし、ターンを返す。

細川は《誘惑蒔き》で高橋の《メドウグレインの騎士》を奪うのだが、これはGame 1よろしく《復讐のアジャニ》で打ち落とされてしまう。

だが、逆に言えば《復讐のアジャニ》をキャストするだけでターンを消費させられた形の高橋。細川に《メドウグレインの騎士》《台所の嫌がらせ屋》と並べられてしまい、またも長考する。

結果、高橋は《皺だらけの主》をキャストし、《風立ての高地》を含めた2マナを残して、3体のクリーチャーでアタック。

これを、《メドウグレインの騎士》には、《メドウグレインの騎士》《静月の騎兵》で、《運命の大立者》には《台所の嫌がらせ屋》でとブロックを割り振る細川。 だが《風立ての高地》に秘匿されていたのは《鏡編み》

これで《皺だらけの主》をコピーすることで、《台所の嫌がらせ屋》《静月の騎兵》も一気に処理することに成功した高橋。

高橋が色マナの厳しい細川のマナを《復讐のアジャニ》で縛りつつ、《幽体の行列》で攻め手を追加すると、細川は、ゲームを終了した。


高橋 2-0 細川

破壊力満点の神話レア!