Round4 平田達也 vs 古田亘
By Yoshiya Shindo
ラウンド4は全勝テーブルから。平田は関東圏プレミアイベントの常連で、観客の外野連の台詞によれば「関東草の根チャンプ」とのこと。実際に日本選手権予選もここ2年続けて抜けている強豪。一方の古田はFNMなどでマジックを楽しんでいるプレイヤーで、奇しくもラウンド2の相川と同じサークルだそうで。
そんな和やかな雰囲気で始まったゲームが、まさかあんなことになろうとは……(バラエティ風)。
Game 1
先攻は平田。《神聖なる泉/Hallowed Fountain》スタートから土地を並べて3ターン目に《強迫的な研究/Compulsive
Research》と、青白コントロールの動きをしていく。
一方、2ターン目に《遥か見/Farseek》で土地を伸ばしている古田は、相手がフルタップした隙にすかさずキーカードの《よりよい品物/Greater
Good》を通して準備は万端。
さらに平田がもう一本《強迫的な研究/Compulsive Research》でライブラリーを彫れば、古田も《ロクソドンの教主/Loxodon
Hierarch》で生け贄の種も揃う。
お互いに自分の流れに持ってこようと努力している状況だ。
その後《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》が攻撃に出ればこれは《糾弾/Condemn》がお出迎えで、すかさず《よりよい品物/Greater
Good》の露と消える。
平田は状況を打開すべく《連絡/Tidings》。古田はいつの間にか平田も出していた《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi,
the City-Tree》から出てきた苗木に対処すべく《神の怒り/Wrath of God》。慌てて帰ってはまた次のターンに出てくる《風を裂くもの/Windreaver》もすっかりお約束。 そして次のターン。平田が苗木を出しながら尋ねる。 平田「残りライフは……」 古田「29です(キッパリ)」 何と気の遠くなるような数字であることよ。 |
草の根大会のチャンプ、平田 |
1点でも多く稼ぎたい平田は、相手の苗木に殴られることも厭わず《風を裂くもの/Windreaver》に警戒をつけずに攻撃。パンプして残り21ライフ。まだ原点より上。次のターンに再び殴って残り12。エンドで出てきた苗木を《撤廃/Repeal》しようとすれば、古田も地道に苗木を《嘆きの井戸、未練/Miren,
the Moaning Well》で残り13。
次のターン、古田が手札から《絶望の天使/Angel of Despair》を出せば、これがついうっかり通ってしまう。叩き割られる平田の《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi,
the City-Tree》。
次の《風を裂くもの/Windreaver》の攻撃は《絶望の天使/Angel of Despair》がキャッチして《よりよい品物/Greater
Good》となる。古田はさらに戦線に《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》を追加してライフを17に戻すと、さらにクリーチャーを1体追加。したところで、観客もジャッジも、ついでに自分も同時に同じ疑問を発してしまったり。
そのクリーチャー、何?
見てみる。白のクリーチャー。防衛で飛行。5/5。ブロックすると生け贄に捧げなきゃいけない。《冷静な陽炎/Stoic
Ephemera》。おお、辞書は偉大だ。っつーか、確かにすんげー《よりよい品物/Greater
Good》専用機じゃありませんか。よくここに至ったなー。つーことで、こいつは予定通り《風を裂くもの/Windreaver》をキャッチすると《嘆きの井戸、未練/Miren,
the Moaning Well》で残り22ライフ。 相手にカウンターが無いと踏んだ古田は、一気に2体目の《冷静な陽炎/Stoic Ephemera》、そして御大将《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》登場。 平田は必死で1枚残った《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》からの苗木と《風を裂くもの/Windreaver》でフルパン。しようとしたところで古田は《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》を《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》で生け贄に捧げて残り27にライフを増やし、さらに相手のクリーチャー軍団をタップする。平田は《風を裂くもの/Windreaver》を戻して《神の怒り/Wrath of God》で場を片付けるが、古田も動きのとりづらい相手を尻目に悠々と《死後剛直/Vigor Mortis》で《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》。 そして相手のライブラリーを調べだす。残り7枚。どうやらこのままライフを増やしまくってライブラリーアウトで逃げ切ろうという腹のようだ。 次のターン、《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》が殴りに出るがこれは予定調和で《糾弾/Condemn》されて《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》の藻屑。残りライフはついに33。 |
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《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》の呪いが解けて残りライブラリーが5枚になったところで、平田はようやら再びの《風を裂くもの/Windreaver》。古田も負けじと《冷静な陽炎/Stoic
Ephemera》を追加して守りきろうとする。
平田ドロー。残り4枚。やっと到来。その名は《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded
Mirror》。古田も相手の手札枚数を確認して何もせずゴー。古田は相手のエンドになにやら計算をした後、いよいよ「キレメロク」モードを発動する。そのイリュージョンの数なんと15体!
何もできない古田の次のターン、残りライブラリー3枚の平田は当然フルアタック。《風を裂くもの/Windreaver》は《冷静な陽炎/Stoic
Ephemera》にキャッチされるが、マナが惜しいとばかりにこれを見殺しにし、通ったメロクやら苗木やらイリュージョンやらで一気にダメージを稼ぎ出す。古田も《冷静な陽炎/Stoic
Ephemera》を《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》して必死の防戦も、ライフの残りは17に落ちる。
そしてこのラウンドの時間切れコール。
言っとくけど、まだこれ、1ゲーム目ですよ。長っ!
ドローが芳しくなかった古田は苗木を1個産み出し、それを《よりよい品物/Greater
Good》にかけてカードを1枚引くと、そこにはきっちり《明けの星、陽星/Yosei,
the Morning Star》のお姿が。
《邪魔/Hinder》なんですけどね、ええ。
返すターン、さらに2体追加されたイリュージョンも加わって、古田圧死。
平田 1-0 古田
Winner 平田!