Round4 平田達也 vs 古田亘

By Yoshiya Shindo

ラウンド4は全勝テーブルから。平田は関東圏プレミアイベントの常連で、観客の外野連の台詞によれば「関東草の根チャンプ」とのこと。実際に日本選手権予選もここ2年続けて抜けている強豪。一方の古田はFNMなどでマジックを楽しんでいるプレイヤーで、奇しくもラウンド2の相川と同じサークルだそうで。

そんな和やかな雰囲気で始まったゲームが、まさかあんなことになろうとは……(バラエティ風)。


Game 1
先攻は平田。《神聖なる泉/Hallowed Fountain》スタートから土地を並べて3ターン目に《強迫的な研究/Compulsive Research》と、青白コントロールの動きをしていく。

一方、2ターン目に《遥か見/Farseek》で土地を伸ばしている古田は、相手がフルタップした隙にすかさずキーカードの《よりよい品物/Greater Good》を通して準備は万端。

さらに平田がもう一本《強迫的な研究/Compulsive Research》でライブラリーを彫れば、古田も《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》で生け贄の種も揃う。
お互いに自分の流れに持ってこようと努力している状況だ。

その後《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》が攻撃に出ればこれは《糾弾/Condemn》がお出迎えで、すかさず《よりよい品物/Greater Good》の露と消える。

Dissension
21世紀の《剣を鍬に》!



Dissension
21世紀の《変異種》!
場が落ち着いたところで、古田は《よりよい品物/Greater Good》に《撤廃/Repeal》を撃って一段落。その後もう一度出てきた《よりよい品物/Greater Good》は1回通して再び《撤廃/Repeal》と、流れは平田に向いてくる。

そしていよいよ青白コントロールの親玉、《風を裂くもの/Windreaver》が平田の元に降臨する。も、これは一度殴ったところで《屈辱/Mortify》を食らいそうになって慌てて手札に逃走。

再び《強迫的な研究/Compulsive Research》で手札を整えにかかった平田に対し、古田は《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》からの苗木と《桜族の長老/Sakura-Tribe Elder》でコツコツ攻撃。たまらず古田は《神の怒り/Wrath of God》。

次のターン。新たに生まれた苗木による攻撃で平田のライフが10まで落ちたところで、古田は《よりよい品物/Greater Good》を出すがこれは当然《巻き直し/Rewind》。しかしその次に出てきた呪文を見て古田が驚く。

《罪+罰/Crime/Punishment》を《罪/Crime》で!

対象はと言えば、途中の《強迫的な研究/Compulsive Research》で捨てられていたアナザー《風を裂くもの/Windreaver》。平田は慌てて《マナ漏出/Mana Leak》でカウンター。

平田は続くターンに《風を裂くもの/Windreaver》を再び降臨させるが、返しのターンで古田が出した《よりよい品物/Greater Good》は、マストカウンターが続いて弾が切れたか通ってしまう。

続くターン《風を裂くもの/Windreaver》が5点ダメージを叩き出した返しで飛んできたのは再びの《罪/Crime》! ついに古田の手にも《風を裂くもの/Windreaver》が登場する。もっとも、古田は緑白黒なのでパワーが強くならないのがネック。《よりよい品物/Greater Good》とシナジってない模様。

ならばこちらが有利と古田は《風を裂くもの/Windreaver》を場に出し、相手が《絶望の天使/Angel of Despair》を《死後剛直/Vigor Mortis》しようとすればこれは《邪魔/Hinder》で回避する。

そして再び襲い掛かる平田の《風を裂くもの/Windreaver》。青マナがあり白マナも潤沢である平田の《風を裂くもの/Windreaver》は、殴り合いで古田の裏切り者《風を裂くもの/Windreaver》に負けることは絶対無いのだ。途中ライフレースを有利に持っていこうとした古田の《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》も、そうはさせじと《邪魔/Hinder》で抜かりなし。

《風を裂くもの/Windreaver》攻勢で古田のライフが一桁まで落ちた次の平田のターン。古田は相手の《風を裂くもの/Windreaver》を《風を裂くもの/Windreaver》でキャッチし、タフネスを十分パンプさせたところで《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》で生け贄に捧げてライフを稼ぎ、次のターン、さらに次のターンと《罪/Crime》で《風を裂くもの/Windreaver》を釣っては《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》で生け贄に捧げ、ライフをどんどん取り戻し始めたのだ。
平田は状況を打開すべく《連絡/Tidings》。古田はいつの間にか平田も出していた《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》から出てきた苗木に対処すべく《神の怒り/Wrath of God》。慌てて帰ってはまた次のターンに出てくる《風を裂くもの/Windreaver》もすっかりお約束。

そして次のターン。平田が苗木を出しながら尋ねる。

平田「残りライフは……」
古田「29です(キッパリ)」

何と気の遠くなるような数字であることよ。

草の根大会のチャンプ、平田

1点でも多く稼ぎたい平田は、相手の苗木に殴られることも厭わず《風を裂くもの/Windreaver》に警戒をつけずに攻撃。パンプして残り21ライフ。まだ原点より上。次のターンに再び殴って残り12。エンドで出てきた苗木を《撤廃/Repeal》しようとすれば、古田も地道に苗木を《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》で残り13。

次のターン、古田が手札から《絶望の天使/Angel of Despair》を出せば、これがついうっかり通ってしまう。叩き割られる平田の《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》。

次の《風を裂くもの/Windreaver》の攻撃は《絶望の天使/Angel of Despair》がキャッチして《よりよい品物/Greater Good》となる。古田はさらに戦線に《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》を追加してライフを17に戻すと、さらにクリーチャーを1体追加。したところで、観客もジャッジも、ついでに自分も同時に同じ疑問を発してしまったり。

そのクリーチャー、何?

見てみる。白のクリーチャー。防衛で飛行。5/5。ブロックすると生け贄に捧げなきゃいけない。《冷静な陽炎/Stoic Ephemera》。おお、辞書は偉大だ。っつーか、確かにすんげー《よりよい品物/Greater Good》専用機じゃありませんか。よくここに至ったなー。つーことで、こいつは予定通り《風を裂くもの/Windreaver》をキャッチすると《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》で残り22ライフ。

相手にカウンターが無いと踏んだ古田は、一気に2体目の《冷静な陽炎/Stoic Ephemera》、そして御大将《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》登場。

平田は必死で1枚残った《都市の樹、ヴィトゥ=ガジー/Vitu-Ghazi, the City-Tree》からの苗木と《風を裂くもの/Windreaver》でフルパン。しようとしたところで古田は《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》を《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》で生け贄に捧げて残り27にライフを増やし、さらに相手のクリーチャー軍団をタップする。平田は《風を裂くもの/Windreaver》を戻して《神の怒り/Wrath of God》で場を片付けるが、古田も動きのとりづらい相手を尻目に悠々と《死後剛直/Vigor Mortis》で《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》。

そして相手のライブラリーを調べだす。残り7枚。どうやらこのままライフを増やしまくってライブラリーアウトで逃げ切ろうという腹のようだ。

次のターン、《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》が殴りに出るがこれは予定調和で《糾弾/Condemn》されて《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》の藻屑。残りライフはついに33。
Dissension
3マナで5枚引けるって書いてある

《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》の呪いが解けて残りライブラリーが5枚になったところで、平田はようやら再びの《風を裂くもの/Windreaver》。古田も負けじと《冷静な陽炎/Stoic Ephemera》を追加して守りきろうとする。

平田ドロー。残り4枚。やっと到来。その名は《曇り鏡のメロク/Meloku the Clouded Mirror》。古田も相手の手札枚数を確認して何もせずゴー。古田は相手のエンドになにやら計算をした後、いよいよ「キレメロク」モードを発動する。そのイリュージョンの数なんと15体!

何もできない古田の次のターン、残りライブラリー3枚の平田は当然フルアタック。《風を裂くもの/Windreaver》は《冷静な陽炎/Stoic Ephemera》にキャッチされるが、マナが惜しいとばかりにこれを見殺しにし、通ったメロクやら苗木やらイリュージョンやらで一気にダメージを稼ぎ出す。古田も《冷静な陽炎/Stoic Ephemera》を《嘆きの井戸、未練/Miren, the Moaning Well》して必死の防戦も、ライフの残りは17に落ちる。

そしてこのラウンドの時間切れコール。

言っとくけど、まだこれ、1ゲーム目ですよ。長っ!

ドローが芳しくなかった古田は苗木を1個産み出し、それを《よりよい品物/Greater Good》にかけてカードを1枚引くと、そこにはきっちり《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》のお姿が。

《邪魔/Hinder》なんですけどね、ええ。

返すターン、さらに2体追加されたイリュージョンも加わって、古田圧死。

平田 1-0 古田

Winner 平田!