俺たちのエレベータ


「火災・地震時の避難にはエレベーターを使わないで下さい」
というのは、もはや常識である。この具体的な理由として(社)日本エレベータ協会は
火災時:火災階ではドアが開き延焼したり、煙による災害や停電により
階と階との間で急停止し、閉じ込められるおそれ
地震時:揺れによる機器の損壊や停電などにより急停止し、閉じ込められるおそれ
を挙げている。協会ではこの対処法として
「行先階のボタンを全部押し、最初に停止した階ですぐ降りる」
ことを勧めている。
非常時に使うなと指導しながら、一方では「非常用」と表示したかごをみかけることがある。
これは誤解を招きやすい言葉だが、英訳の Firefighter's Service Elevator のほうがわかりやすい。
そう、これは「消防士たちの」エレベータなのである。
高層部分の消火・救助にあたるのが消防の「はしご車」である。
はしご車の歴史は大正14年(1925年)に輸入され、現在の日本橋消防署に配属されたのがはじまりで、
初の国産は昭和5年(1930年)に木製4段12mが呉市の消防へ配置された。昭和13年(1938年)には
鉄製はしご車33mができ、10階まで届くようになった。平成12年(2000年)には40m級も開発されている。
だが、高層ビルにはとてもとても届かない。そこで活躍するのが非常用エレベータである。
高層ビル内で火災が発生した場合、通常はビル管理者から
119番に通報し消防隊が出動することになる。
しかし非常用エレベータといえども
・乗降ロビーが既に火煙で充満されている場合
・地震等火災以外の原因により停止している場合
・その他危険が予想される場合
には使用してはならないので、これとて万能ではない。

非常用エレベータを使用すると決定したら「消防署あ
るいは中央管理室備え付け」の消防運転用キーを持って
「呼び戻しボタン」を押す。
これから救助の一歩は始まるのだ。
非常用エレベータ呼戻釦