スジゲンゴロウ幼虫
Larvae of Hydaticus satoi

スジゲンゴロウは、2012年環境省レッドリストでは、絶滅種として記載されました。1953年の報告以来、全く情報がありません。幸運なことに生体が得られ、遺伝情報を収集しております。量が少なく、大腸菌を使ってクローニングし、何とか目的の遺伝子を得ることができました。

でも、本当に絶滅種として良かったのでしょうか?
十分な調査研究はされた上での絶滅種として指定になったのでしょうか?日本カワウソは約30年もの間、生息が未確認だったため絶滅種になったようですが、スジゲンゴロウは確かに60年近く、生息の報告がなく、納得できます。ただし、2000年以降に少なくとも国内の2カ所において複数の知り合いが別個に採集しております。もちろん、希少種のため未発表です。上記の写真はその時の個体です。個人的には、まだ絶滅宣言をするには時期尚早のような気がしております。それはともかく、絶滅種の遺伝子は確保しており、今後、ちょっとしたお遊びとして、近縁種であるオキナワスジゲンゴロウやシマゲンゴロウの胚を用いて、スジゲンゴロウの遺伝子を導入してみようかなぁ、と考えております。^^

(This beetle was designated as critically endangered species in Japan. There has been no information about it since 1953. Fortunately, we obtained the live ones and have been analysing the DNA sequences. However, we could not obtain enough amount of sample, then we made some clones using E. coli to amplify and select proper genomic DNA. We eventually obtained the target sequence data so far.)


DNA単離のための解剖
(Dissection of the beetles)

スジゲンゴロウからDNAを単離するたの解剖を行っています。
個体が小さいため、目の悪い私には無理なため、学生さんに任せました。

(One of my students dissected larva of H. satoi to isolate genomic DNA.)