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2008.2.22
反住基ネット連絡会

■「紙の住民票」による「住民票コード削除」が明らかにしたネットワーク社会における「自治」の課題

2月14日、箕面市が住基ネット大阪訴訟判決実施の一環として

  • 「紙の住民票」を原本として「住民票コード」を削除し
  • これを大阪府知事に文書で「通知」した

ことを、反住基ネット連絡会は歓迎します。

しかし確定判決の主旨が

都道府県や国の機関で住民票コードをキーとする個人情報の結合がされないようにする方法を、市町村が可能な範囲で住民(原告)に提供する

ことである以上、「紙の住民票」を原本とした今回の措置は、市自身が指摘するように暫定的な措置でしかありえないことにも、私たちは注目せざるを得ません。箕面市は、3月6日に最高裁第1小法廷で判決言い渡しが予定される上告審の当事者ではなく、その判決の内容いかんにかかわらず市が引き受けた住基ネット大阪訴訟判決の誠実な履行に責任を負う立場にあることは変わりません。

◆まずしいながらも最先端の努力の成果

今回の箕面市における「削除」は、さまざまな困難のなかでかろうじて実施しえた、日本における「プライバシー保障」のまずしいながらも最先端の努力の成果だともいえます。「紙の原本からの削除」も「文書による通知」も、法制度上の明確な意味を持っているでしょう。

しかしそれはある種の「擬制」です。

国が設計・構築し実効的に運用・支配している「住基ネット」を使った現実の行政実務の中で、この「擬制」はあまりに無力です。「住基台帳システムにおける控訴人の住民票データは、庁内各システムとの連携用の管理データとして」(市の発表)流通・運用されている状態で大阪府に「文書通知」をしても、府に「住基ネット上での住民票コード削除」を求める現実的な説得力は持ちません。

◆全国の自治体の悲鳴

箕面市議会では、「カタカナの飛び交うとき、対応する能力を持たない」と悲鳴があげられ、「最高裁の判断を待つべき」だとして市の判断停止を求める決議がされました。

しかしこれは、「技術の理解」や「技術的判断」以前の、「地域社会・自治体には意思決定ができない!」という全国の自治体の悲鳴を代表するものだといわざるを得ません。

◆自治体における意思決定を困難にしている要因

このような「無力な」暫定措置をもたらした「意思決定能力の欠如・判断停止」という大きな困難は、箕面市だけが抱えているものではありません。全国の自治体や国も同様に抱え込んでいる問題です。

とくに、中央政府・総務省レベルにおける「意思決定能力の欠如」はいまだに自覚されておらず、「ネットワーク社会」への適応に対するきわめて不適切な政策が採用され続けているため、日本社会全体の合意形成も大きく阻害され続けています。

この不適切な国の政策と社会的合意の不在が、自治体の行政組織を含む地域社会への強い圧力となり、「プライバシー」問題についての地域社会・自治体の意思決定能力を奪う結果となっていることを、私たちは指摘しておきたいと考えます。

そのような中で箕面市が採用せざるを得なかった「擬制」を終わらせ、それを「実効性」に転換することは、日本社会全体が突きつけられている課題です。

反住基ネット連絡会
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-19-207
日本消費者連盟気付
Tel. 03-5155-4765
e-mail : koshikata at domain

原典について


Copyright(C) 2008 やぶれっ!住基ネット市民行動
初版:2008年02月26日、最終更新日:2008年03月27日
http://www5f.biglobe.ne.jp/~yabure/oosaka5shi/minoh/seimei080222.html