◆入居して初めて分かったこと
入居して初めて分かったことことの一つに玄関ドアが結構雨に濡れるということがあります。家を出るといきなり雨が降り込んでくることになり、傘を広げるスペースすらないのです。こうなるとあらかじめ玄関の中で傘を広げておくか、濡れるのを覚悟でドアの前で傘を広げるしかありません。
また、外出から帰ってきた時、傘を差しながら鍵を取り出さなければならないことになり、非常に不便でした。ドアに鍵がかかっていた場合、雨を避ける場所もないわけです。
実は、当初は、それほど雨に濡れないだろうと思っていました。我が家の玄関はすこし奥に入っており、さらに屋根の軒とあわせて、雨は降り込まないと思っていたのです。また、玄関の上に屋根がないのはすっきりした外観に見せるというデザイン上の意味もありました。
しかし、あまりにも不便であり、また、ドアが雨ざらしになるのはドアそのものにとっても良くないのではないか(まあ、ドアは木製ではないので、それほど神経質になることもないと思いますが)と思い、屋根を付けたいというのは実は、かなり早くから希望していたことなのです。
◆希望は下妻不動産に伝えてあった
その希望は、下妻不動産には伝えてあったのですが、なかなか具体的な動きに結びつきませんでした。もっとも不安だったのが、はたして後付けのものがうまく収まるのかということです。
たとえば、屋根と壁面との接合部分。ここに雨が侵入するようだと、長年の後には、腐食やら腐敗していき、最悪の場合、屋根が落ちるかもしれません。
また、デザイン上の収まり。明らかに後付けだと分かるような違和感を感じないか。付けてしまってから後悔するのでは遅いのですから……。
◆プランは浮上したり沈んだりを繰り返す
こういった不安と、さらに金銭的な面も加わって、このプランは浮上したりまた沈んだりを繰り返しました。私たちが及び腰だったのも悪かったのでしょうが、下妻不動産側も積極的に動くということもなく月日が過ぎていきました。
私は、特に屋根と壁面の接合部分の処理が気になっていたので、ここの部分はどういう施工をするのかを詳細に教えてほしいということを申し入れていましたが、営業のOさんは、「不具合はないようにうまくやります」というだけで技術的に納得のいく説明はしてもらえませんでした。
妻は、「うまくできそうもないのなら、お金もかかることなのであきらめよう」とまで言い出し、私も「やって後悔するなら、やらない方がマシ」と思い、一時は中止になりました。心の中では、下妻不動産は、どうしてもっと積極的にプランを提案してくれないのか、どうして技術的な説明ができないのかという不満もくすぶってはいました。
◆ようやく動き出してくれるようになった
そのうち、下妻不動産側もようやく動き出してくれるようになりました。実は、義弟が同じ下妻不動産で家を購入したのです。それがきっかけで、我が家のことも気にかけてくれるようになったのでしょうか。(そんなことでは困るんですけどね……)
プランを提示してくれました。ここでの最大の懸案事項は、屋根を支える柱を立てるか立てないかということです。柱を立てれば、大きめの屋根が設置できます。ただ、その分、玄関前は圧迫感を感じるでしょう。
柱を立てないと、90cm程度(伸ばしてもせいぜい100cm)せり出すのが限界ということでした。90cm程度の屋根で大丈夫だろうか。どうせやるなら柱を立て、もっと大きな屋根を付けた方が良いのではないだろうか。などといろいろ悩みました。
妻は「デザイン的に切妻屋根型のもっとかわいいのがいい」と言い、さらにいくつかプランを出してもらうようにお願いしておきました。
切妻屋根型の例です。こんな形が妻の望みでした。◆しかし結局技術的には無理
しかし、柱を立てる立てないの話や、別のデザインの依頼をしたのも、営業Oさんに対しての話でした。けれども、途中から変わった営業Kさんが言うには、どちらも技術的には無理ということで、やるなら下妻不動産、もっとはっきり言えば、現場の大工さんが考える方法しかないということを言われました。
「なあんだ、そうだったら最初からそう言ってくれれば良かったのに。そうだったら柱やデザイン云々で悩むこともなかった」と心の中で思いました。
で、どんな形になるのかKさんに「図面がほしい」と言ったのですが、「図面は作れない」と言われました。
「こちらは頼む側なのに、どうして完成予想図が見られないのか。どんなものができるのか知りたいと思うのが当然ではないのか」などとかなり強く主張しました。このKさんというのは、我が家を担当したKさんであり、また義弟の家を担当しているのもKさんです。義弟も我が家の屋根のことを言ってくれ、Kさんも両方から責められて冷や汗を流したことと思いますが、私たちにもそれなりの不満はくすぶっていたということをここに記しておきます。
で、「図面1枚引くのにも正式なものであれば、多額の費用がかかる。UEDA邸の場合は、できるだけ安い工事費で上げさせてほしいので、正式な図面は勘弁してほしい」というのがその理由でした。それならば、「ラフスケッチでもいいから、とにかくどんな形のものができるのかを知りたいんだ」ということを再度申し入れ、簡単な図を書いてもらうことになりました。
◆現場の大工さん次第
どうやら、こういった工事は正式な図面は作らず、現場の大工さん次第なようです。確かに、熟練した大工さんなら、図面など引かずに長年培ってきた技術と勘だけで、施工することができるのでしょう。しかし、依頼する側としては、やはり不安感はぬぐえません。どんなものができるのか結局最後まで分からずじまいなわけですから。
あれやこれや悩みはしましたが、結局、最終的には、下妻不動産および担当してくれる大工さんの腕を信じることにしました。この屋根を作る希望を出したのは春ごろだった気がします。それからすでに半年以上が過ぎて、ようやく着工の運びとなりました。
◆10月14日(火) 工事第1日目
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