私は入社以来、顧客との連絡窓口、折衝係を仰せつかっています。
元来がクレーム産業と言われている私たちの業界の中で、私の
やっていることは、要は最前線でのクレーム処理です。
ちなみにこの仕事をやっていて精神に異常をきたす人は
後を絶ちません。胃を壊したり、人間不信になるのは
日常茶飯事です。私も三ヶ月に一回くらいのスパンで会社を辞めたく
なります。これが深刻になるともう誰とも口を訊きたくない、
もう何もしたくないという状態となり、夜もロクに眠れない極度の
不眠症に陥り、最後には体を壊すという末期症状を向かえます。
この仕事のおかげで私はかすかに残っていた、人を信じる気持ち
がキレイさっぱり消え失せました。まあ、初めから他人に期待しない、
信じない方が人生は気楽です。残念ながら、人は信じるから
裏切られ、期待するから失望するのです。
まあ、昔は純粋でよかったなと思う時はありますが・・・
最後に世の中の人があまり気付いていない私の「座右の銘」を
紹介してこのページの終わりとしたいと思います。遠い昔、漢字が
作られた時の人々の間では、常識だった人間の本質です。
「人の為と(ひとのため)書いて
偽り(いつわり)と説く。」
偽りの
言の葉にのみ
ききなれて
人のまことぞ
なき世なりける