キーボードの部屋 2004年1月15日更新
IBM 5576-B01 リニア、ノンクリック化改造
期待しないでください。 ふにゃふにゃ、スカスカなキータッチですからね。
バネの製作は危険です。(防護メガネ、厚い皮手袋、厚手の服等 必須)
東プレ リアルフォース 106を買ってみたが気に入らないので色々改造してみたが、イマイチ。
バネを追加することで反発力の増強と、タクタイルの低減を考えたが、バネの入手が難しい。
ネット上を検索すると、仕様通りに作ってくれたり、規格品なら単品売りも可能なようだが、かなり高価。(1個数十円〜数千円。)
なら、作ろう! ということでバネを作ってみた。
出来たバネをリアルフォースで試せばいいのだが、45gキーにバネを追加した場合重すぎになる。 30gで試すには位置が一部分だけ。
になるので、キー荷重用のラバードームがキートップ下に入ってて改造が簡単な IBM 5576-B01 でいろいろ試してみた。
5576-B01はスイッチの導電ゴムと、キー荷重のラバードームが別になっている。
このラバードームはスライダ部分へホコリが侵入するのを防止してる効果もあるような気もする。
5576-B01は、IBMキーボードの質の低下が嘆かれる時、例として出される場合が多いが、それ以前のコストのかかっていたキーボードと比較してで、それ以後のキーボードと比べれば作りの良いラバードームキーボードです。
■ バネの製作
材料 ピアノ線 径0.35mm 15m 210円程度
工具 ニッパ ノギス 棒
適度なサイズの金属棒を用意する。(これが一番大変だったり・・・)
この直径で、出来上がるバネの径が変わってくる。
試したのは、5.5mm 5.7mm 5.8mm 6mm 6.5mm 7.55mm 8mm
このあたりのサイズは試行錯誤。
B01だと5.8mm程度の径が良さそう。
ピアノ線を棒に巻きます。
緩まないよう引っ張りながら隙間が無いようぴっちりと。
(手で巻くのは難しいです。私が行った方法は危険なので削除しました)
巻き数は、あまり多く巻かないほうがいいようです。(安全のため)
巻いていった先の直線部分を残さずに丸まった部分の根本で切断。(安全のため)
※ 切った瞬間にバネが回転しながら緩んで弾けますので非常に危険です。
バネが緩んで、棒の径より3、4mm程度太くなる。
6mmのシャフトだと 出来たバネの外径は約9.5mm。
■ 調整
出来たバネを適当に引き伸ばしたり、巻き数を調整して好みの荷重、長さに設定して切断。
このあたりは試行錯誤。キーボードに取り付けてみて好みで設定。
引き伸ばすと直径も増加します。
直径6mmの棒に巻き、出来た外径9.5mmのバネを長さ9mm、巻数5に引き伸ばしたら、外径が10.7mmになりました。
B01のスライダ部分の径は8mm
このあたりの変化も考えて、巻く径を調整したほうがいいようです。
■ 試行錯誤の結果
バネA(6mm巻) 0.35mmピアノ線 長さ 9mm 巻き数5 外径10.7mm(内径10mm)
バネB(5.7mm巻) 0.35mmピアノ線 長さ9.5mm 巻き数6 外形9.2mm(内径8.5mm)
バネC(5.7mm巻) 0.35mmピアノ線 長さ 13mm 巻き数6 外形9.4mm(内径8.7mm)
今回の改造は、ラバードームをコイルバネに変更し、リニア化ノンクリック化。
ゴム接点のキーボードなので底打ちが必要で、元のラバードームの場合ポコポコといった感じでタクタイルの荷重を越える勢いで底を叩くような感じだが、改造後は底打ちへ至る荷重の変化が非常にリニアなので打鍵の強さがコントロールしやすい。
打音の変化は無し。
バネAの場合、荷重が少し軽すぎて、軽く指を乗せただけで入力されてしまうが、もう少し重めに設定したほうがいいようだ。
バネBの場合、バネA同様少し軽い。押し始め20gでは軽すぎのような気がする。
バネCの場合、全体的に少し重めに感じるが違和感があるほどでは無い。
底突き感もノーマルより優しい感じ。
バネC以上に荷重を重くすると、キーを押すこと自体が重く感じて、押し始めから違和感を感じる。
私の好みでは C > B > A
メカニカルリニアのスムーズさ。 ゴムの柔らかな底突き感。 ちょっとだけ良いかも。
■ その後
しばらく使ってみた印象では、
バネCの場合、底突きへ至る荷重の変化量が少し大きすぎるような気も。
底突き時点での60gは重い。
押し始め35gはいい感じなので、底突きへ至る荷重の変化量を小さくすれば解決するような気もする。
荷重の変化を小さくするには、バネの全長を長く(巻き数を多く)するか、直径を大きくするかしかないが、スペースは限られてるので難しい。
2003年12月10日ページ作成