ジオンの残業
〜なぜもっとファンネルを使わなかった?〜

ジュドー「なぜもっとファンネルを使わなかった?」
ハマーン「ふふっ、一騎打ちと言ったろ」



これは機動戦士ガンダムZZの最終回「戦士、再び…」で、ZZとキュベレイの決着がついたあとジュドーが問いかけた台詞です。


この台詞、昔から不思議だったんですよ…

この戦いで、ハマーンは画面上で確認できるだけでも20機近いファンネルを使っています。
キュベレイのファンネル搭載数は不明ですが、半分以上はつかっているのはほぼ間違いないでしょう。

“一騎打ち”にこだわったなら明らかに使いすぎです。



そもそも、ジュドーがなぜ戦いの中でこんな疑問を抱いたのでしょうか?
画面を見る限り、この回の戦闘ではファンネルの使い方が変なのです。

「ファンネル」といえば、大量のファンネルを変幻自在に動かして、相手を撹乱し、隙あらば一斉砲撃で止めを刺すのが基本的な戦法です。

しかし、この戦闘では、ファンネルが“変幻自在の攻撃”を仕掛けないのです。
・ZZの行動する先にあらかじめ配置して、奇襲する
・キュベレイがZZを羽交い絞めにして、ファンネルで狙い撃ち
・戦闘開始と同時にファンネルを展開するが、1発撃っただけ


結果、“ZZの前に突然現れて、すぐ切り払われる”といったのがほとんどでした


なぜ、ハマーンはこんな使い方をしたのでしょう?
一騎打ちだったから?……いえ、それなら「ファンネルを囮にして死角から切りかかる」という戦法を使うとは思えません。
そもそも、ハマーンは大量のファンネルを使用している以上、“ハマーンがこだわっていた”というのはあまり説得力がありません。



この戦闘で、今までキュベレイ(ハマーン)が行っていたものと決定的に違う点がもう一つあります。
コア3内部の重力ブロックで行われた


もしかして、重力ブロックで大量のファンネルを同時に操作するのは相当難しかったのではないでしょうか!



ここで、重力下でファンネルを使った他の例をみてみましょう。
・「重力下のプルツー」でキュベレイMkUが地上でファンネルを使い、サイコガンダムMkUがリフレクタービットを使って迎撃しています
・「バイブレーション」でクイン・マンサがアクシズの重力ブロックでファンネルを使いZガンダムを中破させます。

気になるのは「バイブレーション」でZガンダムをファンネルで迎撃したプルツーが、その後のガンダムMkUとZZ相手にファンネルを使用していないということです。

もしかして……、
重力でファンネルが落ちるので、常に上向きに軌道させなければならなく、
すぐに推進剤がなくなってしまうんじゃ……

だからZ撃墜後、MkUが現れたときにはファンネルの推進剤が無かったということも考えられます。

重力下のプルツーでは、プルの使ったファンネルはすぐに撃墜されてしまいました。
リフレクター・ビットはキュベレイのファンネルより大型ですし、その構造上ビーム砲を積んでいないのでそのぶん推進剤を多く取ることができたので長時間使用できたのではないでしょうか。




また、「重力下のプルツー」「バイブレーション」「戦士、再び…」ともに、一度にファンネルを展開する量が少ないのも特徴です。(6〜8機)宇宙では20機近いファンネルを同時操作することも可能だったわけで(「エマリー散華」など)それに比べると大した量を展開していません。(「バイブレーション」はプルツーが本調子じゃなかった。「重力下のプルツー」はそもそもファンネルの数が無かった可能性はあります)

常に重力に引かれて落ちるファンネルを(それを計算に入れた上で)コントロールするのは、非常に困難なのではないでしょうか?

それでも、数を絞ればいつもの「変幻自在の攻撃」は可能でしょう。
しかし、相手はファンネルとの対戦経験豊富なジュドーです。
数を絞ったら、あっという間に撃墜されるのは目に見えています。

ハマーンとしてはあの方法で
闘う他なかったと考えられます。




“コア3で決戦する”と、ジュドーを誘い込んだのはハマーン自身です。(センチメンタルと称されましたが)まさか、そんな負け惜しみを言う訳にもいかず、“一騎打ち”という言葉が出たのではないでしょうか。




ジュドー「その潔さを何でもっと上手に使えなかったんだ。持てる力を調和と協調に使えば地球だって救えたのに」
ハマーン「ふっ、はははっ…!。アステロイドベルトまで行った人間が戻ってくるっていうのはな…人間がまだ重力に惹かれて飛べないって証拠だろ」
ジュドー「だからってこんなところで戦ったって何にも…」
ハマーン「そうさ!賢しいお前らのおかげで地球にしがみつくバカどもを抹殺できなかったよ」


その続きの台詞です。
会話が噛み合っていない様に感じるのは私だけではないでしょう。



ジュドーは今までハマーンを拒否し続けてきました。
「アンタの存在そのものが鬱陶しいんだよ」
「ハマーン!お前は人を不幸にする力がある!!」


“いくらなんでもそこまで言わんでも”とツッコミたくなりますね

そのジュドーが、このとき
はじめてハマーンを(“潔さ”だけですが)認めるような言葉を発しています
“一騎打ち”が、かなり意外だったんでしょうね。

ハマーンも、まさか“さっきのは嘘です。”というわけにも行かず話題をはぐらかそうとしたみたいに聞こえませんか?




ハマーン「帰ってきてよかった…強い子にあえて…」

ジュドーが伸ばした手を拒否した後…
こう言ってハマーンは
“潔い死”を選びました。


今まで好意を抱いた人にずっと拒否されてきた彼女が、
はじめて認められた“潔さ”…
本当はその言葉にふさわしくない自分…
せめて“潔さ”に恥じない行動に殉じる決意をした。


もしかしたら、彼女の行動にはこんなドラマが隠されていたのかもしれません。





追記:蛇足ともいいますが…

ちなみに、ジュドーはこの後、ジュピトリスに乗って木星に向かいます。
その理由は不明ですが、ハマーンの「アステロイドベルトまで行った〜」が気になっていたのだろうと思います。
もしくは、自分の「その潔さを何でもっと上手に使えなかったんだ。〜」を実行し続けることによって、ハマーンを超えようとしたのかもしれません。


でも、それが「勘違い」から始まった事だったとしたら…
人生、何が転機になるかわかりませんね




補足として「ファンネルに関する考察」もあります。
興味がある方はどうぞ。




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