第108夜 ベル1個で壊れる友情「ツインビー」


 アーケード版はあまりやったことないのですが、ファミコン移植版ではけっこうやりました、このツインビー。
 
このゲームで思い出すのは、なんだかやたらとかわいいキャラクターとのどかな背景。当時のシューティングゲームといえば、SF調のものが主流でしたから、この「ツインビー」の緑を基調とした画面や丸っこいキャラクターは、けっこう目立つものだったのです。
 ところが、ゲーム自体はけっこう難しかったんですよね、このツインビー。
 結局最後まで前面クリアはできなかった気がします。

 このゲーム最大の特徴といえば、なんといってもパワーアップシステムと「2人協力プレイ」に尽きるでしょう。
 このゲームのパワーアップシステムは、「ベル」を使ったものなのですが、何個集めたらこのパワーアップとか、決まったベルを取るとこういうパワーアップなんて決まっているわけではなくて、雲を撃って出現してきたベルを何発か撃つたびに、ベルの色が変化し、それを取るとスピードアップ、ツイン砲、分身、バリアなどのパワーアップができるようになります。ちなみに、撃ちすぎると敵に変化してしまうんですけどね。
 とまあ、文章にすると簡単そうなんだけど、実際はかなり難しい。ベルを撃っている間も敵は襲ってくるので、せっかく望みのパワーアップまでたどり着いたと思っていたら、思わず余計に撃ってしまったり、2人プレイだと、ベルの取り合いになってしまったり。パワーアップに夢中になるあまり敵にやられてしまうことがものすごく多かった。パワーアップが難しいだけに、ヘタすると敵よりもベルを取ること優先になりがちで、まさに「命より金!」(「ファンタジーゾーン」みたい)。

 2人協力プレイというのは、単純に考えると味方の弾の数が2倍になるのですから、それだけでも強そうなんだけど、実は自機を合体させて弾をパワーアップさせてもあまり効果が無くて、ベルの取り合いでやられやすくなるだけだったような…とはいえ、そんな「ツインビー」と「ウインビー」が入り乱れてのゴチャゴチャした画面も、このゲームの魅力なのでした。
 せっかくの「協力プレイ」もパワーアップのベル1個の行方で壊れてしまうこともよくあったんですよね。「俺のベル取ったな!」って。

 やたらと続編は出たのですが、それらは今ひとつパッとせず、なんとなく記録より記憶に残る、そんなゲーム。