第46夜 これは、果たして「ゲーム」なのだろうか…「ザ・サージャン」

 
もう10年以上も前の話。学校の「コンピューター実習」で
僕たちはマッキントッシュ・の初期型(モノクロのclassicだったと思います)
の前に座らされ、操作の仕方を習ったり、
簡単なプログラムを組まされたりしていました。
マウスというのも、まだ物慣れない時代のことで。
で、その大学備え付けのマッキントッシュの中には、
超定番の「マックペイント」「マックライト」の他に
いくつかゲームもインストールされていて
(タイトルは忘れちゃったけど、ピンボールゲームとか)
僕らは、実習そっちのけでゲームをやったりしてたわけです。
で、そのゲームのうちのひとつがこの「ザ・サージャン」でした。
 サージャン(Surgeon)というのは、英語で「外科医」のこと。
このゲームは、プレイヤーが見習いの外科医になり、
メスをふるって、患者さんの手術を行うという内容なのです。
 最初の画面で、うっ!内臓が動いてる…という第一印象。
それに、当然のことながら、表示はすべて英語で、なんのことだかさっぱり分かりません。
それで、まあ、とりあえずにわかブラックジャックという感じで、
「手術料は3千万円!」などと言いつつ、
アイコンでメスらしきものをを握って皮膚を切ると、
いきなり大出血!止血の仕方もわからないまま出血多量でゲームオーバー。
慰謝料が3千万円になりそうでした。
そのうえ、このゲーム妙なところにリアルで、
消毒せずに皮膚を切ってしまうと患者は感染症で死亡。
こんなのわかるか!(しかも英語)ということで、
僕たちは、患者さんの皮膚にメスでハートマークを書いたり、
内臓を切り刻んだりという、スプラッタ・プレイに走ってしまったことを
告白させていただきます。
 今から考えると、消毒してから切開するとか、
血管を結びながら切っていくなんてことは、医者にとっては常識なんですが…
 ペーペーの医学生には、まったくついていけない世界でした。
ほんと、外科行くのはやめようと心の底から思いましたよ。
当時のグラフィック技術でこれなんだから、
今リメイクされたら教育目的だとしても発禁確実。
 しかし、医者じゃないのにこのゲームで手術ができるひと、尊敬します、ほんと。
当時のマックのゲームは(このゲームは、もとはアミガだったかなあ)
ぶっ飛んだアイディアのものが多かったなあ。