第130夜 友達108人できるかな?〜「幻想水滸伝4」


 プレステで発売された「幻想水滸伝4」は、シリーズ化されて根強い人気を得ているようなのですが(攻略サイトやファンサイトもたくさんありますし)、僕はこの「4」がシリーズ初体験でした。このゲームは海が舞台で、海の騎士団の見習いだった主人公が、伝説の紋章をめぐる争いに巻き込まれながらも成長していく(というか、まつりあげられる、のほうが正確かもしれません)物語です。

 まあ、ストーリーは、「次に何が起こるんだろう?」という感じがしてなかなか面白いし、なんといっても108人(主人公含む)もの個性と背景のある仲間を集めていくのは楽しいです。もっとも、実際に育てるのは、10人くらいで十分ですし、本当に108人集めるのは攻略サイトにでも頼らないと至難の業、なのですけど。

 中国史フリークとしては、「このキャラクターは、水滸伝でいえば、どの登場人物と対応しているのだろう?」と考えるというマニアックな愉しみもありますし。

 ただ、ゲームとしては、「船の移動スピードが、アナログスティックをセロテープで固定して他のことをやりたくなるほど遅い」(途中で速くする方法があるのですが、それでも満足できるレベルとは言いがたいですし)「敵との遭遇率が異常に高い」(おかげで、レベル上げは異様にラクなんですけどね。キャラクターのレベルによって得られる経験値が違うので、すぐみんな同じくらいのレベルまで上がっていくし)「仲間が登場する条件や仲間になる条件がわかりにくい」(普通にやっていると、絶対に全員とか集まらないと思います)、「3Dのグラフィックが見づらいことがある」「船の操作がめんどう」、など、難点も数多くあるのです。船内での移動や使用するパーティの変更も、ちょっとめんどくさいし。ストーリー的にも、なんだか中途半端で、「えっ、これだけ?」という感じ。2時間ドラマを観ているつもりだったのに、1時間で終わってしまった、というような。

 仲間集めだけではなくて、紋章とか釣りとかアイテム開発などの「やりこみ要素」も満載なのですが、正直なところ「そこまでやりこむほどでもないし、めんどくさいだけ」という気がします。「ドラゴンクエスト」みたいに、プレイヤー側のほうが「やりこんでやるぞ!」という心の準備をしてくれているわけではない、という辛さもあるんでしょうけど。