第55夜「ぴゅう太」欲しかったなあ…「スクランブル」


 「スクランブル」は、コナミの強制横スクロールシューティングゲームで、
空中と地上に弾が撃ちわけられるのが特徴でした。
当時としては、宇宙空間や敵の基地内など、背景がめまぐるしく変わる美しいグラフィックと
燃料タンクを撃って燃料を補給しないと燃料切れでやられてしまうという戦略性を持ったゲームで、
これでコナミというメーカーを知った人もけっこう多かったのではないかと思います。

 このゲームには、忘れられない記憶があって、
このゲーム、当時売り出し中の「日本語ベーシック搭載の家庭用ミニパソコン
(実際はゲームマシンとしての需要が多かったようですが)
「ぴゅう太」(トミー)に移植されていたのですが、
その移植がほんとうにすごくよくできていたのです。
1980年代前半としては、信じられないような「アーケード(ほぼ)完全移植!」
小学生だった僕らは、おもちゃ屋の店頭で「ぴゅう太」の画面を見てはため息をつき、
1ゲームするために店頭のデモ機のまわりに並んだものでした。

 いや、今でも記憶に残るくらい、
そして、このために「ぴゅう太」を買っても惜しくないくらいの凄さでした。

 しかし、当時の「ぴゅう太」は約6万円。
ファミコン前の時代に、小学生に6万円のおもちゃを買い与える親などほとんどいませんでした。

 かくして、僕たちは「ぴゅう太」に憧れつつ
「カセットビジョン」で「きこりの与作」とかをやってたわけです。
あ〜カクカクだなあ、などと思いつつ。

 結局、ぴゅう太は、安価でゲーム機能に特化したファミコンの登場によって、
その役割を終えてしまうのですが、
このぴゅう太の「スクランブル」が僕たちに与えたインパクトは、ほんとにすごかったのです。

 家でゲームセンターのゲームができる!それが、まだ夢だった時代のこと。

 ああ、あんまり「スクランブル」の話じゃないかも…