第14夜 桃鉄道の夜

「桃太郎電鉄」略して「桃鉄」は、最初はごくごく普通のボードゲームだった。
僕も弟と2人プレイでファミコン版桃鉄をやったりしたものだった。
このゲームはやたらと女の子ウケがよくって、うちの姉などは、何が面白いのかわからんのだが、コンピューター相手に50年とかでプレイしていた。もう、何百億という資産で、日本中の物件を買い占め、ビルゲイツも真っ青(じゃないんだろうなあ、ほんもののビルゲイツは…)な大金持ち。コンピューターは、まるで、モノポリーのラスト寸前で、破産するためにサイコロをふらされるプレイヤーのようなものだった。

このゲームが一番盛り上がったのは僕が大学1年のとき。うちにはPCエンジンがあったのだが、部活の先輩がこのゲームにハマってしまい、マルチタップ(4人同時プレイができる接続機)が導入された。それからは、もううちは桃鉄ハウス。
朝の4時5時まで毎晩桃鉄の日々が続いていた。
同級生の女の子たちも一緒にやってたけど、間違いはぜんぜんおこりませんでした、ちなみに。

PCエンジンの桃鉄で思い出すのは、某S先輩(男)と2人で遊んでいたときのこと。
僕はその日はテスト明けで眠くてしょうがなかったのに、先輩は自分が大勝しているもので、やめたくない。そこで、眠りに落ちようとしていた僕は、自分の順番がまわってくるたびに先輩に起こされ、ねぼけながら冬に赤のマスに突っ込んだりしては、また眠り…の繰り返しでした。あれはほんとにきつかった…
眠らせない拷問ってのがあるらしいけど、確かにそれはキツイだろうなあ…と想像するくらい。
そういえば、僕は、大量リードから最後の一年でマルサカード2回と独占都市への大地震カード一枚で、最下位に転落したことがあります。

なんか、ボンビーが“クレジットカードで買い物をしてきたのねん、釧路の牧場なのねん(笑)”ってくらいの時代が一番面白かったような気がするんだけど、このゲーム。

キングボンビーとかギーガボンビーとか、他人がやられてるのも正視できんって感じ。
でもなあ、ゲームってインフレ化しはじめるとキリがないんだよねえ、実際。

ともあれ、僕にとっては、多人数プレイの面白さを教えてくれたゲームです。