第185夜 珍しい文系パズルゲーム『ことばのパズル もじぴったんDS!』


参考リンク:Touch-DS.jp - ことばのパズル もじぴったん DS!

 このゲーム、PSP版も持っていたのですが、普段はDSを持ち歩く機会が多いので購入。しかし、世間にこれだけいろいろなパズルゲームがあると、どうやって差別化するかっていうのは非常に難しいですよね。昔の「テトリス」みたいにみんながやっていたゲームなら「これだけ自分は上手い!」というのを友人に自慢できるのですが、最近のパズルゲームはバリエーションが抱負なわりには大ヒット作はなかなか出ず、やたらと面数ばかりたくさんあるものが多くて、自分で達成感を得るためだけに500面とかクリアするのはなかなか困難なものではあります。

 それはさておき、「もじぴったん」は、パズルゲームとしては珍しい「文系パズルゲーム」なんですよね。前述の「テトリス」にしても昔の「倉庫番」にしても、得意な人は、「瞬時に図形と手順の判断ができる、頭の回転が速い人」で、数学が得意な人ほど強いゲーム、という印象でした。でも、この「もじぴったん」は、まず「言葉をたくさん知っていないとどうしようもない」ので、僕のような「文系脳」でも、けっこういいセンいっているような気がするゲームではあります。

 このパズルのルールは、「リアルタイムでひらがなを一文字ずつ並べていって、なるべくたくさんの意味が通じる単語をつくりながらマスを全部埋めていく」というものなのですが、実際にやってみると、自分でも予想外の言葉が連鎖したりして、言葉というのは本当にたくさんあるのだ、ということに驚かされてしまうのです。

 DS版は、PSP版に比べて、タッチペンを使えるので操作性が良くなったというか、いかにも言葉を並べている、という感覚が味わえて楽しい感じがします。「スクラブル」というアルファベットを並べて英単語を作る有名なボードゲームがあるのですが、それを日本語にしてリアルタイム性を取り入れたのが、この「もじぴったん」だと言えるかもしれません。でもほんと、日本語っていろんな言葉があるんだな、と思い知らされてしまうゲームです。いや、実際にやっていると、地名や人名など、かなりユルイというか、こんな言葉までOKでいいんだろうか?と感じてしまうこともあるくらいなんですけどね。「あと一文字なんだけど、こんな言葉ないよね……」と思いつつ半ば諦めながらマスに置いたひらがなが受け入れられたときは、やっぱり嬉しいものなあ。

 正直、パズルゲームとしての「解法の美しさ」みたいなものには乏しいし、これを全面クリアできるのはよっぽど時間に余裕がある人なんじゃないかとは思うのですが、ときどき遊んで「こんな言葉があったんだ……」と感心するには非常に優れたゲームだと思います。DS版は価格も良心的ですしね。