第43夜 アドベンチャーゲームの個人的最高峰「ジーザス」


まだまだ、アドベンチャーゲームというのが、言葉探しゲームで、アニメ風の絵が「瞬きをする」ということだけで「業界初のアニメーション!!!」などという謳い文句が平然と使われていた時代のこと(今から15年前くらいになるのかな)。
 この「ジーザス」(エニックス)は、まさに彗星のように現れたスーパーゲームだったのです。
なんといっても、特筆すべきは、そのグラフィック。当時では、群を抜いて美しい映像でした。
さらに、かの、すぎやまこういち氏を起用したサウンド。
もちろん、FM音源3重和音の時代ですから、派手なオーケストラサウンドなどではありえないのですが、
綺麗で静かな旋律は、すごく印象的でした。しかも、テーマ曲が謎解きと関連してましたし。

 いちおう、ストーリーなど。プレイヤーは、宇宙ステーションに派遣された
エリート隊員「むそう はやお」となり、密室である宇宙船に潜入した正体不明の宇宙生物と戦いながら、地球への生還をめざす、という話。まあ、もろ映画「エイリアン」の影響うけまくりなのですが。
(まったくの余談なのですが、のちに「エネミー・ゼロ」(ワープ)も、ほとんど同じような設定で、ちょっと驚いた記憶があります。だって、模倣の模倣じゃ、あんまりでは…)
 このゲーム、全画面でアニメーション!というウリがあったのですが、
実際には、一部の派手なものを除けば、計器類が点滅しているとか、星が瞬きをしているとか、そういうレベルなんですけどね。
でも、当時は「絵が動く!」というだけでも、みんな驚いた時代。
「ジーザス」は、その当時としては、明らかに一世代先のゲームという印象でした。

これ遊んじゃったら、他のアドベンチャーゲームはつまんなく思えそうだ、っていう。
ストーリーも、定番なのですが、当時としては感動モノ。
速雄とエリーヌを助けた後の最後の仲間の科白なんて、ほんとに涙がでそうです。
意外と、エンディングはあっさりしていたような気はするのですが。

 あと、このゲームで印象的だったのは、オープニング。
メインテーマにのせて、スタッフ紹介が流れていくんですが。
それがPC8801mk2 SRの限界を超えたもの。
テーマ曲が♪チャララ〜ン(カッタン:ディスク読み、スタッフ表示)、チャンチャンチャ〜ンチャ〜ン(カッタン)と、ディスクを読むタイミングまで計算しつくされていました。ほんと、観ても遊んでも面白かったゲームです。

 いや、ひとつだけこのゲームに恨みがあるとすれば
「どうして、X1版はターボ専用だったんだ!!」ということに尽きるのですが。
おかげで、実際に遊んだのは、ファミコン版だたんですよね。
「ジーザス」がターボ専用だと知ったときには、エニックスに不幸の手紙送ろうかと思いました、かなり真剣に。
 ちなみに、メインテーマの最初の部分は「カエルの歌」と一緒のメロディなんですよ。