第160夜 いま、蘇る逆転!「逆転裁判DS」


参考リンク:「逆転裁判DS・公式サイト」


 このDS版の「逆転裁判」、基本的には、GBAの「逆転裁判(1)」のリメイクです。(1)の4本の話に加えて、5本目のシナリオとして、この「DS」のみの新作、「蘇る逆転」が入っているのです。それで、第1話から第4話までのリメイク版は、GBA版と基本的に同じなんですよね。「異議あり!」を音声入力できるというような、細かい変更点はありますが、ストーリーは同じなので、GBA版体験者にとっては、懐かしいような、めんどくさいような、ちょっと微妙な感じです。GBA版のカートリッジをDSに挿しこんでおけば、好きな話を選択できるようになり、いきなり第5話の「蘇る逆転」で遊ぶこともできるのですが、それはそれで、なんだか勿体無いような気もしますしねえ。結局、僕は昔を思い出しながら第1話から順番に遊んでいきました。
 そして、待望の新シナリオである第5話「蘇る逆転」。この話にはマヨイちゃんは出てきません。第4話から、御剣検事がアメリカに旅立つまでの話が描かれるのですが、「カガク捜査」という新機軸がこのシナリオの特徴で、証拠品をぐるぐると回転させていろいろな角度から見て、手がかりを探し出したり、指紋を探し出したり、映像に隠されたトリックを見破ったりと、とにかく盛りだくさんだし、けっこう長いシナリオではあるんですよね。なんでも、今までの「逆転裁判」の中でも、最長のシナリオなのだとか。いや、僕は正直、「逆転裁判3」の最後の話のほうが長く感じたのですが、たぶんそれは、このDS版での新作が「蘇る逆転」だけだったので新鮮な感じがしたから、なのかもしれません。辻褄という意味では、「それはちょっと…」とやや小沢健二化してしまうトリックもなくはないのですが、それもまた「逆転裁判」の醍醐味。それを言うなら、「3」の最終話のトリックなんて、「そんなの、100回やったとしても、1回うまくいくかどうかじゃないのか!」とツッコミたくなるようなものでしたし、そもそも、「霊媒」がアリの世界なんだから、とりあえずそれらしくて面白ければOK、ということにしてしまいましょう。 
 しかしながら、この「DS」は、率直なところ、新シナリオ1本(英語版もついてますが)で、定価4800円というのは、DSソフトとしては、ちょっと割高かな、という気がするんですよね。「限定版」を買ってしまった僕のような「逆裁フリーク」にとっては、「1」の懐かしさも含めて値段分の価値はあったと思うのですが、やっぱり、5本中4本がリメイク、というのは、やや希求力が弱いかな、と。
 でも、やっぱり「逆転裁判は楽しい!」のですよね。いちおう「なるほどくんシリーズ」としては、「3」で完結らしくて、DSでの新作「4」は、主人公が替わってしまうらしいのですが、また、この「蘇る逆転」みたいな「外伝」的な話も作ってほしいなあ、と思います。
 せっかくDSがこんなに売れているんだから、「えいご漬け」のために買った大人にも、ぜひやってみてもらいたいゲームです。
 日頃嫌なことがあったときには、さあ、御一緒に、「異議あり!」