第165夜 逆1メガショック!!「ゲゲゲの鬼太郎 妖怪大魔境」


参考リンク:ゲゲゲの鬼太郎―妖怪大魔境


 このゲームが発売された1986年くらいには、まだ「有名キャラクターを使えば、どんな酷いゲームでも売れる!」という時代でした。なかでもこの「ゲゲゲの鬼太郎〜妖怪大魔境」を発売した「バンダイ」は、「キャラクターにばかり頼ったクソゲーメーカー」として、当時のゲーマーたちには、悪名が高かったのです。でも、この「ゲゲゲの鬼太郎〜妖怪大魔境」は、当時「業界初!」の1メガロムカセットで発売されたこともあり、けっこう話題になり、そして売れました。しかし、「カセットの容量が大きい」というのが売り文句になっていた時代というのは、いまから考えてみればものすごくヘンではあるのですけど。実際、この「妖怪大魔境」も、けっこうステージやキャラクターのバリエーションは豊富だったのですが、ゲームとしてはワンパターンだったので、「1メガカートリッジを使ってはいるけれど、半分くらいはカラなんじゃない?」と、当時はみんなで疑問に思っていましたし。でも、ちょうどディスクシステムが「カートリッジの3倍の容量!」と言うのをウリにしていた時代なので、大容量カートリッジの出現は、ディスクシステムの未来に冷水をぶっかけたのは事実でしょう。それはもう、同じ容量ならば、読み込みがないにこしたことはないわけだし。

 ゲームシステムは、鬼太郎を操作して、「妖界魔境」、「妖奇魔境」、「妖空魔境」、「妖炎魔境」、「ミステリー魔境」の5つの魔境を攻略し、隠された「水晶玉」を取って、「妖怪城」でボスを倒すと1面クリア、というゲームシステムで、主人公の鬼太郎に、取ると1upする目玉おやじ(ちなみに、取ると1downする「毛目玉」というまぎらわしいキャラがいて、かなりムカつきます)、ボス面で助けてくれるぬりかべ・子泣きじじい・砂かけばばあなどの、有名妖怪たちが総出演です。あのネズミ男は敵側。

 ところで、この「妖怪大魔境」なのですが、当時いちばん僕たちを苦しめたのは、その「当たり判定」の大きさでした。あの頃の一般的なゲームよりも、鬼太郎が敵の弾に「当たった」と判定される範囲は明らかに2ドットくらいは広く、僕などは「いまの敵の弾、当たってないじゃん!」と怒ってコントローラーを何度投げつけたことか…あの「スペランカー」の「虚弱主人公」も驚きでしたが、「鬼太郎」の気孔アタックもまた、かなりの衝撃だったのです。それでも、慣れたら「当時のバンダイのゲームのなかではマシなほう」という評価が一般的だったんですけどね。それでも、他のゲームのあとにこのゲームをやると、なんだかすごく理不尽に思えた記憶があります。

 ちなみにこのゲーム、なんと125万本も売れたそうです。そりゃあ、キャラものはやめられなかっただろうなあ……