第61夜 速い!速すぎる…「F−ZERO」


「速い、速すぎる!なんだこれは、あっ、コースアウトだ…」
 まだ本体が世に出てすぐの時代のスーパーファミコン(以下SFC)で、
このゲームをを体験した者は、同じ驚きを共有したものです。
 そのゲームの名は「F−ZERO」
 「F1を超えたレース、だからF0」という設定のこのゲームは、
加速重視型(初心者用)から、最高速重視型(上級者用・タイムはこれじゃないと厳しい)
までの4種類のマシンのうちの一台を選び、未来都市を疾走していくのですが、
当時の家庭用ゲームとしては、信じられないようなスピード感を実現していました。
 それまでの家庭用の最速レース(?)ゲームは、「マッハライダー」といった印象でしたから。
 このゲームは、タイムアタックも大流行し、とくに一面のコースでは、
信じられないようなショートカット技まで開発され、
100分の1秒を削っていく戦いが繰り広げられていたのです。
 そういえば「しあわせのかたち」の桜玉吉先生のマンガにも、
タイムアタックのことが書いてあった記憶が。
 
 あの身体が浮き上がるようなスピード感、
今のゲームに慣れてしまった人たちには、全然たいしたことはないのかもしれないけど、
当時の僕たちは、もうすっかりシビレてしまったのです。
 いや、ほんとに当時はみんな
びっくりして眼振起きてたんだって。
 
 SFCをセールス的に牽引したのはFF4やストリートファイター2だと思うけど、
いちばんSFCのインパクトを世間に与えたのは、このゲームだったのかも。