第41夜 どこが面白いの?とよく聞かれた「ベストプレープロ野球」

 ファミ通の記事を見て、なんだか面白そうだと思って買ったこのゲーム。
実際は、かなり好みが分かれるものでした。
 ゲーム内では、プレイヤーは監督となって、選手に指示を出すのですが、現実の監督がそうであるように、プレイヤーは、自分で投げたり打ったりすることはできません。
 テレビの前で、選手たちが勝手にやっているプレーを「見てるだけ」です。

まあ、「気合を入れる」とかいって、ここぞというところで選手にやる気を出させるコマンドがあるのですが(ただし、スタミナが2倍減少)、効果があったためしがありません。
あとは、代打や投手交代のタイミングとなんといっても基本的な戦力がキメ手。

 ということで、なんとかひいきのチームが優勝できるように(かといって、みんな能力Sとかだと面白くもなんともないですから)このくらいの能力はあるはず!という希望的観測でデータを変えたりしてました。
 このゲームのいちばんすごいところは、数字のリアルさで、野球ゲームというのは、6割バッターとか、1シーズンにホームラン80本!30勝!なんて選手が出てきてしまいがちなのですが、ちゃんと納得できる範囲の数字におさまるようにバランス調整されています。目に見えないところですが、これはすごいなあ、と。

 それにしても、このゲーム、データの蓄積が嬉しいタイプの人間以外には、すこぶるウケが悪かった。いつも渋い顔をして、遊んでいるように見えない、と。
 僕は一生懸命戦況を見つめているのに、「自分で動かせなくて、どこが面白いの?」とか「ゲームやってないんだったら、他のゲームで遊ばせて!」と何度言われたことか。

 実際は、この「自分は何もできない」というシンプルさがこのゲームのいいところで、のちに乱造された「シミュレーションプロ野球」系のゲームのように、1球ごとに監督が指示を出すようなゲームだと、とうてい130試合なんてやってられないんですよね、かったるくって。

 「ベストプレープロ野球」が、こういうデータ蓄積系のゲームを作り出した功績は、非常に大きいと思います。もう、2度とやらん!と思っている人もけっこう多いとは思うし、万人に薦めるのは、ちょっとためらわれますが。

 野球の監督って、つくづく大変だと思います。ゲームだったらボロ負けしてたら敗戦処理投手を投げさせ、代打も使わずに漫画でも読んで試合終了を待てるけど、実際の試合では、敗色99.9%のゲームでも、「闘っている姿勢」を見せないといけないわけですから。

今日は、もうヤメ!っていう日も、きっとあるんでしょうけど。