『かみがた噺』とは、落語をご存じない方には上方噺を、キリスト教をご存じない方には言わば神方噺を、
それぞれが知ってほしいという願いをこめて…と、五郎兵衛師。
新作『蘇生の息子』は新約聖書から題材(ルカの福音書15章の放蕩息子のクダリ)を得て師が創られたもの。
放蕩息子が財産を使い果たして舟遊山をする場面を、江戸時代に遡らせて、三味線鳴り物をハメ、飄々と粋に語られた。
息子の父親の慈愛もよく伝わった。補助席満杯の盛況。
司会者から「ゴスペル・イン・文楽」を初めて観た時の感想を求められ、五郎兵衛師は
『いやあ、エライ洒落たもんでんなあ、思いました。普通、文楽では、
「現われいでたる〜武智みつ〜ひでえっ〜」と、こうでつしゃろ(と、両手で大げさな身振り)。
それを、ゴスペル文楽では、「現われいでたる〜イエス〜キリスト!」でんがな』と。
涙が出るほど笑いました。感激しました。
毎日カルチャー発声ゼミ、今夜から本格的に『酒屋のサワリ』。
発声練習時から、皆の声の出が段違い。発表会を経験するとこれほど成長するものか、感じいった。
毎度恒例になったカルチャー後の食事会は昨日の『かみがた噺の会』の話題。
五郎兵衛師匠の新作『蘇生の息子』について。
放蕩息子の次男が父親に先に遺産の半分を分けてもらいたい、と願い出るクダリ。
息子が流石に言いにくそうに『ええっと…後の百より今の五十と言いまして…親父さんが
死んだあと、醜い遺産相続をする前に…へっへっへ。ええっと…』。これを10回くらい繰り返す。
これが目茶オモロかった。 ここの箇所、落語通の安藤氏は見逃さなかった。
あの執拗な繰り返しはさすが二代目(春団治)に口写しでお稽古してもらった証し。
初代からの極めつけの春団治風。今のシャイな三代目にはない芸、と力説。
五郎兵衛師匠に、あの初代春団治の芸が伝承されていることを初めてライブで確認しました、
と目を潤ませ、声を詰まらせ述懐。
これより下の写真は秦晴夫氏撮影
「教会根問」(作・菅原早樹)を語る 露の団姫(まるこ)さん |
「手水廻し」を語る露の吉次さん |
「七段目」を語る露のききょうさん |
上田紫布さんの司会で 露の五郎兵衛師と英大夫の対談 |
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五郎兵衛師作の神方噺「蘇生の息子」 |
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終演後のロビーで(この写真はWEBマスター提供) 中央が菅原牧師婦人早樹さん(五郎兵衛師のお嬢さんでありマネージャー) |