健康的な食事は、死亡リスクを低下させる

最新疫学研究情報No.53

米国のハーバード大学の研究チームによって、「健康的な食事は、慢性疾患などによる死亡リスクを低減させる」との報告がなされました。

研究チームは、72,113人の健康な女性を対象に、「食事パターン」と「死亡リスク」との関係を調査しました。被験者の食物摂取頻度アンケート(*2~4年ごとに実施)によるデータにもとづき、食事パターンを「健康的な食事(※1)」と「欧米型の食事(※2)」の2つに分け、それらの食事が死亡リスクに与える影響について、18年間の比較分析を行いました。(*調査の期間中に6011人の被験者が死亡し、そのうち1154人が心血管疾患、3139人がガンにより亡くなっています)

調査の結果、最も健康的な食事を摂取した人達は、典型的な欧米型の食事を摂取した人達に比べ、心血管疾患による死亡リスクが28%低下し、総死亡リスクが17%低下しました。一方、欧米型の食事を摂取した人達は、赤肉・精製穀物・スイーツの摂取が最も少ない人達に比べて、心血管疾患による死亡リスクが22%、ガンによる死亡リスクが16%、総死亡リスクが21%増加したことが明らかになりました。

研究者は、「この調査結果は、健康的な食事をするための大きな動機づけとなる。単一の食品や特定の栄養素ではなく、日常摂取する“食事全体”に意識を向けることが、長寿における重要な要素であることを示している」と結論づけています。

※1野菜・果物・全粒穀物・豆類・魚・トリ肉を中心とした食事

※2赤肉・加工肉・精製穀物・フライドポテト・スイーツを中心とした食事

出典

  • 『Circulation 2008年7月15日号』Medline Plusより
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