“肉食”が引き起こす地球規模の食料問題〈1〉

大地の恵みの「不公平な分配」と「飢餓の問題」

コラムNo.53

肉食は大地の恵みを不公平に分配し、地球人類に「貧困・飢餓」という悲劇をもたらします。今回は、肉食が引き起こす貧困・飢餓という“人類虐待”の問題を取り上げます。

肉食が間違っている理由の1つは、神が与えた大地の恵みを公平に分配せず、一部の人間が独占し、その結果、多くの人々を苦しめることになるからです。肉食は、毎日の最低の食事さえも事欠くような貧しい人々を生みだす大きな原因となっているのです。肉食は現代人に味覚の快楽を与えますが、それと引き換えに「地球レベルでの貧困・飢餓」という深刻な問題を引き起こしています。肉食は、利他性・共利共生という自然界(神)の摂理に反する間違った食習慣です。それによって、地球全体が利己的な生活の場所となり、人間の利己性をさらに増幅させることになっています。

神は、地球上で生活するすべての人々に十分に行き渡るだけの生産物を与えています。現在、地球上には80億を超える人々が住んでいますが、その中の誰ひとり、飢えて死ぬことがないだけの大地の恵みが与えられているのです。地球上に生を享けた「神の子供」である人間が、決して飢えて死ぬようなことがあってはならないからです。

しかし、現実には80億を超える地球人類のうち、4分の1以上もの人々が十分な食料を手に入れることができず、飢えの状態で毎日を過ごしています。こうした地球上の飢餓は、地球人類の汚点と言うべき最も悲惨な問題です。神から与えられている大地の産物が、人類の“エゴイズム”の支配下にあって平等に分配されず、特定の人々にのみ集中するようになっています。食料はお金のある先進諸国の人々に優先的に回され、貧しい国々の人たちには行き渡りません。現在の地球上では大地の産物を不平等に扱い、不公平に分配するエゴ的システムができ上がっています。そのため貧しい人々の中から、飢え死にする人間が出てしまうのです。

物質文明・科学文明がこれほどまでに進歩した21世紀の地球にあって、神から与えられた食料を公平に分配するという、ごく当たり前のことができずにいます。先進諸国の多くの人々は、有り余るほどの贅沢な食事をし、食べ切れずに残して捨てるといった愚かなことを平気でしています。贅沢三昧の食生活の結果、肥満になって病気で苦しむことになっています。

毎日の食事にさえありつけず、痩せ細って飢え死にする多くの子供たちがいるという事実は、現在の地球が利他愛から懸け離れた醜い世界になっていることを示しています。地球はエゴに支配された、まさに地獄のような世界になっているのです。

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