Blue Berrys roomに戻る

○当地における品種群、品種比較

当地における各品種群の平均的なデータになります。個々の品種や環境・栽培法で異なりますので参考程度に。

ハイブッシュ系 ラビットアイ系 サザンハイブッシュ系 ハーフハイ/ローブッシュ系
栽培のし易さ 鉢植えはやや難しい

露地植えは難しい
鉢植えは大きくなり過ぎる

露地植えは容易
鉢植えは比較的容易

露地植えはやや難しい
鉢植えは比較的容易

露地植えは難しい

樹の大きさ 成木で2m程度まで
(13〜17号鉢が適当)
成木で2m以上
(17号鉢以上が必要)
成木で1.5m程度まで
(10〜13号鉢が適当)
成木で1m程度まで
(10号鉢が適当)
栽培特性 樹勢 中
耐暑性△
耐乾性△
耐病性△
土壌適性△
樹勢 強
耐暑性◎
耐乾性○
耐病性○
土壌適性○
樹勢 弱
耐暑性○
耐乾性△
耐病性△
土壌適性△
樹勢 弱
耐暑性△/
×
耐乾性△
耐病性△
土壌適性△
果実 大粒で皮や種は目立たず食味良好な品種が多い
収穫 6月初〜7月下旬
中〜大粒で皮や種がやや目立つ品種が多い
収穫 6月末〜9月下旬
中〜大粒で皮や種は目立たず食味良好な品種が多い
収穫 5月末〜7月中旬
中粒で皮や種は目立たず食味良好な品種が多い
収穫 6月〜7月
糖度 Ave.12〜15 Max.17 度 Ave.14〜18 Max.20 度 Ave.13〜16 Max.17 度 Ave.12〜14 Max.15 度
味覚 甘味・酸味のバランスがとれた味 
甘味が強く濃厚な味 やや甘味の勝った酸味とのバランスがとれた味  やや酸味の勝った甘味とのバランスがとれた味 

※露地植えでの観察は一部の品種によります。最近の結果から方法によってはハイブッシュ系等でも露地植えで育て易くなることを感じています。

栽培結果をまとめると、当地では明らかにラビットアイ系の栽培が有利になります。ハイブッシュ系(サザンを含む)は
ラビットアイ系と収穫時期が異なること、食味が平均して良いことから樹勢や適応性を重点に選択すると良いでしょう。
ラビットアイ系は品種間の食味(種や皮の目立ち方)が大きく異なりますので、特に食味の良い品種を選ぶことが
大切です。鉢植えではハーフハイ系も置き場所の自由が利きますので、当地でもお薦めできます。

ローブッシュ系については暑さに弱く、当地での栽培はかなり苦戦します。

○品種データランキング

当地における品種毎のデータです。一部不明品種は省いています。環境・栽培法で異なりますので参考程度に。

大きさ(最大) 平均糖度(Brix糖度) 早期収穫 晩期収穫
1 チャンドラー(25.5o) ベッキーブルー(20.2度) フロリダスター(5月下旬) サウスランド(以下9月下旬)
2 コビル(25.3o)
ブルーパール(19.2度)
オニール(以下5月末) オレンジパール
3 カロラインブルー(24.6o)
ノビリス (18.9度) ウェイマウス ノビリス
4 ウィトウ(24.5o) ウッダード(18.5度) ミスティー デライト
5 トロ(23.5o) ホームベル(18.3度) ジョージアジェム パウダーブルー
6 ノビリス(23o) ティフブルー(18.0度) スパータン バルドウィン
7 マル(23o) ミノウエレガント(17.9度)
エイボンブルー
8 ヌイ(22.5o) パウダーブルー(17.5度)
9 ジュエル(22.5o) プレミア(17.3度)
10 プル(22.5o) ミノウブルー(17.1度) ラビットアイ系極早生 ハイブッシュ系最晩生
11 サミット(22.5o) オレゴンブルー(17.0度) クライマックス(6月下旬〜) カロラインブルー(〜8月上旬)
12 デューク(22o) アリスブルー(16.8度)
13 オノ(22o) ルーベル(16.7度)
14 ブリジッタ(21.9o) サンシャインブルー(16.5度)
15 ミノウブルー(21.8o) ブルーレカ(16.4度)
16 デキシー(21.8o) フロリダスター(16.4度)
17 ダロウ(21.8o)
18 サファイア(21.5o)
19 フロリダスター(21.5o)
20

※現時点での事実に基づいたデータですが、栽培方法の改良等で来年以降変化する可能性はあります。

果実の大きさに関して以前は課題であったラビットアイ系も、ハイブッシュ系に勝るとも劣らないサイズになりました。
平均糖度も当地での結果に関しては、圧倒的にラビットアイ系が高く有利です。私の個人的な意見ですが、暖地で
苦労してハイブッシュ系を栽培するよりも、適地適作となるラビットアイ系から品種をよく選んで栽培に取り組む方が
良いのではないでしょうか。例えば糖度でラビットアイ系を上回るハイブッシュ系の収穫は当地で不可能と思います。
ハイブッシュ系(含サザン)は暖地適性を重視して、収穫時期の違いを補完する目的で栽培することをお薦めします。

○お薦め品種

当地で栽培が容易で、かつ美味しいお薦めの品種を選んでみました。でも他にも良い品種はたくさんありますよ。

5月下旬〜6月中旬収穫品種

○フロリダスター...最も早く収穫ができ、大粒で糖度が高く美味しい。適応性があり樹勢も強めで栽培は比較的容易。
※契約が必要で10本以上の栽培が必要です。(2006年秋現在) こうした制約があっても、それ以上に魅力があり、お薦めできる品種。

○ブルーレカ...やや酸味もある濃厚な味はハイブッシュ系の良さを堪能できる。樹勢も強く適応力があり栽培容易。

○デューク...樹齢を重ねるにつれ、糖度も増し美味しく変化する品種のようです。育て易さはハイブッシュ系随一。

6月下旬〜7月下旬収穫品種

○カロラインブルー...当地最後のハイブッシュ系に加えて、美味しさ、大きさ、育て易さまで備えた素晴らしい品種。

○ベッキーブルー...最高クラスの糖度を持ち、皮や種も目立たず美味しい。ラビットアイ系なので栽培も容易で安心。

○ティフブルー...どこでも入手できる品種の上、完熟果は最高に美味しく栽培も容易。

○ブライトウェル...果実がラビットアイ系でもトップクラスの上に、栽培が極めて容易品種。あらゆる面で優等生。

8月上旬〜9月にかけての収穫品種

○ノビリス...皮や種も目立たず、果実が大きく糖度も高いパーフェクトな品種。ラビットアイ系なので栽培も容易。

○パウダーブルー...ラビットアイ系としては糖度も高く酸味も効いた濃厚で上質な味。ティフブルーを超えた品種。

○デライト...ラビットアイ系の中で一歩抜き出た豊かな風味と甘さを持ちます。晩生種としてぜひ栽培したい品種。

※お薦めしている品種は家庭での栽培を想定したものです。営利栽培では求められる内容が異なりますので適当ではないかもしれません。

※2006.12 デューク、カロラインブルー、ブライトウェル、デライトを追加しました。今後も長期間の観察の上、順次追加・更新する予定です。