目の健康に影響を与える可能性のある医薬品                     10.4.12    1.000

 このページでは副作用などとして、目の健康に影響を与える可能性のある医薬品を紹介しています。
 医薬品の副作用について、一般に健康な患者さんに対しては、それほど発症や悪化が頻発するわけではありません。
 しかし既に眼科領域の疾患を発症されている患者さんに対しては、かなり高い確率で発症・悪化する可能性があります。

 医薬品の副作用については、処方された薬を受け取る際の説明書等にも記載がありますが、一般に頻度の多い副作用に
 絞って簡略化されたものであり、既に眼科疾患を持ち、副作用が生じやすい患者さん向けの記載ではありません。
 ここでは眼科領域から見た場合の副作用に絞って書いていますので、眼科関連の患者さんの参考になれば幸いです。

 ここで紹介している医薬品についての副作用情報は、全て医薬品メーカー発行の添付文書、今日の治療指針[医学書院]、
 眼科薬理学[文光堂]、その他の眼科学などの専門書から抜粋している確実な情報です。私が当院の臨床結果から注釈を
 入れる場合には、そのことが分かるよう配慮して記述していきます。当ページの情報に基づき、服用されている医薬品の
 変更を考えられる場合には、必ず医師に相談していただき、自己判断で中止することのないよう、お願いいたします。

◆セレスタミン(錠、シロップ) 特に花粉症治療薬として、耳鼻咽喉科・内科等で処方
 アプシラジン、エンぺラシン、クロコデミン、サクコルチン、セレスターナ、ヒスタブロック、ビヘルス、プラデスミン、ベタセレミン

 副作用として、緑内障、後嚢白内障(連用で眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障)、中心性漿液網脈絡膜症等による網膜障害、
 眼球突出等

※花粉症等への抗アレルギー薬として、小児から成人まで幅広く処方されています。錠剤1錠につき2.5mg、シロップ1mg当り
 0.5mg相当のステロイドを含有しており、ステロイドと同様の副作用を生じる可能性があります。一般的な緑内障・白内障の
 リスクに加えて、網膜の浮腫(中心性漿液網脈絡膜症)を発症・増悪する可能性があり、特に黄斑変性症、網膜静脈閉塞、
 糖尿病性網膜症、網膜色素変性症を持つ患者さんは変視(歪み等)が発症・悪化する可能性があり、注意が必要です。

 当院の臨床や患者さんからの聞き取りでは、網膜色素変性症の方で服用直後から大幅な視野狭窄(30〜50%)を生じた
 症例があり、他にも網膜色素変性症の視野狭窄進行や黄斑変性症の発症に関与したと考えられる症例がありました。
 ステロイド系薬剤は、特に内服・坐薬で副作用として網膜障害が明記されており、既に関係する眼科疾患の患者さんには、
 ハイリスクと考えられます。非ステロイド系の抗アレルギー薬への変更が賢明と思われます。

 なお、ステロイド系の点眼・点鼻薬、外用薬については、内服薬や坐薬のような網膜障害の記載はありません。しかし、
 結果的に体内に吸収され、内服薬や坐薬と同様に体へ作用することから、できれば避けた方が良いと考えられます。

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