途切れ途切れ。
礼服を着た人々が、三々五々去って行く。
その後ろ姿は、それぞれの人たちの思いが見えるよう。
「寂しいな」
「ああ」
一般市民を守って死んだ警察官。
美談の影に、彼らしか知らない真実がある。
だが、それは決して外には出ない。
それが彼らの限界。
「帰ろうか」
「ああ」
それが表に出るとしたら、あの探偵達が、行動を起こしたとき。
そして、必ず、その日は来る。
「真実は一つなんだから」
「だな」
二人は軽く伸びをした。
「無駄な仕事、増やさないでくれよ、鷹山ちゃん、大下ちゃん」
「それは無駄な話じゃないかな、大将」
「・・・だーよなぁ・・・」
喪服ではなく、ただ、黒の背広を着ているだけの二人。
弔う事も、罵る事も出来ず、ただ、その門を見ているだけ。
「ハトさん、大将さん、事件ですよ」
スカイラインがすっと側に寄って来て、窓から立花が声を掛けた。
二人はちょっと視線を交わすと、やれやれとばかりに肩をすくめた。
「じゃ、悪い奴はあの世へ行きそうな位、後悔させてやりますか」