板谷


奥羽本線 明治32年開業:平成2年標準軌化に伴う配線変更により消滅






同区間の4つのスイッチバック駅のうち、最も「人里」を感じさせる場所にあった。 山深い割に戸数も多く、耐火粘土の工場もあり、それに関連して 駅構内の配線も、他の3駅に比べ賑やかであった。
各駅停車に乗ると、ポイント部分を覆ったスノーシェッドの中を通って、 本線から急カーブで街中に線路が分け入っていくという感じで、 駅に停車中の列車からは、本線の様子を覗うことは、ほとんど出来なかった。
他の3駅と同様に、山形新幹線の開通に伴い、 勾配中にホームを移転して、スイッチバック施設は廃止されたが、 現在も、保線車両の保管用として、標準軌の線路が1本、旧構内に続いている。
*上段と下段左写真は、府川泰氏撮影。雪中のスノーシェッドを、 EF71を先頭にした旧型客車が行き交う。
*マップは、同区間の他駅同様、四期に分けて作成してみた。 板谷峠にかかる4駅は、一見、似たような構造を持っている印象を受けるが、 マップをよく見ると、それぞれに違いがあることが分かっていただけるであろう。 特に、板谷駅は、唯一、開業時から廃止までを通じて、 発着線の途中にシザースクロスポイントが存在することが特徴と言える。 そのお蔭(?)で、本線との分岐部分の構造は、複線スイッチバックにしては 至ってシンプルである。
なお、「複線時代」のマップに、当駅の最も賑やかな構内配線を記載したが、この状況が、 いつ頃のものであったかは、未だ調査中である。少なくとも、スイッチバック末期には、 ほとんどの側線は使用されていなかったと思われる。
*ところで、赤岩を除く3駅に特徴的なスノーシェッド部分を、マップ上に黄色で示してみたが、 基本的にはスイッチバック末期の状態を全時代に流用しており、 正確なものとは言えないことは、ご了承願いたい。
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