片耳聞こえないと困ること

☆右側から話しかけられても聞こえない

  右耳が聞こえないので、私の場合、右側から話しかけられても聞こえないことがしばしばあります。至近距離にいるとなおさらです。
  だから、右側の人と話すときはなるべく左耳をその人の方に傾けて聞くようにしています。一見顔を近づけるような体勢になるので人からはびっくりされるこ とが多いです。だから私に顔を近づけられても驚かないでくださいね。
  最初のころは、飲み会などで右側の人の会話がほとんど聞こえず、みんなの話題についていけないし、何度も聞き返すのも場がしらけてしまうので、適当  に相槌打ったり、みんなの反応を見て、みんなが笑えば自分も笑ったりしてました。一人だけ楽しくないわけですから飲み会がゆううつでたまらなかったです。
  今では、「ごめん、聞こえないんだけど・・」と素直にいうようになりました。こんなことでストレスをためてまた逆の耳まで聞こえなくなっては大変だとお医者  さまからも忠告を受けたので。
  ですから飲み会など大勢が集まる場所では一番右の席に座るように心がけています。

  一番困るのは知り合いに声を掛けられた時、気づかずに無視してしまうことです。相手は挨拶してるのに無視されたと思うわけですからめちゃくちゃ感じ悪  いやつになってしまうのです。
  「昨日無視したでしょ!」と学校の友達にもよく言われます。無視するつもりなんて全然ないのになあ・・・。

☆音の方向がわからない

  耳には両耳融合現象というものがあります。
  両耳で聞くことによって、位相差、時間差から場所などを聞き分けるのです。
  片耳だとその機能がないので音源がわからないのです。
  たとえば、後ろのほうから呼ばれた時、それが右なのか左なのか、前なのか、後ろなのか皆目検討もつかないわ けなのです。だからいつも、きょろきょろし てばかりいます。
  まあ、対象が人なら「後ろだよー」とかいってくれるからいいんですけどこれが車とかだと厄介なわけです。細い道 を車が後ろから来てるのわからない。車  の方は当然わかるだろうと思っているわけだから、ひかれそうになって しまうんです。
  クラクション鳴らされても「どこだ?」ときょろきょろあたりを見回してるんだから運転手はむかつきますよね。
  むかつくで済めばいいんですけどひかれちゃったらしゃれになりません。
  だから道では極力端っこを歩いています。

☆音のうるさい場所に行くと音の判別ができない

  また難しい話になりますが両耳分離現象という機能を耳は持っています。
  両耳に同時に与えられた異なった刺激をそれぞれ分離、分別することができるのです。
  もちろん、私にはそんな機能ないわけですから音のうるさい場所に言って話しかけられたり電話すると何がなんだ かさっぱり聞き取れないのです。
  ふつうの街中で電話していても聞き取りにくいわけですから(周りの音と電話の声が聞き分けられないんです)。し かもうるさい場所に行くと右耳から耳鳴りがして左耳の音を聞き取るのを邪魔するんです。右耳聞こえないくせに耳 鳴りだけは聞こえる。やっかいなやつです。

☆電話出るとき
  私は本来電話出るとき、右耳で出ていました。それを左にかえるのはなかなか大変でした。違和感があるんです ね。長電話とかすると特に。うっかり右で出てしまうなんて事もあります。
  また、前述の通りうるさい場所で電話ができません。声と周りの音の区別が付かないからです。大通りなんていっ てしまうと電話がかかってきても電話を取れないわけです。
  だから、とつなんになってからあんまり電話使わなくなりました。おかげで携帯代はずいぶん安くなりました。

☆被害妄想???

 耳が聞こえないと、聞こえない会話が自分のこといってるんじゃないかな、ってすっごい過剰になっちゃうんです。
 聞こえないで聞き返しちゃったあととか特に。そばにいても、右側にいたんじゃぼそぼそとしか聞こえないから気になる。
 あと、自分を呼ばれて気づかないこともよくあるわけだから、自分が呼ばれていないか、とかすぐ気になってしまいます。で、遠く離れた会話とかにも意識的に気を集中させてしまいます。耳が疲れるだけなんですが。

 今でこそなれたけど、結構耳が聞こえないだけで孤独なんです。外界からの情報が一部分遮断されてしまうわけですから。

☆言われて嫌なこと

  片耳が聞こえなくて困ることじゃないんですけど、言われて一番嫌なことは「目じゃなくて耳が聞こえないくらいで  済んでよかったね」という一言です。
  もちろん片目不自由なのは大変なことだと思います。でも、片耳聞こえないこととどうして比較する必要があるので しょうか。
  私を励ましてくれる一言なのかもしれません。でも、やっぱり言われたくない一言ですね。心が狭いんだと思います 。ただ、私の中でその言葉を流せるほどまだ、難聴について立ち直れていないのかもしれません。  

  

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