突発性難聴ってどんな病気?
突発性難聴とは「原因不明の内耳障害によって突発性に生じた障害」と定義されます。
定義の通り、原因不明ですが、ストレス、循環障害が病気の背景として考えられている強い説です。その他ウイルス説などありませんがどの説もまだ決定打とはいかないようです。まあ、ストレスという説が一番一般的なようです。
発症は突然、めまいや耳鳴り、自閉感、難聴で発生します。
発生頻度としては1000人に1人位。それほど珍しい病気ではありません。中年女性に多いと言われてます。
私の場合はそのころ部活のなどですごい人間関係に悩んでいた時期でした。ある日、突然耳が塞がれたような感じがし、強い耳鳴りとめまい、そして耳元で話されても全く右耳が聞こえないということで急いで病院に行きました。
そのときの右耳の平均聴力は100dB以上。100dBというと電車の高架下の騒音や車のクラクション位の騒音です。片耳でも突然そんな大きな音さえ聞こえなくなってしまったらどうしますか?
私の場合は慌てふためくことしかできませんでした。ショックより驚きでした。
病院へ行ったら緊急入院。「この聴力ならすぐにでも入院したほうがいいですよ」とお医者様から言われました。
ステロイド、プロスタグランジンなどの加療を受け、約一ヶ月の入院で聴力は平均75dBまで回復しました。(大声が聞こえるくらい)
この病気の予後は治る人3分の1、多少よくなる人3分の1、全くよくならない人3分の1といわれています。
予後不良因子として高度難聴(80dB以上)、発症のときめまいを伴うもの、そして眼振を伴うもの(フレンツェル眼鏡というもので検査してもらいました)、発症から2週間以上経過した後治療を開始したものですのではじめの3つは私はぴったり当てはまっていたわけです。
健聴者の聴力は30dB以下(聴力は数が小さいほどいいのです。dBは音の大きさですので。)、電話で会話するのには45〜50dB必要といわれています。しかも私の最もやられてしまった音域が500dB〜2000dBといわゆる言語帯域と呼ばれる部分でその名の通り、会話で最も使う場所なのです。
ついていなかったとしかいいようがありません・・・。
生活ではほとんどといっていいほど左耳だけを使っているのが現状です。右耳では会話をしたり、日常生活の物音を聞き分けられない状態です。
耳鳴り、耳閉感はいまだに残っていて疲れたときなどはひどくなり悩まされています。ひどい時は会話などを遮るほどの大音量の耳鳴りがすることもあります。
まあ、一番の誘因となるストレスをなるべく避けて生活していきたいものです。やっぱりとつなんになりやすい素因を私は持っているのでしょうから左耳までとつなんになることは避けたいところです。
突発性難聴(とつなん)になって2年、泣いたり、笑ったりの繰り返しでだんだんこの病気との付き合い方がわかってきました。
はじめのころは、ただ悲しむことしかできなかったんですけど、とつなんのおかげで出会った人、今まで気づかなかった人の優しさ、沢山のことを得ることができました。「これ以上はよくならない」という現状を受け入れるまで、大変長い時間を要しましたが、沢山の人に支えられて今、こうして笑顔で生活できるんだと思います。
過ぎたことは仕方ないという前向きな姿勢で、これからもとつなんとうまく付き合ってくつもりです。