上野
国立科学博物館
所在地:台東区上野公園7−20 (JR山手線上野駅)
HP:http://www.kahaku.go.jp/
入場料:大人500円 中学生以下無料
開館:9:00〜17:00 月曜閉館



国立科学博物館
   


 日本で唯一の科学博物館。
 小学生の頃、母親に連れられて妹と一緒に何度も来た場所だったので、懐かしさもあり久しぶりに来るのを楽しみにしてた。
 ところが、メインの本館は建て替えのために閉館中(写真参照)。平成16(2004)年にできた新館のみの公開ということである。もちろん、僕が小学生の頃には新館はまだなかったわけで、残念ながらノスタルジアを感じるとうわけにはいかなかった。
 正面入り口横のシロナガスクジラの模型も壁の向こうにかろうじて見ることができるだけ(写真上左)だし、1階の巨大な恐竜の骨格や、忠犬ハチ公や南極物語の主人公ジロの剥製なども、現在は観ることができない。
 とはいうものの、さすがは国立科学博物館だけあって、新館だけでも十分に興味深い展示が満載である。観ているうちに僕は、好奇心にあふれていた小学校の頃に戻ったような気分になった。そういえば、小学生の頃の僕は理科も大好きで、百科事典を愛読書としていた。それが、現在では国語教師を勤めるぐらい、すっかり文系になってしまっている。生まれ変わったら今度は理系になろう。そんなことをふと思ったりした。


 まず地下2階から観ていくことにした。地下2階は「地球環境の変動と生物の進化―誕生と絶滅の不思議―」ということで、地球が46億年前に誕生してから、人類が誕生するまでの歴史を様々な化石など を展示している。生命誕生の痕跡を残す鉱物から、原始的な生物。三葉虫、魚類、そして地上へ上がった動物たち。さらに最初の人類。なかでも目を引くのが、320万年前にエチオピアに住んでいた猿人アウストラロピテクス・アファレンスの女性ルーシーの復元模型。身長は1メートルに満たないが、それでも立派な成人なのだそうである。顔は猿そのもので、我々の先祖というのもなかなか実感しにくい。1990年代中頃までは彼女が最古の人類と見られていたそうだが、その後の発見によって、近年は人類の先祖はさらに古く、400〜600万年まで遡ることができるそうである。

 地下1階は「地球環境の変動と生物の進化―恐竜の謎をさぐる―」。文字通り恐竜の骨格がずらりと並ぶ。
  



インディラの骨格
 


 1階は「地球の多様な生物たち」。1000万種類ともいわれる地球上の生物の標本がひしめき合っている。その中には、1949年にインドのネール首相から贈られたインド象のインディラ(1983年没)の骨格や、ジャイアントパンダのホアンホアン(1997年没)の剥製などといった長年我々に親しまれた動物たちの姿も見られる。同様の展示は3階の「大地を駆ける生命」にもあって、パンダやラクダやバイソンといった動物の剥製がずらりと並んでいてこれもまた圧巻である。
 それにしても、ここでの動物たちは当然ながら動かないので何か物足りない。そういう場合は、すぐ近くの「上野動物園」に行けばいいのである。
 



3階展示室の様子
(パンフレットより)
 


 2階は「科学と技術の歩み」。江戸時代から現代にいたる日本の科学技術の変遷をいろいろな道具で展示する。1924年に豊田佐吉 (1867〜1930)よって発明された「G型織機」は日本の技術が世界に認められた最初であるし、1972年にラウバル北西のニューブリテン島沖から引き上げられたゼロ戦の実物など、興味深い展示が多い。
 

(2005年7月28日)


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