門前仲町 |
深川不動堂 |
所在地:江東区富岡1−17−13(地下鉄 門前仲町) |
HP:http://fukagawafudou.gr.jp/ |
料金:無料 |
開館:(内仏殿)9:00〜17:45(4階は16:30まで) |
深川不動尊
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インド人一家のガイドで門前仲町にやってきた。
門前仲町の駅を降りると、すぐのところに、深川不動堂(深川不動尊)がある。
その門前仲町駅から深川不動堂へ向かう参堂には、和菓子やなどが並び風情がある。一瞬昔へタイムスリップしたかのような、そんな錯覚に陥るレトロな雰囲気の町。外国人を連れてくるにはうってつけの町ではないだろうか。
この深川不動堂は成田不動を江戸でも拝みたいという江戸町人の要望によって1703(元禄16)年4月、本尊の出張開帳が富岡八幡宮の別当永代寺の境内(現・深川公園)で執り行われたことに始まる。その後、明治の神仏分離令によりいったん廃寺となるが、1881(明治14)年に現在の本堂が作られた。
関東大震災と第二次大戦で本堂は2度に渡って焼失。現在の本堂は、1951(昭和26)年に千葉県の印旛沼のほとりにあった龍腹寺を移築して作られたものである。
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深川不動堂本堂
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本堂にお参りしてから、内仏殿に行ってみた。
ここは、仏像類が数多く展示してあり、まるで博物館のようである。
内仏殿に入るとまず、枯山水があり、そこに石橋がかかっている。敷き詰められた石は内仏殿の建設工事の際に地下30メートルから掘削された「願い石」。天井から光で「阿」の字が映し出されているが、これは「物事の始まり」を示す梵字だそうである。
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阿字橋
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1階にはいくつかの部屋があり、それぞれに仏像が安置されている。
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政廣不動の間
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2階も同様であるが、四国八十八ヶ所巡拝場があり、現地に行かなくても、数秒で霊場巡りができるというのが特徴。それぞれに、現地の「お砂」が納められている。
それにしてもあまりに多くの仏像があり、まるでデパートのようだ。
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四国八十八ヶ所巡拝所
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内仏殿のメインは4階の宝蔵大日堂。ご本尊の大日如来像ばかりか、信者によって納められた大日如来像が200体以上もあり圧巻である。
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本尊の大日如来像
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たくさんの大日様たち
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宝蔵大日堂の天井を見上げると巨大な大日様が見下ろしている。
桜の絵で知られる中島千波(1945〜)の筆になるもので、どことなくユーモアのある表情をしている。
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大日如来蓮池図
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深川不動堂と道を挟んですぐ隣には富岡八幡宮(深川八幡)がある。もともと深川不動堂は、この富岡八幡宮の別当であったわけで、両者は関係が深い。次に富岡八幡宮へ向かうことにした。
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(2006年4月10日) |
(追記) |
深川不動堂参道
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6年ぶりに深川不動堂を訪ねてみた。すると、前来た時には無かった立派で派手な建物が、本堂の隣にある。
この建物が現在の本堂なのだそうだ。深川不動堂開創310年に当たる2011年に完成したばかりだという。壁には梵字が刻まれている。
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深川不動尊新本堂
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旧本堂には現在、「おねがい不動尊」が安置されている。
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おねがい不動尊
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境内の左手には「深川龍神」がある。龍神は不動明王の使いである。
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深川龍神
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この深川龍神は近年パワースポットとして注目されているそうだ。
願い札に願い事を書き、水鉢の中に浮かべる。願い札が溶けると、願いが龍神に届き、叶うのだという…。さすがに僕自身では願い事はしなかったが、水鉢を覗いてみたところ、溶けた願い札らしきものが浮いていた。
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深川龍神の記帳所
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また、願い札を水鉢に入れた際には、すぐ隣にある銅鑼を2回鳴らして祈るのだそうだ。
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深川龍神の銅鑼
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この深川龍神のすぐ隣には「亀鯉供養之碑」が建つ。池を埋め立てた後に、その池に住んでいた亀や鯉を供養したものらしく、龍神とは関係がないもののようである。
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亀鯉供養之碑
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深川八幡の境内には小さな神社がある。これは「出世開運稲荷」といい、「成田山出世稲荷」を勧進したものだそうである。
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深川出世開運稲荷
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この地にはもともと富岡八幡宮の別当寺としての永代寺があった。門前仲町の名前の由来は永代寺の門前町だったことによる。
その永代寺は明治期の廃仏毀釈により、廃絶。その後、1896(明治29)年、門前にあった吉祥院が「永代寺」と改められ名前が継承された。
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永代寺
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永代寺の敷地は現在の深川不動尊と隣の深川公園を併せた広さがあったそうである。
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深川公園
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深川公園には「富岡八幡宮別当永代寺跡」という碑が建っている。
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富岡八幡宮別当永代寺跡
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深川公園の深川不動堂のすぐ脇に建つ石造燈明台には、1898(明治31)年の銘があるが、江東区の指定有形文化財となっている。
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石造燈明台
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(2012年7月15日) |